天才と魔法科 ―相性悪そうな組み合わせほど実はベストマッチが多い件― 作:ジューク
さぁ、やってきました来訪者!
新たなフォームも随時開放!
目指せ年内UA100000回です!
ではでは、どうぞ!!
第27話 『なぜ彼女は留学してきたのか』
現代から半世紀以上も進んだこの世界でもクリスマスという、人にとっては記念すべき祝日、また別の人にとっては一年で一、二を争うほどに忌み嫌う日は存在する。ただ一つ確実なのは、人によって日の過ごし方は千差万別ということだ。
それは本来クリスマスを盛大に楽しむべき十代である彼女ですら例外ではない………。
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
「ニホンに潜入………ですか…?」
USNA――現代で言うアメリカはカナダ、メキシコなどを取り込んだ新ソ連、大亜連合と並ぶ一大国家となっている。そんなUSNAの軍に存在する魔法師部隊――スターズの総隊長という大きな地位を保有し、代々その総隊長に受け継がれた『シリウス』の名を冠するUSNAの切り札たる戦略級魔法師である『アンジー・シリウス』少佐こと、アンジェリーナ・クドウ・シールズは、任務から帰還したその足で上官であるバランス大佐の部屋にて次の指令を受けていた。
「ええ。2ヶ月前の十月三十一日、鎮海軍港に召集された大亜連合艦隊を消滅させた、おそらくは日本のものとおぼしき謎の戦略級魔法………それを扱う容疑者を思われる人物の無力化というのが一つ目。そしてもう一つが」
「?………!!」
そう言ってバランスが右側のモニターに映したのは、大亜連合の戦車の大軍を殲滅しているレイダー――独立魔装大隊の戦闘風景だった。
「こちら側の調べでは、これらは日本の国防軍が導入している『Rインテリジェンス』が開発したシステム――『Rシステム』である、ということだ。そして、先の戦略級魔法師と思われる容疑者の内二人と同じ高校に通っている『機丈龍兎』。奴を説得、または懐柔し、我々USNAにもRシステムを導入、もしくは独占させよ、と言うのが今回の任務内容だ。このシステムは、魔法が使えない者ですら強力な兵士となる。この映像では魔法師が飛行魔法を使っているが、これを流用すればUSNA軍の大幅な戦力増強に繋がる、とのことだ。行ってくれるな?」
「イエス、マム!!」
バランスの言葉に、リーナは強く返事をした。
この数週間後、彼女は日本に来ることとなる。
その存在が、近い未来に大きな事件を巻き起こすことになるとも知らずに………
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
「ぶえっきしっ!!」
「…大丈夫か?」
「風邪?」
「いや、大丈夫大丈夫。誰かが噂してたみたい」
北山家で開かれていたクリスマスパーティーの席で、突然大きなくしゃみをした龍兎に達也と雫が心配の声を出したが、龍兎は大丈夫と答えた。そんな他愛もないパーティーの席で、雫から驚くべきカミングアウトがあった。
とは言っても一月から精々三月までの間なので、一生会えなくなる危険性というのはほぼ0に等しい。そのことにほのかは心底ホッとしていたが、達也と龍兎は若干胡散臭そうな顔をしていた。そして達也が龍兎に話しかけたのは、帰路に着こうとした時だった。
「龍兎。今日は泊まっていけ」
「?泊まれって………達也と深雪ん家?」
「ああ。さっきの留学の件で少し情報の確認をしておきたいからな」
「…わかった。けど…深雪はいいの?」
「龍兎くんなら問題無いってわかってるわ」
「そっか。じゃあお言葉に甘えて」
そう言って三人はコミューターに乗り、達也たちの家へと向かった。
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
お風呂を借りた龍兎は上がってからある程度時間をおいて、互いに気になったことの確認を開始した。
「……まずやっぱり雫レベルの魔法師を日本がアメリカにはいどうぞで留学させる理由だよね。数十年前と違って、今は留学なんて話自体ほとんどない上、雫のような魔法師は言い方悪いけど貴重な戦力同然だ。なのに、今回の雫の留学はやけにあっさりし過ぎてる」
「それだけじゃない。雫が言うまで親友のほのかすら雫の留学を知らなかった。少なくとも、留学のためだけにそこまで情報を規制するのは不自然だ。お前の『地球の本棚』で調べられないか?」
「一応はできるけど…特定は難しいね。さすがに確定要素が少ない。時間をかければ絞れはできるかもだけど、キーワードが少ないと、調べる量が膨大過ぎる」
「………そうか」
「ただ一つ言えることは、間違いなく達也の魔法
………マテリアル・バースト絡みと考えていい。相手が質量を直接エネルギーに分解できる………たった一キロの物質に使えば、文字通り島一つを消滅させられるんだから。そりゃ本腰入れて調べるさ。USNAは自分たちの力が最強だと考えてるし、その力を脅かす可能性がある奴を率先して倒そうと考えるのも心理的に無理はない」
「……来年こそは争い無く過ごせると思っていたんだがな………」
「ホンット、達也はトラブルに好かれてるよね」
「好かれたくもないがな」
「心中お察しします」
龍兎のからかいに、達也は苦笑いで答えた。
そして数日後、2095年が終わりを告げる。
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
空港に到着したリーナは、その足で今日から3ヶ月の拠点となる場所に移動していた。扉を開くと、そこには今回の任務におけるサポート役のメンバーが既に揃っていた。
「よろしくお願いします、シルヴィ」
「こちらこそお願いします、総隊長」
同居人兼サポートメンバーの名前はシルヴィア・ファースト。ファーストはコードネームで、スターズ惑星級魔法師「マーキュリー」の第一位を表している。階級は准尉で年齢は二十九歳。軍人の中で見ればまだまだ若いながらも「ファースト」のコードを与えられている事から分かる話だが、能力を高く評価されている女性准士官である。彼女は元々軍人関係ではなく、ジャーナリズムを専攻していたが、結果として軍に入ることとなった。今回は彼女が持つその情報分析技能を買われ、リーナのの補佐役として任務を言い渡されたのだ。
「それでシルヴィ。例の物なんですが…」
「分かってますよ、はい」
シルヴィから渡された物を見て満足げに頷いたリーナは数分後……
目を輝かせながら『仮面ライダーバルキリー』となった自分の姿を姿見で見つつ、ファッションモデルよろしく様々なポーズを取っていた。
「どうですか?」
「こんな夢のようなシステムがあって、しかもCADとしても使えるだなんて……ニホンの魔法師たちが羨ましいですよ…」
「私も最初に見た時は目が点になりました。このシステムは軍事や警備のみならず、建築やファッションなど、幅広い分野で活躍してるみたいですよ。そして、世界で唯一それを作れるのが『Rインテリジェンス』…正確には、加重系魔法の技術的三大難問の内、常駐型重力制御魔法…飛行魔法の開発に成功するなど、業界では『トーラス・シルバーと並ぶ天才技師』と評されるRインテリジェンス専属魔工技師の『
「これは絶対にUSNAにも持ってこないと…」
「………って、リーナ…?…………はぁ…」
自身の説明をそっちのけでまだポージングをしているリーナに、呼び方が変わってしまうほどに呆れるシルヴィアであった。
さてさて、いかがでしたか?
次回から本格的にリーナと龍兎たちが絡んでいきます!
お楽しみに!
ではでは、CHAO~♪
11月1日で一周年を迎えるのですが、どれがいいですか?
-
新しい小説投稿
-
他の方とのコラボ(したい人はDMを)
-
特にしなくていい