天才と魔法科 ―相性悪そうな組み合わせほど実はベストマッチが多い件―   作:ジューク

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どうも皆さん、好きなチョコはカレ・ド・ショコラのホワイトチョコな男、ジュークです。
今回はバレンタイン編。
私を含む非リア充の閲覧は推奨しません。(見るなとは言ってない)
いや~、にしてもバレンタインってことは魔法科高校のオーバーロード越え「おい」………
導魔「覚悟はいいか?」
ま、待て!待つのだ導m
【フルスロットル!】

ああ"あぁ"ぁ"あ"ああ"ぁ"ぁぁ!!!??


てなわけで、お楽しみくださいな。
そしてUA10万回達成!!!
ありがたい話ですよ。
リバイスも強化フォーム出るし、ライダーファンとしてはいいこと尽くしです!
ではでは、どうぞ!


第34話 『Pの覚醒/少女の心』

 

 

 

バレンタイン

 

 

 

 269年頃に当時のローマ教皇から迫害されて亡くなった聖職者が由来だそうだが、現代では『リア充の祭典であり非リア充の命日』とか言われることもある、敗者と勝者が決まる日である。

 

 

 しかし、そこはやはり十人十色。世界中を探せば、バレンタインをそんなに気にしていない発明バカもやはりいるのである。

 

 

 この男、機丈龍兎もその一人なのだから。

 

 

 

 

      ⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

 

 

「ぶっちゃけチョコレートは糖分補給ぐらいにしか意識してないんだよね。母さんから貰ったやつとかはありがたいけど」

 

「………たまに達観してるよなお前」

 

 

 昼休み、昼食の場で龍兎が放った言葉にレオは半ば呆れながら感想を言った。

 

 

「まぁ、女の子と仲良くする機会そのものがそこまで無かったからだと思うけど。あと中学の時に彼女から本命チョコ貰ったってイキってたやつ居たのも原因だと思うな。『彼女できたらあんな嫌なやつになんのかな』って無意識にこじつけちゃったのかも」

 

「あ~…そういや、そのイキリ野郎は結局どうなったんだ?」

 

「第一志望に落ちたせいで見事に別れました」

 

「ハッハッハ!!傑作だなそれ!」

 

 

 腹を抱えて爆笑するレオに龍兎もクスクスと笑って答えた。

 

 

「あ、そうだ。後で達也に『今日はRインテリジェンスで仕事あるから放課後はすぐ帰る』って伝えてもらっていい?」

 

「おう、いいぞ」

 

「ああ、あと『七草先輩には気をつけて』もついでに言っててくれる?」

 

「七草先輩がどうかしたのか?」

 

「………今朝登校したらなんかえげつない匂い…ていうか臭いがする鞄をめっちゃ黒い笑顔で大事そうに抱えてたから、念のため」

 

「………お、おう…?」

 

 

 その後、達也は龍兎の伝言の意味を理解できなかったが故に真由美の劇物チョコレートの餌食となり、龍兎の忠告はちゃんと聞いておこうと心に決めたのだった。

 

 

 

      ⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

2096:2:15―13:07

 

 学校中が浮ついた空気に包まれていた昨日とは打って変わり、校舎内には奇妙な困惑が漂っていた。生徒全員が関係しているというわけではない。というか大半の生徒にとっては直接関係ない出来事だ。

 

 

 しかし、そんな事件にも関わらず達也と龍兎のコンビの同行者は五十里、あずさに加えて深雪、ほのか、エリカ、レオ、幹比古、美月と、二人にとっては何時ものメンバーだが、達也のクライアントはそうそうたる顔ぶれに気圧されたのか、そそくさと逃げ出してしまった。

 

 

 余計なギャラリーは服部が閉め出したのだがその中に服部本人が含まれているのに、エリカやレオの同席を認めている辺り、彼の複雑な性格が垣間見える。

 

 

「取り敢えず、映像を見せて貰っても?」

 

「うん」

 

 

 異変が起きたのは午前七時。ロボ研のガレージに保管されていた3HタイプP94、通称「ピクシー」が外部からの無線通電によりサスペンドから復帰した。ヒューマノイド(Humanoid)ホーム(Home)ヘルパー(Helper)、略して3Hと呼ばれる家事手伝いロボットには内部電源による再起動するタイマー機能も備わっているが、燃料電池の負担に備えて起動時には外部電源を使う事が推奨されている。

 

 

 生徒が登校していないこの時間にピクシーが目覚めたのは自己診断プログラムの実行に伴うもの。3Hの使用マニュアルでは、毎日本格的な稼働前に自己診断プログラムを走らせる事が望ましいとされてはいる。一般家庭ではそこまで守られていない手順だが、モニターを兼ねてP94を貸与されているロボ研ではマニュアルの全事項が忠実に守られている。

 

 

 自己診断の状況は遠隔管制アプリケーションをインストールされたサーバーで自動的にモニターされ、機体はガレージ内のカメラで異常な挙動が見られないかどうか監視されている。自己診断プロセスは異常を発見することなく完了してプログラムを終了し、3Hは再びサスペンド状態に戻る――はずだったのだが、異常の無い筈の3Hが仕様の通り機能を停止しなかった。自己診断プログラムを終了後、P94はサーバーと交信を始めた。アクセスしたのはなぜか一校の生徒名簿。それを認識した遠隔管制アプリはマルウェアに感染した可能性が高いと判定して、P94に強制停止コマンドを送信した。これが軍事用機械なら遠隔コマンドをシャットアウトする装置が組み込まれていたりするが、民生用機器にその手のハードウェアが組み込まれる事は絶対にない。もちろんP94もそのようなハードは搭載していないため、安全に動作を停止するシークエンスに移行するため完全停止まで時間が掛かるということはあっても、コマンド自体を無視することはありえない。にも拘わらず、ピクシーは機能を停止しなかった。

 

 

 サーバーに対するアクセス要求はその後も続き、サーバー側が無線回線を無理矢理閉じる事で漸くP94の異常な稼働は止まった。

 

 

 そしめ異常稼働の間ずっと、ピクシーが嬉しそうな笑みを浮かべていたのを監視カメラが記録していたそうだ。

 

 

「………取り敢えず分解(バラ)します?」

 

 

 どこからかレンチを取り出した龍兎に、五十里は否を返した。

 

 

「いや、P94のログも見たんだけど、強制停止コマンドは確実に受信されていた。…信じがたい事だけどログが間違っていないとすれば、強制停止コマンドはP94の電子頭脳内で実行されていたんだ」

 

「……エレクトロニクス的には停止したはずのP94が稼働を続けていたのは、電子頭脳以外の何かから発せられた電子的なコマンド以外の信号で機体をコントロールされていたから。そしてそれは、想子波そのものか、想子波を伴う魔法的な力だ、とお考えなんですね」 

 

「さすがは司波君、その通りだよ。廿楽先生はそう仰っていたし、僕もそれ以外に説明はつかないと思う。取り敢えずピクシーをチェックしてくれないかい?」 

 

「分かりました、診てみます」

 

 

 少しがっかりしてレンチをクルリと掌で回し、腰にしまう龍兎を横に、達也はピクシーの前に立った。

 

 

「ピクシー、サスペンド状態を解除」

 

「ご用でございますか」 

 

「今朝七時以降の操作ログと通信ログを閲覧する。その台の上に仰向けに寝て、インスペクションモードに移行しろ」 

 

「アドミニストレーター権限を確認します」

 

 

 達也の命令は管理者権限を必要とするものであり、ピクシーの回答もプリセットされた定型反応だ。達也はピクシーの管理者として登録はされていない故、顔パスはあり得ず権限付与を示すエビデンスを提示しなければならない。実際達也は管理者権限を示すカードを胸ポケットにつけていたため、本来であればピクシーの視線は顔ではなく胸ポケットに向けられるべきなのだ。しかしピクシーの視線は、達也の顔に固定されたまま動かない。見つめていると表現するのが最も相応しい停滞した時間。その妙な様子に達也や龍兎、あずさだけではなく全員が「何かがおかしい」と感じ始めたところでピクシーが動いた。

 

 

 

「ミツケタ」

 

 

 ピクシーの口が小さな音声を紡ぎだし、慎重な足取りで台車から降りると、次の瞬間、達也に向かって飛びかかった。龍兎は素早く腰からトランスチームガンを引き抜いてピクシーに向けるが、ピクシーの行動の方が早かった。

 

 

 そして、達也は自分より頭一つ以上小さなピクシーのボディを正面から受け止めたのた。

 

 

「……司波君ってロボットにまでモテるんだ」

 

 

 室内を覆う沈黙を打破したのは、部屋に入って来たばかりの花音の白けたツッコミだった。

 

 

 それをきっかけに麻痺していた感情が次々と再起動を始め、達也は背中に突き刺すような視線を感じていた。真後ろからブリザードじみた怒気が送られてきている。龍兎は逆に興味深い目でピクシーを観察していた。

 

 

「……お兄様にお人形遊びのご趣味がお有りとは存じませんでした」

 

「兎も角まず落ち着け、深雪」

 

「龍兎だけにね」 

 

 

 ほのかから咎められるような視線を向けられるだけならまだしも、まさか妹から浮気の濡れ衣を着せられるとは達也も思っていなかった。しかし龍兎の駄洒落で少し雰囲気が崩れたので、達也は説明を口にした。

 

 

「俺の方から抱きついたんじゃないぞ。抱きつかれたんだ」

 

「お兄様の身体能力なら、避ける事など造作も無かったはずです」 

 

「俺が避けたらお前にぶつかっていたじゃないか」

 

「それでか」 

 

 

 確かに避けようと思えば避けられた。それに3Hの機械的な最大出力は、誤って家具や食器を壊さないように、またそれ以上に事故でオーナー家族に怪我をさせないように平均的な成人女性以下に抑えられている。にも関わらず避けなかったのは、真後ろに深雪がいたからだ。達也ならは体重差もあるから飛び掛かられても受け止められるが、深雪だと押し倒されていた可能性が高い。

 

 

「おおっ、あの一瞬でそこまで計算してたのかよ」 

 

「見てたら分かるでしょ、それくらい」

 

 

 レオが今にも手を打ち合わせそうな声で驚きを示すと、エリカが「何を今更」とでも言いたげな声でツッコミを入れた。

 

 

「申し訳ありません、失礼な事を……」

 

 

 一方、それが分からなかった深雪は、両手で口元を押さえた後、シュンと萎れて達也に謝ったが、落ち込んでいるように見えて微妙に嬉しそうでもあった。

 

 

「…そ、それよりピクシーを何とかしましょう」 

 

 

 あずさの言葉を聞き、達也はピクシーを台の上に寝かせた。そして龍兎は傍観モードだった美月と幹比古の方を向いた。  

 

 

「ねぇ美月」

 

「は、はいっ?」 

 

「ピクシーの中を覗いて見てくれない?幹比古は美月が大きなダメージを負わないようにガードしてほしいんだけど」 

 

「…ピクシーに何か憑いていると言うのかい?」 

 

「何か、とは遠回しな言い方だな、幹比古」 

 

「この状況で憑いてるやつなんてアレ以外あり得ないでしょ」

 

 

 頷いた幹比古は呪符を出して起動させ、美月は眼鏡を外してピクシーを覗き込んだ。

 

 

「………います…パラサイトです」

 

 

 その言葉で美月以外の全員が臨戦態勢を取った。

 

 

「………でも、このパターンは…」

 

 

 しかし眉を潜めある程度悩んだ後、美月は急に振り返った。

 

 

「えっ、なに?」

 

  

 視線の先にいたほのかとピクシー――の中にいるだろうパラサイト――を交互に見た美月はやがて一つの結論を口にした。

 

 

 

「このパターン……ほのかさんに似てる」 

 

「ええっ!?」

 

「………似てる、ってことはつまり」

 

「はい。現在パラサイトはほのかさんの思念波の影響下にあります」

 

「…ええと、それって光井さんのコントロールを受けているということ?」 

 

「いえ、そういう繋がりでは無いと思います……ほのかさんとパラサイトの間にラインが繋がってるんじゃなくて、ほのかさんの思念をパラサイトが写し取った感じです。あるいは、ほのかさんの『想い』がパラサイトに焼き付けられた、と言うべきでしょうか」

 

「………ほのか。一応聞きたいんだけどさ、昨日この辺りに来た?」

 

『?』

 

 

 美月が五十里からの質問を否定した後、唐突に放たれた龍兎の質問に全員が疑問符を浮かべた。

 

 

「昨日、ですか……?…………あっ!」

 

「…昨日はバレンタインデー…そしてピクシーの中のパラサイトがほのかの強い『想い』の影響下にあるのなら多分その『想い』って………」

 

「………!!!ムぐっ!!?」

 

 

 すると何かを悟ったのか、顔を赤くしながらピクシーに飛びかかろうとしたほのかをエリカと深雪が半笑いで抑え込んだ。口を塞がれてもジタバタ暴れるほのかを二人が抑える中、突然この場の誰のものでもない声が響いた。

 

 

『皆さんの予想通りです』

 

 

 ほのか、エリカ、深雪以外の全員が振り向いた先にいた声の主は、ピクシーだった。

 

 

 




さてさて、いかがでしたか?
次々回、アイツらが現れるかも…?
お楽しみに!
ではでは、CHAO~♪

11月1日で一周年を迎えるのですが、どれがいいですか?

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