天才と魔法科 ―相性悪そうな組み合わせほど実はベストマッチが多い件― 作:ジューク
UA6万回達成しましたドンパフ~!
今回は鎧武風!いよいよ反撃鬨です!
ブラックでヤベーイアイツもご登場!
ではでは、どうぞ!!
達也たち一行は現在、会場にあるVIP会議室にいた。なぜそんなところにいたのか、それは雫が父親である北山潮(ビジネスネーム『北方潮』)からここのパスワードやその他諸々この部屋を利用するための物を教えてもらっていたからだ。龍兎は内心で人としてどうなんだと思っていたが、現在の詳細な状態が知れるのだから文句は言えないと割りきっていた。実際は地球の本棚を使えばどうとでもなるのだが、この時はそれを思いつけなかったのだ。そして、アクセスコードを使ってVIP会議室のモニターに受信、表示された警察のマップデータは、海に面する一帯が危険地域を示す真っ赤に染まっている。そして赤い領域は彼らが見ている間にも内陸部へと徐々に拡大している。予想を超えて悪化している状況に、達也は無意識に顔を顰めた。
「お兄様……」
「改めて言わなくても分かってるだろうが、状況はかなり悪い。この辺りでグズグズしていたら国防軍の到着より早く敵に捕捉されてしまうだろう。だからといって、簡単には脱出出来そうに無い。少なくとも陸路は無理だろうな。何より交通機関が動いてない」
「海路もマズイね。横浜に襲撃してきたってことは、相手には船もある。避難船が攻撃されないとしても一度で全員は厳しい。となると、やっぱり地下シェルターに避難するのが妥当かな」
「現状を考えると、それが現実的だろうな…。ここも多少頑丈に作られているとはいえ、建物自体を爆破されてはどうにもならない」
「じゃあ地下通路だね」
「いや、地下ルートは止めておいた方が良い」
「なんで?………あ、そっか」
「地下だと鉢合わせの可能性もあるし、相手が砲撃可能な兵器を持ってたら爆発による崩落の危険もある。だったら見晴らしがいい地上からの迂回ルートが一番理にかなってるよ」
「そうだな。それと、少し時間が欲しい。念のためデモ機のデータを処分しておきたいからな」
「まぁ、魔法後進国の大亜連合からすれば僕たちのデータは喉から手が出るほど欲しいだろうからね。爆発が聞こえてからすぐにここが狙われたのもそういうことだと思う」
「そうだな。急ごう」
そう言って、一行はデモ機が置いてあるステージ裏に向かった。
⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪
途中で鉢合わせた十文字、服部、沢木たちに地下ルートの危険性を伝え、デモ機からデータを消していた市原たちと合流した達也たちは近くの控室で状況整理をしていた。
「さて、これから如何するかなんだが」
そう口火を切った後、摩利は真由美に現状を伝えるよう目配せした。
「港内に侵入してきた敵艦は一隻。今のところ東京湾に他の敵艦は見当たらないそうよ。上陸した兵力の具体的な規模は分からないけど、海岸近くは殆ど敵に制圧されちゃってるみたいね。陸上交通網は完全に麻痺。こっちは多分ゲリラの仕業じゃないかしら。でも、事前にこの可能性を考えてたのか思っていたより国防軍の動きが速いわね。おそらく状況は遅くても一時間ぐらいで好転すると思うわ」
「それにしても、彼らの目的は何でしょうか?」
五十里の提示した疑問に真由美と摩利が顔を見合わせ、真由美が口を開いた。
「あくまで推測でしかないのだけど…横浜を狙ったという事は、横浜にしかないものが目的だったんじゃないかしら。まぁ、厳密に言えば京都にもあるんだけど」
「………魔法協会支部ですか」
「正確には魔法協会のメインデータバンク。重要なデータは京都と横浜で集中管理しているから」
「………まぁ、京都との2ヶ所同時襲撃にならなくて良かったと思うべきか、ここに俺たちが来たタイミングでピンポイント襲撃してきたことを悲観すべきか…悩ましいことですけどね」
真由美は花音のせっかちな態度に苦笑いを浮かべながら彼女の解答を補足し、龍兎は最悪の状況と現状との板挟みになっていた。
「そういえば、避難船は何時到着するんだ?」
「沿岸防衛隊の輸送船は後十分ほどで到着するそうよ。でもキャパが十分とは言えないみたい」
「それと、シェルターに向かった中条さんたちの方なんですが、残念ながら司波君たちの懸念が的中したようです」
真由美を鈴音が補助し、結論を摩利が言った。
「………状況は聞いてもらった通りだ。シェルターの方はどの程度余裕があるのか分からないが、船の方は生憎と乗れそうに無い。こうなればシェルターに向かうしかない、とあたしは考えているが、みんなは如何思う?」
と、摩利が全員に問いかけた時だった。
「ちょっ、達也!!?」
「お兄様!」
「達也君!?」
達也がおもむろにCADを取り出し、壁に向けてトリガーを引いた。直後に何やら手首のCADを操作した真由美は絶句している。その様子を見て、龍兎は何が起きたのか勘づいた。
「(……まさか、『
龍兎がそう考察していると、控室の扉が開いて二人の男女が入ってきた。真由美はその内の女性を見て驚いている。
「え?えっ!?もしかして、響子さん?」
「お久しぶりね、真由美さん………特尉、情報統制は一時的に解除されています。問題ありません」
真由美との挨拶を終えた響子が達也へそう言葉を掛けると達也の顔から困惑が消え、姿勢を正して目の前の藤林と一緒に入ってきた男に敬礼で応じた。それにに敬礼で答えた軍人は、十文字の姿を目に留めてそちらへ足を向ける。
「国防陸軍少佐、風間玄信です。訳あって所属についてはご勘弁願いたい」
「貴官があの風間少佐でいらっしゃいましたか。師族会議十文字家代表代理、十文字克人です」
風間の自己紹介に対して、克人も魔法師界での公式の肩書きを名乗った。彼も十八歳の高校生。その見た目通り、年上や目上の相手には敬語を使うのだ。
風間は小さく一礼して、克人と達也が同時に視界に入るように身体の向きを変えた。
「藤林、現在の状況をご説明して差し上げろ」
「はい。我が軍は現在、保土ヶ谷駐留部隊が侵攻軍と交戦中。また、鶴見と藤沢より各一個大隊が当地に急行してとり間も無く現着、戦闘に参加します。魔法協会関東支部も独自に義勇軍を編成、既に自衛行動に入っているようです」
「ご苦労。さて、特尉、機丈龍兎殿」
風間は『特尉』と『殿』という呼称と共に顔を達也と龍兎へ向けた。
「現下の特殊な状況を鑑み、別任務で保土ヶ谷にて出動中だった我が隊も防衛に加わるよう、先ほど命令が下った。国防軍特務規則に基づき、貴官にも出動を命じる。そして機丈殿、今回の一連の事案をRシステム購入契約時の条件に置ける『他国からの明確な侵略行動』と判断し、今回の事案でのRシステムの全面的使用を許可していただきたい」
「わかりました。Rインテリジェンス代表取締役社長補佐として、今回の騒動の鎮圧におけるRシステムの使用を許可します」
真由美と摩利が揃って口を開きかけたが、風間はその視線一つで彼女たちの口を一気に封じた。
「国防軍は皆さんに対し、特尉の地位について守秘義務を要求する。本件は国家機密保護法に基づく措置である事を理解されたい。特尉、君の考案したRシステム対応のムーバル・スーツをトレーラーに用意してある。急いでくれ」
「………すまない、聞いての通りだ。みんなは先輩たちと一緒に避難してくれ」
「特尉、皆さんは私と私の隊がお供します」
少人数であるとはいえこの状況下で仲間たちの為に精鋭を盾として割いてくれるという彼女の、そして少佐の精一杯の厚意に達也は素直に感謝の意を示した。
「少尉、よろしくお願いします」
「了解です。特尉も頑張ってくださいね」
藤林に一礼し、達也は風間の後に続いた。空気を読んだのか呆気にとられたのか、達也を呼び止める者はいない。上級生にも同級生の友達にもそれは同じことだ。しかし、そんな中で唯一例外の少女――深雪が声をかけた。
「お兄様、お待ちください」
目で問い掛ける達也に風間と龍兎は頷きを返して、控室を出て先行した。
深雪の瞳に大きな決意を感じ取り、達也は彼女の前に片膝をつき、深雪はその頬に手を添え瞼を閉ざした兄の顔を上へ、自分の方へと向ける。そしてそのまま腰を屈め、深雪は兄の額に接吻る。その唇が離れ、頬に添えられていた手が離れ、再び達也は頭を垂れる。その瞬間、全員の眼を灼く程に激しい想子の粒子が達也の身体から沸き立った。その想子の波動は風間たちと先行している龍兎も感じ取っていた。
「(………これが地球の本棚にあった『
⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪
数分後、トレーラーの前には漆黒の全身スーツ―――ムーバル・スーツを装着した五十人の独立魔装大隊が腕に何かを取り付けていた。
「では総員、『レイドブレス』で『実装』せよ」
【HARD!!】
真田がそう言うと、隊員たちは右太股のホルダーから灰色のプログライズキー――インベイディングホースシュークラブプログライズキーを腕に巻かれた赤い大きなボタンが付いた黒い装置――レイドブレスに挿し込み、そのボタンを力強く押した。
『実装』
【RAID RISE!!】
【インベイディング! ホースシュークラブ!!】
するとレイドブレスから管が全身を包み、隊員たちを銀色の機械質な姿――インベイディングホースシュークラブレイダーへと変身させた。左腰のホルスターには大口径の短機関銃――トリデンタがある。そのまま隊員たちは、ムーバル・スーツのベルトのバックルを叩き、インストールされた飛行魔法で空へ飛んでいった。
「………では、特尉も向かってくれ」
「はい」
「………ねぇ、ホントにそれ使うの?今からでも遅くないからやめといた方が…」
「問題ないよう訓練したじゃないか」
「それでも万が一を考えると気が引けるんだよ!だって達也が仮にそれで暴走したらシャレじゃなく日本どころか世界滅亡だよ!!?」
そう叫ぶ龍兎の前には、メーターが付いた赤い小型の装置を持ち、腰にビルドドライバーを着けた達也がいた。
「問題ない。起きないよう細心の注意を払うさ」
「いやでも…」
「龍兎君。しょうがないさ。さすがに通常のビルドでは若干の不安がある。君だってその点理解しているだろう?」
「まぁたしかに、目立つせいで周りの被害が大きくなりそうとは言いましたけども…何も色を統一するためだけにそれを使わなくても…」
「起きたことは戻せんよ。特尉。始めろ」
「…タイマーはセットしてあるから、絶対一分に一回は『再生』を使ってよね」
「わかっている」
【『HAZARD』-ON!!】
ガコン!!
【ラビット!】
【タンク!】
【SUPER-BESTMATCH!!】
達也は装置――ハザードトリガーのフタ――セキュリティクリアカバーを開けて蒼いスイッチ――BLDハザードスイッチを押して、ハザードトリガーをビルドドライバーの穴――BLDライドポートに挿し込み、ラビットフルボトルとタンクフルボトルを装填。そのままボルテックレバーを回転させると、いつものスナップライドビルダーではなく、真っ黒な金型――ハザードライドビルダーが展開された。
【ARE YOU READY!?】
「変身」
ドガァン!!!
チーン…!
【UNCONTROL SWITCH!! BLACK HAZARD!!ヤベーイ!】
達也が言った瞬間、ハザードライドビルダーが轟音を立てて達也を押し潰した。そしてレンジが鳴ったような音と共にゆっくりとハザードライドビルダーが開いてドライバーに収納されると、達也はビルドの基本フォームであるラビットタンクフォームにそっくりな、しかし、兎と戦車を象ったその複眼以外が果てしない黒に染まった姿――ラビットタンクハザードフォームへと変身した。そして達也もまた、腕に付けたCADで飛行魔法の魔法式を展開し、そのまま戦場へと向かう。
龍兎はその様子を達也が見えなくなるまで見届けるとバッタのような意匠が施されたプログライズキーを一瞬ポケットから出してすぐにしまい、魔法協会支部がある方角へ向かって歩き始めた。
「第三回、『今日のライダー講習会』!つい最近固定で講師をすることになったと知った機丈龍兎です!」
「アシスタントの吉田幹比古です。龍兎、今日のライダーは?」
「今日紹介するライダーは『仮面ライダービルド:ラビットタンクハザードフォーム』だ!」
・仮面ライダービルド:ラビットタンクハザードフォーム
スペック
■身長:177㎝
■体重:101㎏
■パンチ力:19.8t(右腕)/34t(左腕)
■キック力:47.4t(右脚)/35.6t(左脚)
■ジャンプ力:77m(ひと跳び)
■走力:1.4秒(100m)
■必殺技: 通常―ハザードアタック
オーバーフロー状態―ハザードフィニッシュ
「かなりスペックは高いけど…右と左でスペックが違うんだね」
「ビルドは2本のフルボトルでそれぞれのハーフボディを形成して変身するから、左右でスペックがまったく違うんだ。このハザードフォームは、禁断のアイテムである『ハザードトリガー』を使って変身する、ビルドの強化形態だ。このスペックは同じく強化フォームであるスパークリングフォームを軽く凌駕するレベル。現段階では最強に近いRシステムと言ってもいいね」
「…でも、なんだか見た目が禍々しいと言うか…恐ろしさを感じさせるのは気のせいかな?」
「そう。このハザードフォームの大きな欠点は、使い続けると暴走してしまう点だ。ハザードトリガーはBLDライドコネクターを通して変身者に特殊強化剤の『プログレスヴェイパー』を大量に投与するんだ。スーツが真っ黒なのも、この物質の作用だよ。そして、この状態確認用メーターである『フォースライドメーター』が危険域に達してしまうと暴走してしまうため、上手く調整する必要があるんだ」
「何か対策は無いの?」
「現在、ハザードトリガーを制御するためのあるアイテムを開発しているんだ。それが上手くいけば、この力の制御も可能になるよ」
「早く完成するといいね」
「そうだな。今日の講習会はここまで!また次回来てくれ!」
11月1日で一周年を迎えるのですが、どれがいいですか?
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新しい小説投稿
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他の方とのコラボ(したい人はDMを)
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特にしなくていい