天才と魔法科 ―相性悪そうな組み合わせほど実はベストマッチが多い件―   作:ジューク

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どうも皆さん、ジュークです。
アンケート通り、他の作品すっぽかして書いてる今日この頃で………おや、何やら殺気が…
さて、今日も今日とて書いていきます。
ではでは、どうぞ!!


九校戦編
第11話 『他校と一緒にする体育大会とか憧れるよね』


 

 

 

         『九校戦』

 

 

 それは、全国に九つある魔法科高校から選抜された選手らが、各々の高校、そして自身の誇りを賭けて凌ぎを削り合うものだ。

 

 

 

 

  各校の代表選手は六つの競技で競い合う。

 

 

  

   『スピード・シューティング』

 

 

 選手たちから『早撃ち』と呼ばれるこの競技は、選手のいる台の両サイドから飛んでくるクレー、合計100発をどれだけ魔法で壊せるかを競う。

 この競技で大切なのは、先を考えて綿密に練る戦略だ。互いの選手の魔法力、スタミナがどこまで持つか、どんな魔法でクレーを壊すか、そういった選手と作戦スタッフ、エンジニアとの複雑な連携が大切になる。

 

 

 

     『クラウド・ボール』

 

 

 この競技は、現代でいうところのテニスに似ていると言えるだろう。

仕切られたコートの内で、複数の――最大で9個のボールをラケット又は魔法を使って相手側のコートに打ち込み、何回相手のコートにボールが落ちたかを競う。

この競技は、選手のスタミナと動体視力、判断力が鍵となる。ボールの軌道を察知し、打ち返すのか、はたまた一つのボールを諦めて複数のボールを相手コートに入れるか、そういった試合中の選手同士の駆け引きが大切だ。

 

 

 

 

      『バトル・ボード』

 

 

 

 

この競技は、サーフィンとカーレースを組み合わせた競技だ。

ルールは簡単、一番早くゴールした選手が勝ち。

ただ、ここに魔法が加わるので単純かと言われれば、そうではない。何故なら、この競技では、魔法による妨害などが許可されているからだ。無論選手に直接放つのはアウトだが、『水面に対して魔法を使う』のはアリだ。

さすがに水を沸騰させる、というレベルはダメだが、魔法で波を起こすにしても、それが自分の加速に使うのか、はたまた相手の妨害に使うのか、選手の工夫も大事な要素になる競技だ。

 

 

 

 

    『アイスピラーズ・ブレイク』

 

 

 

 互いの陣地に設置された12本の氷柱を倒し合い、先に相手の氷柱を全て倒した方の勝利となる。

氷柱は何も倒すに留まらず、粉々に粉砕するなど、とにかく壊せばいい。つまり選手の魔法力がいかに高いかが鍵だ。というのも、この競技はその性質上、決着は早く着く。なので、開幕と同時にいかに強力な魔法で氷柱を倒すかが勝負の決めてとなりやすい。だが、敢えて長期戦に持ち込み、相手のスタミナを削ってチャンスを待つのも手の一つだ。

 

 

 

      『モノリス・コード』

 

 

 

 男子限定の競技で、三人の選手が草原や市街地、森林といった様々なステージに配置された互いの『モノリス』と呼ばれる板を専用の無系統魔法で割って、そこにある512桁のコードを打ち込むか、相手選手を全員戦闘不能にすることで勝ちとなる。この競技は、ステージに応じた戦術や、他のメンバーとの連携が大切だ。防御に徹してカウンターを狙うか、一人を囮にして回りこんでモノリスを開けるか、そういった戦術の幅が試される。

 

 

 

 

 

      『ミラージ・バット』

 

 

 

 

『九校戦の花形』とも言える女子限定の競技だ。

選手たちは、空中に投影される球体を魔法を使って跳躍し、叩くことでポイントになり、三ラウンドで一番ポイントを獲得した選手が勝つ。このため、ミラージ・バットの体力の消費量はフルマラソンに匹敵するとも言われている。ちなみにこの競技は、選手たちが妖精のようなコスチュームを纏うことから、通称『フェアリー・ダンス』とも呼ばれている。

 

 

 

 

 以上六種目を十日間、二、三年生の本戦と一年生の新人戦に分けて、各競技に振り分けられたポイント合計が最終的に最も高い高校の優勝だ。尚、新人戦のポイントは本戦の半分だが、半分だからと油断してはいけない。

 

 

 ちなみに、今年は一高の三連覇がかかっている。というのも、現在三年生の『七草真由美』、『十文字克人』の十師族の二人に加えて、二人に匹敵する実力を持つ『渡辺摩利』の三巨頭は、一高の『黄金世代』とまで言われている。その三人が今までの九校戦で無双しているからだ。

 

 

 だが当然、それを知っている各校からのヘイトや対策もまた半端ではないのだが。

 

 

 

      ⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪

 

 

 

 

 

 

「―――…というわけで、九校戦にエンジニアとして出てくれない?達也君」

 

「…………なぜそんなことに?」

 

 

 生徒会室では、真由美が他のメンバーがいるにも関わらず達也に頼み込んでいた。

 

 

「ウチはエンジニアの数が如何せん少なくてな」

 

「Rインテリジェンス副社長でもある龍兎君に頼もうとしたんだけど…」

 

「俺は次席としてスピード・シューティングとモノリス・コードに出ないとだから、できたとしても精々サブなんだ。んで、この学校で他にCAD調整ができそうなやつと言えば………」

 

「…俺になる、と?」

 

「そゆこと。あ、先に言っとくけど二科生だからなんて言い訳は効かないぞ。エンジニアに魔法云々の腕は関係ないからな。純粋にここの腕の見せ所だ」

 

 

 自身の頭をトントンと叩きながら龍兎は言った。

 

 

「まぁ、ついでに言うと深雪も今回はこっちの味方だからねー」

 

「深雪!?」

 

「………すみませんお兄様」

 

「…なぜだ?」

 

「…………そ、その…」///

 

「『達也にCAD調整してもらえる』って言ったら快く承諾してくれました☆」

 

「…………ハァ………わかった」

 

「んじゃ頼むよ~?」

 

「ああ」

 

 

 その後、選抜テストを余裕で突破した達也は晴れてエンジニアとして九校戦に参加することとなった。

 

 

 

 

 数日後、達也が生徒会室でCADの手入れをしていると、あずさが詰め寄ってきた。どうやら例のデバイスオタクが暴走したようだ。と、真由美が口を開く。

 

 

「そう言えばあーちゃん、昼休みの間に課題を終わらせるんじゃなかったの?」

 

「………会長~~~!!!」

 

 

 泣きそうな――実際に涙目になってしまっている――声で縋るように真由美を呼ぶあずさを見て、龍兎は何をしてんだと心の中でツッコンだ。

 

 

「そんな情けない声出さないの。少しくらいなら手伝ってあげるから。それで、課題はいったい何なの?」 

 

「スミマセン……実は『加重系魔法の技術的三大難問』についてのレポートなんです……」

 

「「「………………」」」

 

「な、なんですか?」

 

「毎回上位五名から落ちた事のない中条が悩んでるからどんな課題かと思ったら」 

 

「毎年必ず一回は出題される定番のテーマじゃないの」

 

「そうなんですか?」

 

「まぁな」 

 

「それであーちゃん、今回の設問は?」

 

 

 このテーマは、定番だけあって設問のバリエーションも出尽くした観があるくらい豊富に存在する。校内の課題だけでは無く魔法大学の入試にも時々出題されるくらいなので、大抵の参考書にはこれの答えが載っているのだ。

 

 

「課題の内容は『三大難問』の解決を妨げてる理由についてです。他の二つは分かったんですが、汎用型飛行魔法が何故上手く実現出来ないのかが上手く説明出来なくて……」 

 

「つまり中条さんはこれまで示された回答に納得がいかない訳ですね」 

 

「そうなんですよ!重力に逆らって自分の身体を浮遊させる魔法は現代魔法が確立された当初から実用化されてますよね。それなのに如何して飛行魔法……空を自由に飛びまわる魔法は実現出来ないのでしょう?」

 

「正確には誰にでも使える定式化された飛行魔法が何故実現されないのかですね。古式魔法の使い手には少数ですが飛行魔法を使える人が居るようですし」 

 

「でもそれはBS魔法師の固有スキルに近いものです。共有出来なくては技術とは言えません。実際に跳んだり撥ねたりする魔法は技術として定式化されているのに、何故空を飛ぶことは出来ないのか……」

 

「その設問に対する答えは、少し高度な参考書になら大抵は載ってるだろ」

 

「何だ、あーちゃんもちゃんと分かってるじゃない。それなのに何をそんなに悩んでたの?」

 

「これって結局魔法が作用中の魔法に掛けようとするのが問題なんですよね? だったら作用中の魔法をキャンセルしてから新しい魔法を発動すれば良いと思うのですが」

 

 

「いえ、それは無理ですね。………ですが、面白いアイディアではあります」 

 

「でも、それだったら既に誰か試してるんじゃないの?」 

 

「少々お待ちを……あぁ、ありました。一昨年イギリスで大規模な実験が行われています。コンセプトは会長が仰った通り事後的領域干渉による飛行魔法実用化です」

 

「それで結果は!」

 

 

 興奮を隠しきれないような勢いで真由美が鈴音に問う。

 

 

「完全な失敗ですね。普通の魔法を連続発動する時よりも急激な要求干渉力の上昇が認められたとレポートにはあります」 

 

「そう……理由は書いてある?」 

 

「いえ、そこまでは……会長は如何思います?」

 

「先行する魔法の作用は止まってるわよねぇ……達也君と龍兎君は如何思うの?」

 

「まずその実験はコンセプトの時点で間違いだらけですよー」

 

『?』

 

 

 龍兎の言葉で、達也以外の全員が「え?」という顔になった。

 

 

「え、ど、どういうこと?」 

 

「終了条件が充足されていない魔法式は時間経過により消失するまで対象エイドスに留まりますよね?新たな魔法で先行魔法の効力を打ち消す場合、先行魔法は消失してるように見えますが、それは見掛けの上だけです。仮に効力を打ち消される魔法式を魔法式Aとして、打ち消す魔法式を魔法式Bとしましょう。魔法式Bを発動する事で魔法式Aは事象改変の効力を(・・・)失います。しかしそれはあくまで効力を失っただけで依然として魔法式Aは対象エイドス上に残っています。この状態は言うなれば魔法式Aと魔法式Bが対象エイドスに対して同時に作用し続けているんです。それが単に魔法式Bの効果だけが表に出てるに過ぎません。そもそも魔法式は魔法式に作用出来ません。それは領域干渉にも適用されます。魔法式を直接消し去る魔法でも無い限り、対抗魔法であってもこの原則の例外ではありません。ま、詰まるところは――おっと」

 

『?』

 

 

 龍兎は唐突に「これ以上はまずい」と言わんばかりに口を閉じた。

 

 

「龍兎君?詰まるところは、何なの?」

 

「………オフレコでいいですか?」

 

 

 龍兎の言葉で、全員が頷く。

 

 

「……実はウチ、もう飛行魔法を搭載した市販型Rシステム完成してるんです。発表は二日後ですが」

 

『…………………………』

 

「えええええええ!!!!?」

 

 

 龍兎が予め聴覚遮断の魔法を使っていなければ校内中に響いていただろう。達也と鈴音、深雪も大きく目を見開いている。

 

 

「え?え!?ちょ、龍兎君どういうこと!?」

 

「いや、理論では簡単です。まず単一の魔法式だけでビュンビュン飛び回るシステムは無理なので複数の魔法式を使う、ここまでは同じです。でも、先ほど言ったように終了条件が充足されていない魔法式は時間経過により消失するまで対象エイドスに留まりますよね?じゃあ、タイムレコーダーなどで発動時点を記録して、それを変数処理して起動式を連続処理し、魔法式を連続発動…まぁ、簡潔に纏めると短い魔法をタイムラグほぼ0で連続発動するんですよ。一つ一つの魔法式の時間が短いから想子の燃費も少ないですしね。ちょうどトーラス・シルバーが発表したループ・キャストと真逆のシステムなんですよ」

 

『………』

 

「無論、それに耐え得る機体が必要ですが、それをクリアして先月完成し、明後日発表するのがゼロワンシリーズの『フライングファルコンプログライズキー』です。あと、Rシステムとは別にウチ独自に飛行魔法に最適化したCADも同時発売予定です」

 

「………えっと、龍兎君。それってつまり、Rインテリジェンスは加重系魔法の技術的三大難問の一つを解決した、ってことかしら?」

 

「ま、そゆことです」

 

『……………………』

 

 

 何をあっさりととんでもないこと言ってんだ、とこの時生徒会室のほぼ全員が思ったそうだ。

 

 

「(………同じ技術者だからなのか、まさか俺が考えていたシステムとほぼ同じとは………フッ、先を越されてしまったか。牛山主任にどう言えばいいのやら…)」

 

 

 そんな中、達也は少しばかり悔しがっていた。

 

 

 




さてさて、いかがでしたか?
飛行魔法、龍兎設計にしちゃいました。(・ωく)
あと九校戦の説明は言わないでください。
あんな長々とした説明台詞書くのってめっちゃキツいんですよ。
さて、次回から本格的にいきます。
ではでは、CHAO~♪

変身させるとしたらどれがいい?―達也編―

  • 超絶天才 ビルド
  • 俺を越えられるのは俺だけだ! ゼロワン
  • ゴリゴリゴリライズ バルカン
  • 負ける気がしねぇ!! クローズ
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