戸山香澄は轟く鬼   作:のうち

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第12話

香澄は森の中を上空を飛ぶアカネタカを頼りに進んでいく。

 

 おかしい、確かに一歩ずつ魔化魍の巣に近づいている感覚はあるのだけど、ここにくるまでの間に一度も童子や姫に会っていないことだ。それが怪しい、考えられる可能性としては先程見かけた別のアカネタカの持ち主達が倒してしまったというケースだけど、それなら魔化魍ごと倒してくれてるとありがたいんだけど、まだあっちのが動いているところを見ると魔化魍の方はまだだと思うけど

 

 ん、今何か、動いたような?、でも今はそれを確認している時間じゃない。急がないと

 

 香澄は音錠を使って鬼に変身し、駆け出すのだった。

 

 「香澄が鬼に変身したわ!!」

 

「ねえ、こころ、やっぱりまずかったんじゃない。黒服さん達に黙って出てきちゃったしさ。」

 

 「でも、あんな姿になって何処に行くのかしら、もしかしたらパーティーかもしれないわ!」とこころは香澄を追いかけるのを再開するのだった。

 

 それから、視点は香澄に戻って10分程経った時のこと。近くで大きな音がした為、その場に向けて走っていくと、そこには見たことのあるフォルムの魔化魍、土蜘蛛がいた。 

 

 「おう、やっぱり土蜘蛛ね。やりますか。」

香澄、いや、轟鬼は烈雷を構えて土蜘蛛に向かっていく。

 

 もう、なんで最近、打の領分の魔化魍に出くわすのだろう

本当に嫌になるよ。私の得意分野ってヤマアラシとか化蟹なんだけどなあ、本当に勘弁してちょうだいよ。

 

 「さて、やりますか。」

 

香澄は弦の鬼の攻撃の常套である巨大な足を斬りつけ、確実に一本、足を切断し、怯んだところを腹を斬りつける。

さらに怯んだところを状態ひっくり返して、トドメを刺そうとしたその時

 

 「わぁぁぁ!、とってもおっきい蜘蛛さんだわ!」

 

「ちょっ、こころ、明らかにやばいんですけど!」

 

 「何してるの!、美咲ちゃん!、こころん、危ないから下がって!」

 

 「ほら、戸山さんもそう言ってるみたいだし、行こうこころ!」

 

 「そうなの?」とその時、呆気に取られた私のミスなんだけど、土蜘蛛の糸がこころ達に向かっていったのだ。

 

 すぐに防ごうと走ったけど、間に合わない。

私はまた、見ている前で守れないの⁉︎

 

 こころ達に糸が向かおうとしたその時、糸を何者かが断ち切ったのだ。

 

 あれは

 

 「蘭ちゃん、モカちゃん、じゃなくて歌舞鬼、裁鬼!」

 

「やっほ〜、轟鬼」

 

 「なんだか、苦戦してるみたいだけど」

 

 「ごめんね。イレギュラーなことが多くてさ。もう片付くからね。こころん達、守ってて」

 

 「わかった。あんまり無理しないでね。」

 

「任せて〜」

 

  私は再び、土蜘蛛に向かっていく再び、二、三度足を斬りつけて腹に烈雷を突き刺して、音撃震をセットする。

 

 「音撃斬!、雷電激震!」浄めのメロディをかき鳴らし、土蜘蛛は爆散した。

 

 だけど、まだ終わりじゃない。

 

 香澄は音撃弦を一回転させる。

 

 「おっ、轟鬼ちん、いつものいっちゃいますか。」

とモカ・・・、裁鬼と歌舞鬼も音撃弦を構える。

 

 魔化魍を退治したあとは必ず、このフレーズを父と共にかき鳴らしたのを今でも思い出す、でも今隣にはその父はいない。だけど今、そこには私の掛け替えの無い仲間がいる。

 

この3人でセッションするのはとても楽しいってそう思う。

 

 そして3人は受けた任務が最終的にはゴールが同じになるように仕向けられていたことを察して、またしても響鬼にやられたと苦笑するのだった。

 

 一方その頃、件の立花響鬼はというと、孟司の運営する私立病院のある一室にいた。

 

 その病室には1人の男が入院していた。男の名は蛮鬼、先代裁鬼の一番弟子であり、早々に独立し、関東十一鬼の1人として、現在に至っては立花響鬼より上の世代で現役を張っている数少ないベテラン世代の1人である。

 

 「蛮鬼さん、本当に良いのですか?」

 

 「ああ、昔はつってそんなに昔でねえけど、響鬼や伊吹鬼とが入るまでは年齢的には1番歳下だった俺だけどよ。流石に今回のことで俺にも限界が来たんだってわかったよ。俺もこれで本格的に厨房スタッフの仲間入りかな。」

 

 「それで、装備は一体誰に」

 

「ああ、刀弦響なら弟子達に預けてる。」

 

 「そうですか・・・、わかりました。後ほど正式な書類をお持ちしますね。」

 

 「ああ、すまねえな。」

響鬼が病室を後にするとすぐさま、騒がしい音が聞こえてきた。

 

 「「師匠!」」

 

 「なんだ。いきなり、ここは病院だぞ。静かにしろ」

 

「だって、師匠」 

 

 「いきなり、私達に何も言わずに引退なんて」

 

 「ああ、ついさっき決めたばっかりだからな。っと、忘れてた。そこのバックとってくれ。」

 

蛮鬼はバックからあるものを取り出し、2人に投げて渡す。

 

 「これって、師匠の鬼弦じゃないですかもらえません。」

 

 「いや、お前だから託すんだよ。レイ、お前が新しい蛮鬼だ。師匠として、全国をわたりあるくお前にはあまりしてやれることもなかった。それとたえ」

 

 「はい!」

「お前は鬼になる素養はあんまりなかったし、これからも鬼に変身するのは難しいだろう。お前はサポーターとしてレイを支えてやるんだ。さて、俺の伝えること全部伝えた。覚悟が決まったらcircleにいけ。それからが始まりだ。」

と蛮鬼は体を横にして眠りにつくのだった。




今回も最後まで読んでくれてありがとうございました。
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