戸山香澄は轟く鬼   作:のうち

6 / 16
第6話

沙綾と香澄はバイクに乗りながら、花咲川へと進路を向けながら公道を走っていた。

 

「驚いたよね沙綾、私のことや、鬼のこと聞いて」

「うん、そうだね。ギターケース落とした後の香澄を追いかけてたら、香澄がいきなり、あんな姿になっておっきな蜘蛛と戦って、未来さんとか、西鬼さんとかと戦ってるのみて

 驚くことばっかりだよ」

 

 とその時、香澄のジャケットのポケットから音が鳴った。

 

「沙綾、ちょっと悪いけど、いったん止まるよ」

「うん、あ、あそこのコンビニとかどう?」と沙綾が指挿すと

 

「OK!」

 

 と香澄がコンビニの駐車場にバイクで入っていく。

 バイクが止まると

 

「香澄、私、ちょっとトイレ行ってくるね」

「うん、わかった」

 

 と沙綾を見送ると香澄はジャケットのポケットから携帯を取り出す。

 

「もしもし、戸山です」

『あ、香澄ちゃん、元気? 、未来から聞いたよ。また鬼に変身したんだって?』

「響鬼さん」

『久しぶりだね。どお、久々に鬼になった感想は?』

「だいぶ、疲れました。明日は筋肉痛じゃすまさなれないかも」

『ははは、1年ぶりに鬼に変身して、筋肉痛じゃ済まないで済むなんてそれだけでだいぶ規格外だと思うけどな』

「それで、今日は何の用で電話を?」

『ん、ああ、そうだね。今回、決心して再び鬼になった香澄ちゃんの正式な轟鬼の襲名式をやろうかなってのと、未来から聞いた沙綾ちゃんの処遇についてかな』

「沙綾がどうなるっていうんですか?」

『ははは、大丈夫だよ。悪いようにはしないから、ただ今後の身の振り方を彼女に考えて貰うだけだよ』

「身の振り方?」

『そう、一応、魔化魍や鬼のことは国家機密にあたる位にはトップシークレットなの。だからそれを知った以上は彼女をただで返すわけにもいかなくなってるの。もちろんこのことを話した未来にも注意はしたけど、やっぱり自分がどういう状況にあったかを理解する為には必要なことなんだよね。だから私も怒ってないから大丈夫。それに今日は若い鬼の子や弟子達が集まっての勉強会がcircleであるから久しぶりに会ってみるといいよ。皆、香澄ちゃんが帰ってくるのをまってるからね。それじゃ』

 

 と響鬼は電話を切る。

 

「ふうー」

 

 circleのオーナーのルームで通話を切った響鬼こと、立花響はため息をついた。

 

「なんだろうね。大人になると昔はやだった嫌われ役もやらなきゃいけなくなるなんて、なんだかおじいちゃん達の苦労もわかった気がするよ」

「まあまあ、響ちゃんも私も良くも悪くも成長して大人になったてことじゃないかな。そう感じるのもそうならなきゃいけない立場にいるのも」

 

 と響の近くにいたまりなが答える。

 

「まりなちゃん、そうなのかもね。でも私も大人になって歳をとったから、王になったからってまだ鬼を引退した訳じゃないから若い子達にも負けないよ」

「もう、そんなこと言って、響ちゃんだって、まだ二十代でしょ」

「「ははは」」と2人は笑う。それを部屋の前を通りかかったスタッフが聞いてびっくりしたのは内緒の話。

 それから1時間ほどした頃、ライブハウスcircleに香澄と沙綾を乗せたバイクが到着した。

 

「ここが?」

「そう、此処が今の関東の鬼達の拠点のライブハウス、circleだよ」

 

 香澄は沙綾を連れて、circleに入る。

 

「香澄!」とcircleに入店する香澄に抱きつく影が1人

 

「あこ!」

「香澄、聞いたよ」

「戸山さん、帰ってきてくれてとても嬉しいわ」

「おかえり、香澄」

「香澄、おかえり〜」

「おかえりなさい、香澄ちゃん」

「おかえり」

「紗夜さん、蘭ちゃん、モカちゃん、つぐ、巴ちゃん」

「つぐに、モカと巴、なんで?」

「沙綾こそ、なんでこんな所に?」

「はいはい、皆、ちょっといいかな」

「「「「響鬼さん」」」」

「やあやあ、香澄ちゃん、いらっしゃい。沙綾ちゃんもね」

「ど、どうも」

「それじゃあ、沙綾ちゃんは一旦こっちにおいで、これからのことを話しあうとしようか。香澄ちゃんは弟子連の皆と話しておいでよ。スタジオ開けてるからさ」

「それじゃあ、しばらくは話してるから」

 

 と響鬼さんと沙綾はスタッフルームの奥へと消えていった。

 

「ねえねえ香澄、行こう、今日、蘭ちゃんの歌舞鬼襲名のお祝いをする予定だったんだ。香澄も一緒にやろうよ」

「…………そうだね。せっかくだしお邪魔させて貰おうかな」

 

 と香澄はスタジオで蘭ちゃんの襲名祝いに参加するのだった。

 一方、スタッフルームに響鬼と共に消えた沙綾はオーナーの執務室に通されて、響鬼と2人で対面していた。

 

「まあ、詳しく話は未来、伊吹鬼から聞いたとは思うけど

 君が聞いたことは正式に決められているわけではないけど

 一応扱いとしては国家機密と同等に扱われているものなの

 まあ、こっちとしてもそれを知ったからと言ってどうこう

 言うわけではないんだけどね。口外しないって言う約束さ

 明日もらえば、今すぐにでもって感じだけどね。まあ、あ

 と1つはこっちの関係者になって貰うくらいかな」

「はあ、孟司の関係者にですか?」

「まあ、あまりお勧めはしないけどね」

「それってどういうことですか?」

「うん、じつはね。今日、香澄ちゃんが鬼に変身したでしょ?」

「はい、いきなりの事で私も驚きました」

「それで、もし今後、香澄ちゃんが鬼として復帰する場合なんだけど、そのサポーターが必要なの」

「サポーター?」

「そう、一昔前は、鬼は日本中に100人近くがいたんだけどね。ずいぶん前、私が5、6歳の時だからかれこれ20年以上前に起こったオロチ現象っていうのでそれまで現象傾向にあった鬼がさらに減ったの。私がまだ新米の頃はまだマシだったけど、私がこのライブハウス始めて、孟司の関東支部がここになってからは少しずつだけど、鬼の人たちも歳を重ねて、弟子に後を任せて引退した人も多くてね」

「それで、私にサポーターを?」

「そうそう、当然危険な仕事だしそこそこ高い手当は付くし、何か希望があるならできる範囲でだけど叶えてあげるよ。まあ、入る入らないにしてもできる範囲での希望を叶えるってのは変わらないから、ゆっくり考えてみてよ。答え出たら連絡、ここに頂戴」と響鬼は沙綾に名刺を渡す。

 

「さて、とりあえずは今日の話はここで終わり、また何かあったら、連絡頂戴ね。今、香澄ちゃん呼んで来るからさ」

 

 と響鬼はオーナールームを後にする。

 沙綾は響鬼から貰った名刺を見つめているのだった。




今回も最後まで読んでくれてありがとうございました。 
よろしければ、過去回の感想やアンケート、この作品に対する意見等ございましたら、お聞かせください。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。