天才と魔法科 ―相性悪そうな組み合わせほど実はベストマッチが多い件― 作:ジューク
八雲やリーナ、主要メンバーたちといよいよ対面!
フルスロットルで行きます!
ではでは、どうぞ!!
龍兎は黒の袴に黒がかった黄土色の着物を着て達也たちとの初詣の集合場所に到着した。既にメンバーとその他二人ほどが集合しており、どうやら自分が最後のようだと龍兎は気づいた。
「ごめん皆、遅くなっ………」
龍兎が一気に不機嫌になったのは、達也たちのそばにいる男に見覚えがあったからだ。なにせその男は、四月に自分がダブルとして活動していた時にシステムを奪おうとしてきた男――八雲だったのだから。
「ん?なんだい?」
「いえ、以前はダブルがお世話になったようですね、八雲さん?」
「おや、どこかで名乗ったかな?」
「名乗ったかな?じゃないんですよ。ダブルから話と映像を貰いました。よくもまぁやってくれましたね。まさか
「いや~、それについては申し訳な………?」
そう言いかけてふと八雲が周りを見ると、そこには軽蔑の目で自分を見る小野、美月、エリカ、ほのか、深雪がいた。レオと幹比古も「マジ?」と言わんばかりの顔をしている。そんな中、八雲にダブルのことを言った当の達也は…
「(そういえばそんなことがあったな……師匠には悪いが、ここは静観しておこう)」
悪魔もドン引きするほどに、あっさり八雲を切り捨てていましたとさ。
尚、この後八雲が達也以外の全員の信頼を取り戻すのは、自身の持ち前の胡散臭さも相まって数週間かかったことを追記しておく。
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龍兎たちが境内を歩いていると、龍兎の目に不自然なものが止まった。
「………?」
チラリと横目で見てみれば、そちらにはなんともまぁお粗末な尾行をする派手な服装の少女がいた。年は自分たちと同じぐらいだったため、彼女が例の留学生かとすぐに気づいたが、龍兎は内心で呆れていた。
「(………あれは尾行のつもりなのか?尾行ならなるべく目立たないようにするのが鉄則なんだけど…なぜわざわざ目立つ服装してるんだ?何か別の意味があるってことか?………いや、あれ単純にポンコツだな)」
少女は周囲をキョロキョロと見て自分が少しというかかなり目立つ服装だと今さら気づいたのか、そそくさとどこかに向かってしまった。
「(………なんか面倒事になりそうな気がする)」
これから起こるであろうトラブルを想像し、少しげんなりとする龍兎だった。
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――一週間後、一高教室内……
数日前に雫がアメリカに旅立ち、教室には雫以外の全員が揃っていた。魔法科高校では初日からフルで授業があるため、龍兎はさっさと用意を終えている。すると、教官の百舌谷がどこかで見覚えのある金髪碧眼の少女を連れて入ってきた。
「全員揃っているようだね。さて、紹介しよう。今日から三学期終了までの間、北山くんとの交換留学でこのクラスにきた、アンジェリーナ・クドウ・シールズくんだ」
「アンジェリーナ・クドウ・シールズです。リーナと呼んでください」
その容姿に、男女問わずほぼ全員の生徒が感嘆の声を出すが、龍兎や深雪は別だった。
「(クドウ………九島?…そういえば、九島将軍の弟がUSNAで家庭つくってたって話があったな…つまり、母方か父方の祖父がその弟…つまり十師族クラスの力を持っている?…取り敢えず)」
龍兎はすぐさま目を閉じ、地球の本棚にアクセスした。
「キーワード:『アンジェリーナ・クドウ・シールズ』、『USNA』、『魔法師』」
龍兎がそう呟くと瞬く間に本が消え、手元に一冊の本がゆっくり落ちてきた。
「…予想通り、USNAの軍人でし………た?」
龍兎は新年開始早々目を疑った。本にあった
――USNAが保有する戦略級魔法師の一人、
『アンジー・シリウス』でもある。得意魔法は加速、振動系魔法等と戦略級魔法の『ヘヴィ・メタル・バースト』。
という文章を見て。
「……………いやいやいや………えぇ?」
目をゴシゴシ擦ってもう一度見るが、文字は一文字たりとも変わらない。つまり――
「彼女は『アンジー・シリウス』…?いやいやいや待て待て待て。いくらなんでもおかしくね?」
その後、龍兎が落ち着きを取り戻すのに地球の本棚内の時間で十分ほどかかった。
「………なんにせよ、これは達也に報告だね」
そう決定して、龍兎は意識を現実に戻した。
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「………ふぅ」
「………………ねぇ」
「!」
昼休みになり取り敢えず一息吐いていると、リーナが龍兎に話しかけてきた。龍兎は警戒しつつも、表面では平静を保って応じた。
「アナタって、キジョウ・リュウトよね?」
「…そうだけど、名前言ったっけ?」
「九校戦の映像を見たの。アナタってあのRインテリジェンスの人なんでしょ?アタシ、Rシステムの大ファンなの!あんなロマンの塊、今まで見たことないわ!」
「お、おう…」
以前、雫が龍兎に詰め寄った時を思い出すほどにグイグイくるな、と思いながら龍兎は返答した。それを聞いたリーナは続け様に話す。
「でも、分からないの。なんであんな凄いモノを日本だけに留めてるの?アレが海外に出たら、すっごい人気になると思う。色んな人が笑顔になると思うの。なのになんで海外に進出しないのか、教えてくれない?」
――瞬間、龍兎の顔が変わった。
その豹変に、リーナどころか近くにいた深雪やほのかですらギョッとしている。その表情まま、龍兎は口を開いた。
「………笑顔になる、か……リーナ、君は本当にそうすべきだと思う?
例えそれが笑顔になる人より多くの人が血と涙を流すとしても?」
「………え?」
その言葉に、クラス中の時間が凍りついた。
「ただでさえRシステムは本来危険なんだ。現在でも、少数ながらRシステムを使った犯罪は起きている。日本には衛星ゼアがあるから、すぐに犯罪に使われたRシステムを凍結だってできるし、全国のRシステムを一括管理もできる。でもそれが、海外にまで溢れかえったら話が違う。俺たちの会社や各国政府の目が届かない所で、それか各国政府そのものがRシステムを違法改造したりして犯罪や戦争の道具にするのは想像に難くない。Rシステムはね、『人と魔法師が、一緒に笑顔で居られるような世界にする』っていう、俺の…俺たちの夢の結晶だ。それが血を流す道具になる…偉い奴らが笑うために多くの人を傷つける凶器になってはいけないんだ。国防軍にだって、『他国からの明確な侵略行動』と国防軍が判断した上で出す『要請』をウチが受諾、許可することでようやく『自衛目的でのみ』使用する契約を結んだ上で販売してる。日本政府ですら、その契約の上で使っているんだ。二ヶ月前の大亜連合の時のような一件が発生して、会社の重役…俺か父さんが判断して、初めて使えるんだ。そのルールを海外諸国が守るとは、悪いけど俺は到底思えない。Rシステムという強い力を作ってしまった俺たちには、その力に対する大きな責任が付き纏うんだ。君のように、純粋に使ってみたいって人もいるかもしれない。けれど、君はこの場で日本という国家に対して約束できるかい?Rシステムを、絶対戦争の兵器として使わせないって事を」
「……………ッ」
約束する、とリーナは言えなかった。自分が受けたRシステムに関する任務は、戦争の兵器として使うためのようなものだったからだ。
そして、彼女は龍兎の夢に気圧された。
別世界の戦士たる『仮面ライダーゼロワン』が抱いていた『人もヒューマギアも笑える世界をつくる』という夢。笑顔になる存在こそ違えど、その想いの強さは勝るとも劣らない。現に現在、USNAの東海岸近辺で『人間主義者』が暴動を起こしているように、世界での人と魔法師の溝は大きい。
その溝に大きな橋を掛け、人も魔法師も笑顔にしたいのが、龍兎の夢であり、龍兎がRシステムを創った心からの理由だと、リーナは完全に理解したのだ。
「……ごめん、強く言い過ぎた。あんなことがあったからか、最近ちょっとピリピリしてるんだ」
「…アタシも不用意に言ってゴメンナサイ」
「…深雪、悪いけど今日は一人で食べるからって達也たちに伝えといてくれる?」
「………ええ、わかったわ」
「じゃ、僕はこれで」
弁当を持って屋上へと向かう龍兎の背中を、リーナはただただ見詰めることしかできなかった。
さてさて、いかがでしたか?
今回ちょっとシリアス要素多かったですかね?
さて、次回も頑張っていきます。
ではでは、CHAO~♪
11月1日で一周年を迎えるのですが、どれがいいですか?
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