天才と魔法科 ―相性悪そうな組み合わせほど実はベストマッチが多い件―   作:ジューク

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どうも皆さん、ジュークです。
いや~、遅れてすみません。
リバイス見てました。
普通に面白そうでワクワクしましたよ!
今回はそんなリバイス風!
ではでは、どうぞ!


第32話 『対決!氷結!完全無欠!』

 

 

「いや~、思いの外余裕そうだね、二人とも」

 

「人が悪いですよ師匠。隠れて出番を待っていたくせに」

 

「その上、十五歳の女の子をお持ち帰りですか?

随分肉欲に溺れてますね。僧が聞いて呆れます」

 

「………………師匠?深雪をお持ち帰りとは一体どういうことかご説明願えますか?」

 

「いや待って達也君違う、違うからちょっとそのCADを取り敢えず下ろしてくれないかい?」

 

 

 深雪と現れた八雲に愚痴を言う達也だったが、どうやら龍兎の文句を真に受けたようで、殺気を放ちながら八雲にCADを向けている。八雲は弁明しているが、当の深雪は顔を赤くして――無論達也に心配して貰っているからであるが――いるため、更に怒りがヒートアップしていた。

 

 

 しかし、そんな彼らは若干揉めていようがリーナへの警戒は一切怠ってはいない。それを理解したリーナは憤慨の声を上げた。

 

 

「一対四なんてずるいじゃない!アンフェアよ!」

 

「アンフェアって…じゃあ貴女たちは何人でお兄様と龍兎君を取り囲んでたのよ」

 

「四対ニ、いや、リーナを加えると五対ニだね。一人頭2.5人だけど、不利なのは変わりないよ」

 

 

 悔しさ全開の見当違いな非難に、深雪が呆気に取られたような声でツッコむと、龍兎はそれに冷静な計算で答えた。

 

 

「まぁそう言うな。フェアという言葉は自分が有利な立場にある時に有利な条件を維持する為に使われる建前であり、アンフェアという言葉は自分が不利な状況にある時に相手から譲歩を引き出す方便だ。腕力で勝てそうにないなら口先で争いを回避するというのは、戦術的に間違って無い。本気にしたら負けだよ、深雪」

 

「…なるほど、そういうものなのですね」

 

 

 あまりにどす黒い大人の内容だったが、どうやら深雪を落ち着かせる効果はあったようだ。その副作用か、リーナの怒りを一気に沸騰させているが。ちなみに八雲は笑いを押し殺し、龍兎は「何だこれ」と思いながら白目を向いて仏頂面をキメていた。

 

 

「建前?方便!?本音と建前を使い分けて恥じない貴方たち日本人に言われたくないわ!」 

 

「君だって四分の一は日本人じゃないか」 

 

「……っ」

 

「それに、君が使っていた『仮装行列(パレード)』は日本で開発された術式で、君があの魔法を使えるのは九島の血を、つまり日本人の血を引いているからでしょ?それに、ダブルスタンダードはホワイト・エスダブリッシュメントのお家芸だ。本音と建前を使い分けない民族なんて聞いた事が無いけど」

 

「…すべて言われたが、俺も同意見だ」

 

 

 ここぞとばかりに白目を向いていた龍兎までも加勢し、リーナは「ぐぬぬぬぬ」と言わんばかりに顔を紅くして怒っている。そして、若干の苦笑いを浮かべている達也を見ると、臨界点に達してしまったようだ。

 

 

「……何がおかしいの?」 

 

「いや、このまま訊問をしてもリーナは意固地になって口を割らないだろうと思ってね」 

 

「そこはせめて『意地』と言って!」 

 

「それにマズいよ。多分そろそろ他のグループも駆けつけてきそうだし……」

 

「ちょっと!ワタシの言ってる事聞いてる!?」 

 

「そうだな。手短に済まそう。リーナ、フェアに取引と行こう。一対四がズルイと言うのならば、一対一で勝負しようじゃないか。君が勝ったら今日のところは見逃す事にする。その代わり、俺が勝ったら訊かれた事に正直に答える。これでどうだ?」 

 

「……いいわ」

 

 

 ほとんどどころか少しも釣り合って無い取引だったが、リーナに他の選択肢は無かった。リーナが考え抜いた挙句に条件を呑むと、達也は満足そうに頷きかけ――最愛の妹を見た。

 

 

「待って下さい!お兄様、リーナとの勝負は、私にお任せください」 

 

「ミユキ、貴女何を……」 

 

「リーナ、覚えておきなさい。私は、お兄様と龍兎君を傷つけようとする者を決して許さないわ。私は貴女の事ライバルで友人だと思ってるけど、貴女がお兄様たちを殺そうとした事は、例えそれが口先だけのものだったとしても断じて許す事は出来ないわ。貴女は私の手で、その罪を思い知らせてあげる。安心しなさい。殺しはしないから。ただ、同時に手加減もしない。私の今あるすべてを以て、貴女を倒す」

 

 

「ふーん……ミユキ、貴女、ワタシに勝てると思ってる?シリウスの名を与えられたワタシに!」

 

 

 深雪の勝利を確信した宣言に、リーナの胸に負けん気の炎が燃え上がった。睨み合う二人の美姫は絵になるかもしれないが、現場を見ればそんな下心は速攻で萎えるだろう。

 

 

「分かった。深雪、お前に任せる。龍兎とリーナもそれでいいな?」

 

「ノー・プロブレム」

 

「ありがとうございます、お兄様、龍兎君」

 

「承知よ。もしワタシが負けたら何でも話してあげる。そんな事あり得ないけどね!」

 

「『…そうして啖呵を切った勝負の末、無様にもリーナは膝を地面に突いたのであったとさ』」

 

「ちょっとリュウト!?何ふざけた物語追加してるのよ!!?」

 

「………ノリ?」

 

「~~~~!!!!」

 

 

 その後リーナが『勝負に自分が勝ったら達也と龍兎を自分の部下としてUSNAに連れていく』と発言したことで完全に深雪の怒りを買い、リーナは八雲と弟子が乗るセダン、達也と深雪はバイクに、龍兎もライズフォンを変形させたライズホッパーに乗り、戦場となる河川敷へと向かった。

 

 

 

 

      ⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

 

河川敷では深雪とリーナが戦闘準備をそれぞれ完了させていた。そして二人の間に八雲が割って入る。

 

「さてと……リーナには不満かもしれんが、審判は師匠に務めてもらう。審判といっても勝ち負けの判定をするだけで、勝負を仕切ったり途中で手出しはしないけどね」 

 

「ここにいるのは敵だけってことぐらい最初から分かってる。不満なんて無いわ」 

 

「潔くて結構だ」

 

「(…さっきまでは不満ブー垂れてたのに)」 

 

 

 彼女の憎まれ口を、達也はサラッと流し、龍兎は変化の大きさに内心おっ、となっていた。

 

 

「じゃあ、不肖ながらこの九重八雲が審判役を務めさせてもらうよ。勝敗の条件は、どちらかが降参するか、戦闘不能になる事。殺すのは無しだよ。遺恨を残してしまうからね」 

 

「分かりました。それで十分です」 

 

「その前に終わらせればいいわ」

 

「知ってるリーナ?それフラグだよ?」

 

「う、うるさいわね!」 

 

 

 静かに頷く深雪と、威勢良く了承の意を示すリーナ。その態度は対照的ながらも、自分の勝ちを疑って無い点は共通していた。まさに一発触発かと思われたが、龍兎の茶々でぶち壊しだ。

 

 

「最後に、こちらが危険だと判断した場合のみ、強制的に試合を止めるからね。その場合はお互いの出した条件の半分程度を有効とし、それ以上は踏み込まないようにする事になるから。では、始めようか」

 

「師匠、少し待って下さい」

 

「?」 

 

 

 ようやく戻った一発触発の空気の中、龍兎同様そこに水を指す空気の読めない男がいた。八雲とリーナから向けられる白けた眼差しを完全に無視して、達也は妹の許へ歩み寄る。深雪の正面、二歩の位置に来てまだ足を止める気配は無い。

 

 

「あの、お兄様?」

 

 

 兄の意図が読めず戸惑う深雪に答えを返さず、正面、あと一歩でも依然として足を止めない。そして達也は手を伸ばせば深雪を抱き寄せられる至近距離で足を止めて――深雪を抱き寄せた。

 

 

「あああのあのあののあのあのの?」

 

 

 腰に深く手を回され、赤面を通り越してパニックに陥り、あとのを壊れた洗濯機のように高速で震えながらキャストする深雪。さっきまで自分の方から抱きついていたくせに、というのはあくまで第三者の感想で。本人にとっては自分から抱きつくのと突然抱きつかれるのとでは全くの別物なのだろう。そうこうしていると達也のもう一方の手が深雪の後頭部に添えられる。最早深雪は声を出す事も出来ない。妹の髪に指を潜り込ませ、抵抗を忘れた顔を口元に寄せて、達也は深雪の額にキスをした。そして達也が抱擁を解くと、目を見開いた深雪の顔が現れた。そこに恥じらいは無く、ただ驚きだけがあった。

 

 

「これは……どうして……」 

 

「この前見せてもらった時、不完全ながらやり方を覚えた。一時的な効果しかないが、制御力を返す。思う存分やりなさい」 

 

「……はい!」 

 

 

 元気よく返事をした深雪は改めてリーナに向き直り、後ろから何かを取り出した。それを見たリーナはあまりの光景に目を見開く。

 

 

「………えぇ!?ちょっとミユキ!?何であなたまでそれを(・・・)持ってるのよ!!?」

 

 

 そのまま深雪は取り出した何か――ビルドドライバーを腰に装着し、ポケットからボトルを取り出す。

 

 

『ピイィィィッ!!!』

 

 

 そしてバイクから飛んで来て素早くガジェットモードになったフリーズドラゴンをキャッチし、ボトルを左手で振って挿し込んだ。

 

 

【ICE UP!!】

 

【FREE-Z DRAGON!!】

 

【トンカンテンカントンカンテンカン!!】

 

 

 そのままボルテックレバーをゆっくり回転させると、それに呼応してボルテックチャージャーが水色と白に発光しながら回転する。そしてスナップライドビルダーが展開されるが、通常と比べると、成分を流すファクトリアパイプラインや下部のランナーに所々霜が降りている。

 

 

【ARE YOU READY!?】

 

 

 そのベルトの問いかけに深雪は静かに、しかしリーナを倒すという強い意志を以て答えた。

 

 

「変身」

 

 

【WAKE UP ICING!! GET FREE-Z DRAGON!!!YEAH!!】

 

 

「…………嘘でしょ?」

 

「…言ったはずよ、リーナ。『私の今あるすべてを以て、貴女を倒す』と。私は傲ったりしない。文字通り全力で貴女を倒します」

 

「……………っ!」

 

「…さて、それでは両者構えて」

 

 

 リーナは額に汗を流すほどに焦ったが、もう後の祭である。八雲の合図ですぐさま目の前の強敵(深雪)に狙いを定める。そして――

 

 

「…始め!!」

 

 

 太陽と月。黄金と漆黒。灼熱と極寒。

 

 

 様々な面において真逆の二人がぶつかった。

 

 

 

 

 

      ⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

 

 

 ――…しかし開始数分後、徐々に優劣が着いてきた。ただでさえリーナは、対吸血鬼、達也&龍兎と続く三連戦。対して深雪はフリーズドラゴンまで使って文字通り本気(マジ)だ。分子ディバイダー、ダンシング・ブレイズ…おおよそ切れる手札をいくら切ろうと、深雪に当たる寸前で停止し、墜ちてしまう。それはまさしく彼女の絶対領域(アブソリュートエリア)。何が来ようとそこに入った瞬間氷漬けだ。しかも信じ難いことに、深雪は勝負開始から今まで一歩も(・・・)動いていない。リーナは「やはり傲ってるじゃないの!」と言いたげだが、単に深雪は最大火力ならぬ最大凍力のために体力を温存するために動いていないだけだ。

 

 

 だが何故か、リーナの中にはこの状況を楽しく思えていた。場違いなのは理解している。しかし、心から湧き出る感情、それは強敵と対峙した生物の闘争本能とも言うべきものだ。

 

 

 そしてリーナは移動魔法で大きく距離を取り、不適に笑う。その意味を理解した深雪もボルテックレバーを手をかけた。

 

 

「ミユキ!」 

 

「リーナ!」

 

「「勝負よ!」」

 

 

【トンカンテンカントンカンテンカン!!】

 

【READY・GO!!!】

 

 

 リーナは魔法式を展開し、深雪はボルテックレバーを回転させて空高く跳んだ。その右足にはどんどん極寒のエネルギーが集束されていく。そして――

 

 

【ARCTIC FINISH!!!!!】

 

 

「「はあああああああっっ!!!!!!」」

 

 

 リーナから放たれた『ムスペルスヘイム』と、深雪の『ニブルヘイム』を纏った必殺キック『アークティックフィニッシュ』が真っ向からぶつかり合った。あまりの温度差によって、そのすぐ上では美しいオーロラが広がっている。

 

 

「………これは勝負あったね」

 

「ああ……………!!」

 

「?…!ちょっ!自殺するつもり!?」

 

 

 リーナは腰に手を回し、武装一体型CADを出そうとした。だが、今はただでさえ深雪に圧されている状態だ。そんな中で他の魔法を使えば下手をすると魔法力を失う事態になりかねない。

 

 

「そこまでだ!!」

 

 

 達也が放った『術式解散(グラム・ディスパージョン)』により、二人の魔法は消滅。深雪はキックの威力を失いながら地面にフワリと着地した。リーナは憑き物が落ちたように地面にへたりこんでいる。

 

 

「………これは深雪の判定勝ちだね。リーナ。いくらなんでもあのタイミングで武装一体型CADを使おうとするのは自殺行為だよ」

 

「わかってるわよ。約束通り、質問には答える。ただし、『YES』か『NO』で答えられる質問だけよ。アタシが負けそうだったからって言っても、試合を中断させたのに変わりはないんだからね」

 

「わかっている」

 

 

 せめてもの意地だろうな、と達也は若干の苦笑いをしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………そういや結局フラグだったね」

 

「~~~!!!!!」

 

 

 尚、リーナは龍兎のこの一言で一気に完熟トマトのような顔になって地団駄を踏みまくっていたと追記しておく。

 

 

 




さてさて、いかがでしたか?
次回、長くなるかも知れませんが、お楽しみに!
あと、遅れていたのにはも一つ理由があります。
現在取っているアンケートの新しい小説を四つぐらい一話目書いてたんですよアハハハ(凝りすぎ)
一つ目が五条勝のヒロアカ憑依転生(最初で混沌)
二つ目が鬼滅のオリキャラ和え(※料理ではない)
三つ目がヒロアカの出久嫌われもの(これヒロアカファンとしては一番書きづらかった)
四つ目がオバロのオリキャラ和え(二品目)







………わかってますよ。やり過ぎた。
新しい小説投稿するとしたらどれがいいか、良ければ是非コメント欄にお願いいたします。
ではでは、CHAO~♪

11月1日で一周年を迎えるのですが、どれがいいですか?

  • 新しい小説投稿
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