天才と魔法科 ―相性悪そうな組み合わせほど実はベストマッチが多い件―   作:ジューク

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どうも皆さん、ジュークです。
さぁさぁ、今回はアイツが登場です!
必殺技もあります!
ではでは、どうぞ!


第15話 『偶然入った店で友達とバッタリ会うと緊張するよね』

 

 

「…………何故お前がここにいる」

 

「ちょっとひどくないかな?俺はRインテリジェンス代表取締役社長、機丈龍誠の息子でRインテリジェンス代表取締役社長補佐を務めているんだよ?Rインテリジェンスの最大のお得意先である独立魔装大隊の方たちとお茶をしててもなんら不思議ではないと思うけど」

 

「問題はない達也君。彼は全てを知っている」

 

「はっ?」

 

 

 達也は一瞬、風間のセリフの意味が理解できず、彼に似つかわしくない間抜けな声を出した。

 

 

「言ってなかったね。俺にはある特殊能力みたいなものがあるんだ。下手すれば『質量爆散(マテリアル・バースト)』を上回る脅威となる、ね」

 

「!?」

 

 

 達也は目を見開く。彼の最強の切り札である『質量爆散』を知っているのは独立魔装大隊と四葉家を除いていない。

 

 

 ではなぜ、数字付きですらない彼がそれを知っているのか。その理由は本人から語られた。

 

 

「『地球の本棚(ほしのほんだな)』。この地球の46億年の歴史の中にある全ての情報にアクセスできる能力だ。未来を見るようなことはできないが、俺に知れない情報はこの世に存在しない」

 

「…………それは、どんな情報に使えるんだ?」

 

「全部さ。人だろうが動物だろうが、機械、鉱物、植物、歴史、そして軍事機密……どんな情報だろうが俺は全てを知ることができる。つまり、俺に隠れて何を考えようと意味ないってことだ」

 

「………」

 

 

 確かにそれは大きな脅威だ。他国にとって軍事機密とは生命線ですらある。

 

 

 それを何の媒介も使わず、つまりどんなファイアウォールなども素通りして世界中の情報を閲覧できる……こんなことを他国が知ったら、即座に龍兎を――ひいては日本を潰しにかかるだろう。

 

 

「………達也君。気持ちはわかるが、今回私たちは君を『戦略級魔法師・大黒竜也特尉』としてでは無く、我々の友人『司波達也君』として呼んだんだ。立ったままだと我々の友人関係にまで上下が存在するみたいじゃないか」

 

 

「それに、君が立ったままだと話し難いしな」

 

「………失礼します」

 

 

 取り敢えずそう言って、達也は椅子に座る。

 

 

「………龍兎。お前はその能力を使って飛行魔法を開発したのか?」

 

 

 達也は座ってすぐ問いかける。もし、自分たちのデータを地球の本棚を使って盗んだのなら、それはきちんとケジメを着けたいからだ。

 

 

「いやいや、そもそもFLTも飛行魔法を開発してたことすら最近知ったんだよ?シルバーさん(・・・・・・)。それに言ったでしょ?俺の能力はあくまで今ある知識を得れるだけ。未来の情報なんて、さすがの俺でも検索のしようがない」

 

「………そうか」

 

 

 達也は納得する。確かに、龍兎は自身の全てを知っているようだ。 

 

 

「そう言えば、昨夜はご苦労だったな」 

 

「少佐、奴らはやはり…」 

 

「ああ、無頭竜(ノー・ヘッド・ドラゴン)の工作員だった」

 

 

 達也は九校戦のメンバーに決まった日の夜に注意は受けていたのだが、実際に香港系の犯罪シンジケート――無頭竜の工作員に出くわすとは思って無かったのだ。

 

 

「達也君、お手柄だったね。もしかして警戒してたの?」 

 

「いえ、散歩していたら偶々気配を掴んだだけですよ」 

 

「お散歩?あんな遅い時間に?」 

 

「試合用のCADのチェックをしていたんですよ。その後で少しブラブラとしてただけです」

 

「あ、僕もです」 

 

「聞いてるよ。ところでなんだが、君はエンジニアとして参加してるようだが、チームメイトは君たちが『シルバー』や『DRATTO(ドラット)』だと知ってるのか?」 

 

「……なに?」

 

「………ちょっと」

 

「山中先生、それは一応秘匿情報ですので」 

 

「おっと」

 

「…ハァ…達也。俺前にRシステムを開発したのはウチの専属技師の『DRATTO』だって言ったよね」

 

「ああ。それがお前だと?」

 

「そういうこと。ただし、DRATTOは俺一人の名前だよ。由来は龍と兎から」

 

「なるほど。(Dragon)(Rabbit)というわけか」

 

「そ。安易でしょ?」

 

「そうだな」

 

「……でもまぁ確かに、高校生の大会に君たちが参加するのは場違いなような気もするけどね」

 

「あら、真田大尉、達也君も龍兎君もれっきとした高校生なのですが?」

 

「そうなんだけどね………ところでだが龍兎君。君の能力で奴らを調べられないか?」

 

 

 風間の言葉で龍兎が目を開ける。

 

 

「そう言うと思って、今調べました。ちょっと失礼しますね」スッ

 

 

 龍兎は手頃な位置にあった椅子を中央に持ってきて、その上に何かのアプリを起動したライズフォンを置いた。その直後、ライズフォンからホログラムでできたボードのような物が出てくる。そして龍兎はペンのようなアイテムを出し、そのボードに図を書いていく。

 

 

「まず、奴らのボスの名は『リチャード=孫』。

表向きでは『孫公明』と名乗っている人物です。

住所、及び幹部クラスのメンバーの詳細は――」

 

 

 そう言って、龍兎は饒舌に、それでいて纏めつつ説明していく。

 

 

「――とまぁ、だいたいはこんなところですね。言ってしまえば先ほど言った通り、奴らの切り札とも言える『ジェネレーター』さえ無力化すればあとは一つつきで瓦解です」

 

「なるほど。感謝する」

 

「……でも達也君。選手としては参加しないの? 

『マテリアル・バースト』は兎も角としても、『フラッシュ・キャスト』や『雲散霧消(ミスト・ディスバージョン)』があるんだから結構良い所まで行くと思うわよ? 『トライデント』は持ってきてるんでしょ?」

 

「トライデントはCADのレギュレーション違反で使えませんし、フラッシュ・キャストは四葉の秘匿技術ですから」

 

「そもそも軍事機密の魔法である『マテリアル・バースト』を衆人環視の中で使わせる訳にはいかないだろ」

 

「藤林さん。この会場ごと国防軍の基地を更地にして丸ごとリフォームでもするつもりですか?」 

 

「そもそも殺傷ランクAの『分解』を使えるとは思えないけどね……七草家の令嬢や十文字家の御曹司の魔法とは訳が違うんだから」 

 

「あら、真田大尉はご存知無いんですか? 殺傷ランクが高い魔法でも、スピード・シューティングとピラーズ・ブレイクでは使えるんですよ?」 

 

「藤林、それくらいにしておけ。達也には隠さなきゃならない事情が多い。下手に注目されるのはマズイだろうが」

 

「(………なんだろう、すっごい物騒なワードがポンポン出てきてるんだけど)」 

 

 

 上官の一声で藤林は大人しくなった。達也としても競技に参加するつもりは無かったので風間の対応には感謝するしか無い。そんな大人たちの会話を、龍兎は内心呆れながら聞いていた。

 

 

「まぁでも、面白いとは僕も思うけどね」 

 

「自分が選手として参加する状況にはならないと思いますが」 

 

「万が一そんな場面になったとしても……分かってるだろうな?」 

 

「ええ。『雲散霧消』を使わなければいけない状況になったら、大人しく負け犬になりますよ」 

 

「なら良いが」

 

「ですが、さっきも言ったように自分が選手として参加するとは考え難いと言うかありえないと思うのですが……」

 

「心掛けの問題だ」

 

「てか、こういう会話大抵フラグになりますよ」 

 

『………………』

 

 

 言わないでおいたことを、という目で龍兎を睨む風間たちだった。

 

 

 

 

 

 

      ⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪

 

 

 

    時は流れて、九校戦三日目。

 

 

 

 

 真由美は無事にスピード・シューティング、及びクラウド・ボールで優勝し、一高の滑り出しは好調といった所だろう。そしてもうすぐ、摩利が出る女子バトル・ボードの準決勝が始まろうとしていた。龍兎は急いで席に着く。

 

 

「もうスタートですよ」 

 

「ふー、ごめんごめん。ちょっとやることがあって」

 

 

 龍兎が息を軽く切らしながら深雪の隣の席に着いたのとほぼ同時にスタートのブザーが鳴り、摩利を含む三人の選手が加速した。準決勝からはレースの参加人数が五人から三人になるので、予選より個人を狙った攻撃がしやすくなるそうだ。準決勝も摩利の独壇場となる…かと思いきや、そこは各校から選抜されたエリートということだろう。

 

 

「渡辺先輩についていってる!?」 

 

「さすがは『海の七高』。海や水上はあの高校にとってホームグラウンドみたいなものだからね」

 

「というか去年の決勝カードですよね、これ」

 

 

 摩利の背後にピッタリとついて行っている選手がいる事に、観客席は驚きと興奮の声で盛り上がっている。しかし七高の選手が必死な顔をしてるのに対して、摩利の表情はまだまだ余裕そうだ。

 

 

「(………委員長、楽しんでないかあれ?)」 

 

 

 龍兎がそう思った時、事件は起きた。

 

 

「ん?」

 

 

 最初のコーナーを曲がると、そこからの試合は観客席から直接見ることはできないため、スクリーンにその映像が映し出される。その映像になにやら異常が見られたので、達也はそっちに目を取られていたのでその瞬間は見逃してしまった。

 

 

「あっ!?」

 

 

 観客席から悲鳴が漏れる。達也がレースを映すスクリーンに目をやると、そこには大きくバランスを崩した七高の選手の姿があった。

 

 

「オーバースピード!?」

 

 

 誰かが叫んだ。確かにそう見えない事も無い。バランスを崩し、自分の動きを制御出来ていない七高の選手は、コーナーを曲がりきれずにフェンスに突っ込む未来しか無い。

 

 

 しかしそれは、前方に目の前に誰もいなければの話である。

 

 

 先ほど美月が言ったように、摩利とこの七高の選手の対戦は去年の決勝カード。つまり、ラップタイムにそれ程差がある訳では無いのだ。先ほどまで摩利の後ろについていたのだから、当然摩利もコーナーに差し掛かっている。

 

 

「!!」バッ!

 

 

【FORCE RISER…!】

 

 

【WING!!】

 

ヴーッ!ヴーッ!ヴーッ!ヴーッ!

 

 龍兎は腰のフォースライザーにピンク色のプログライズキー――フライングファルコンプログライズキーを差し込む。すると警告音のような待機音が辺りに流れる。そのまま龍兎はフォースライザーのアンカーに手を伸ばしながら摩利たちの方に駆け出した。

 

 

「龍兎君!?」

 

「龍兎!」

 

「変身!!」

 

ガギン!!!

 

【FORCE RISE!!】

 

【フライングファルコン!!】

 

BREAK DOWN(強制認証突破完了)………】

 

 

 龍兎がアンカーを引くとプログライズキーが無理矢理展開される。そしてフォースライザーからハヤブサのライダモデルが現れ、龍兎を背中から抱くように包み込む。するとピンク色のスパークが走り、龍兎はピンク色のスーツを纏った。周りにはバンドのような物――リストレントケーブルで繋がれた幾つものアーマーがゴムを引っ張るように周りに展開されている。次の瞬間、限界まで引っ張った輪ゴムが元に戻るようにケーブルが縮み、龍兎のアーマーとなった。

 

 

「危ない!?」

 

 

 そう叫んだのは一体誰だったのかはわからない。

しかし摩利はスピードを押さえて素早くターン。七高の選手を受け止めんとしたその時。

 

 

  バシャン!

 

「なっ!?」ガクン!

 

 

 突然水面が沈み、摩利の体もそれに呼応して沈む。その身体に七高の選手がぶつかり、縺れ合うように強度の高いフェンスに激突する―――と思われた直後。

 

 

          

 

                

 

          

 

 

 

 

        フライング

        ユートピア

 

  ドッガァァァァン!!!!!

 

『!?』

 

 

 突如フェンスが大きく吹き飛んだと思うと、摩利と七高の選手の姿が掻き消えた。観客たちはキョロキョロと周りを見回し、誰かが水に映る影に気づいた。

 

 

「?………!いた!上だ!!!」

 

 

 その言葉と同時に観客たちは一斉に上を見た。

 

 

 そこには、ピンク色のスーツをベースに身体のあちこちを白や銀のアーマーで覆い、猛禽類を彷彿とさせる銀の仮面に碧の複眼の戦士がいた。両脇には摩利と七高の選手を抱えている。

 

 

「………………」スッ

 

 

 すると戦士はゆっくりと降下し、フェンスの向こう側に着地する。そして両脇に抱えていた摩利たちをゆっくりと傷つけないように横たわらせた。

 

 

「………!」バサァッ!

 

 

 そして戦士は翼――スクランブラーを展開して会場の外へ飛び去った。

 

 

 それが引き金になったように、慌てて医療スタッフが摩利たちを担架に乗せて医療室へと運んだ。

 

 

 

 




さてさて、いかがでしたか?
今回出てきたのは迅でした!
必殺技無いかと思ったらあったのでよかったです。
もっといいフォントがあればよかったのですが、探すの大変で諦めました(泣)
あ、亡とはかけてませんからね?
次回もお楽しみに!
ではでは、CHAO~♪

11月1日で一周年を迎えるのですが、どれがいいですか?

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