天才と魔法科 ―相性悪そうな組み合わせほど実はベストマッチが多い件― 作:ジューク
今回は生徒会です。
生徒会の話ではアイツが出てきますよ。
ではでは、どうぞ!!
――……翌日、一年A組教室内…
「……………アレをわざわざ学校に持ってくる意味あったのかな………」
事務室に預けてきた自分のケースに入っているCADを思い出しながら龍兎は呟いていた。と、深雪が教室に入り、龍兎の方に向かっていく。
「……龍兎君。少しいいかしら?」
「どしたの深雪?」
「昼休み、空いてるかしら?」
「今日の?今日なら………大丈夫だけど」
「良かった。実は私たちと一緒に生徒会室に来て欲しいの」
「…………え?どういう成り行き?」
深雪曰く、朝に正門で真由美に遭遇し、達也、深雪、龍兎の三人に生徒会室に来て欲しいという用件を言ってきたそうだ。
「………それ絶対面倒事じゃん。まぁ、了承した以上は行くけど」
「ありがとう」
そんなこんなで時は流れ、昼休みのチャイムが鳴った……。
⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪
「面倒事だけはごめんだけどねぇ…」
「そうだな」コンコン
『は~い』
「一年E組、司波達也、一年A組、司波深雪、機丈龍兎です」
『今開けるわね』ガチッ
真由美が応答した直後にオートロックが開いたので、達也たちはドアを開けて中に入った。
「失礼します」ペコリ
「さ、遠慮しないで入って」
「お魚と肉と精進、どれにする?」
「部屋に自動配膳機まであるんですね」
「恥ずかしい話、遅くまで仕事する時もあるからね」
「(……役員は絶対避けないとなぁ…)」
三人は精進料理を選び、席につく。
「それじゃあ、紹介するわね。まず、風紀委員長の渡辺摩利」
「よろしく頼む」
「それと会計の市原鈴音、通称リンちゃん」
「私をそう呼ぶのは会長だけです」
「そして書記の中条梓、通称あーちゃん」
「か、会長っ!後輩の前であーちゃんはやめてくださいっ!!」
「(……なんでだろう。この人だけそのあだ名がめっちゃしっくりくるんだけど………ん?)
渡辺先輩、その弁当もしかして手作りですか?」
「?そうだが…意外か?」
「いえいえ、まぁ…………少し苦労したんだな、と思いましてね」トントン
「………あっ」///
龍兎はそう言って自分の右手を指差すと、摩利は恥ずかしげに絆創膏が貼られた自分の手を後ろに隠した。
「………お兄様、私たちも明日からお弁当にしましょうか?」
「ああ、ただ食べる場所がな…」
「…兄妹と言うより恋人同士の会話ですね」
「そうですか?でもまぁ、確かに…血の繋がりが無ければ、恋人にしたいと考えたことはありましたが」
「ええ!?」///
「なっ!?」///
「…………」///
「ふえぇぇっ!?」///
「…………………」シラー
「……」クルッ
「……もちろん冗談ですが?」
「「ええっ!!?」」
「ん?」「あ?」
「あっ!……」///
「(…なんだろ、この兄妹いちゃつくためにわざわざここに来たの?じゃあ俺もう帰っていいかな?)」
「……えっと、いいかしら?」
と、雰囲気を変えようと真由美が本題に入る。
「深雪さん、生徒会に入ってくれないかしら?」
「………皆さんは兄の成績をご存知ですか?」
「?」
「深雪!!?」
「(あ、だいたいこの後の展開察した)」
「成績優秀者であれば、私より兄の方が素晴らしいです。入れるのなら、兄の方が入るべきです」
「(デスヨネー)」
「残念ですが、それは無理です」
鈴音が言うには、今の校則ではニ科生が生徒会役員になることはできず、それを変えるには九月に開かれる集会で過半数の票を得るしか無く、一科生至上主義の生徒が多い現状でそれを実現するのはかなり厳しいそうだ。
「…そうでしたか。分を弁えぬ発言、許して下さい。役員の方は頑張らせてもらいます」
「分かったわ。じゃ、書記としてあーちゃん、いろいろ教えてあげてね」
「ですからあーちゃんはやめてください!」
「………あ。そうだ鈴音」
「はい?」
「確か風紀委員には、一科ニ科の制限は無かったよな?」
「はい、そうですが」
「!それよ!!」
「……は?」
「(あ、この流れはもしかして………)」
「確か風紀委員の生徒会推薦枠が今ちょうど二つ余ってたわよね!?よし!生徒会は達也君を風紀委員に指名します!」
「いや待って下さい!俺は風紀委員がどういう職務かすら知らないんですが」
「ああ。簡単に言うと、魔法の不適正使用などを取り締まる、いわば警察と検察を兼ねたような機関だな。まぁ、懲罰に関してはは懲罰委員会があるが」
「あのですね!俺は実技の成績が悪いからニ科生なんですが!」
「達也。諦めな。この人たち一度思いついたら絶対諦めないタイプの人間だ」
「まぁ、そういうことだ。あと、風紀委員会は君にもやって貰うぞ」
「…………もし断ったら?」
「……だいたい察してるんじゃないのか?」
「………まぁ、いいですけど」
「待て龍兎。俺はまだ――」
達也が続けようとした時、予鈴が鳴った。
「取り敢えず、話は放課後に持ち越しですか?」
「そうね。じゃあまた放課後ここに来て」
真由美が言い、一旦この場は解散となった。
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
――……放課後……――
「んじゃ行こっか」
「ああ」
「ええ」
「来ましたー」
『どうぞ』ガチャッ
「(………ん?あの人たしか……この前会長さんと一緒にいたような…)」
龍兎たちの視線を先には、真由美と一人のどこかで見覚えのある男子生徒がいた。
「ん?」
「来たか。では達也君、龍兎君、早速だが風紀委員室まで一緒に――」
「待って下さい」
「なんだ?服部刑部少丞半蔵副会長」
「フルネームはやめてください!!学校にもちゃんと服部刑部と―――ではなく!!私はそこの
「おい。それは禁止用語だぞ。私の前でよく堂々と言えるな」
「取り繕ってもしょうがないでしょう。それとも、全校生徒の約1/3を取り締まるつもりですか?」
「!!何ですって!?」
「あなたが深雪さんですか?魔法師は常に冷静を心掛けるべきものです。身内だからとせっかくの目を曇らされては困ります」
「……委員長、この人ほんとに副会長ですか?」
「なに?」
「いやいや、風紀委員長と後輩の前で堂々と禁止用語を吐いて、更にはそれをアホみたいな屁理屈で正当化するような人が生徒会副会長って正直人選的にどうかと思うんすけど」
「何だと貴様!!?」
「あと副会長さん。記憶しっかりしてます?『魔法師は冷静を心掛けるべき』なんでしょ?この程度で激昂するようじゃ、そんな台詞は到底言えた義理じゃねーですよ」
「なっ!?くっ!こ、この!!」
「………で、何か反論は?」
「~~~!!!」
「………まぁ、こちらとしても友達の実力も確かだし目も曇ってないと証明したいですし、模擬戦でもします?」
「……いいだろう。誰に生意気な口を聞いたか見せつけてやる!!」
こうして、龍兎と服部の一騎討ちが始まる。
⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪
――……一高、第三演習場……
事務室からケースを受け取り、それを持って龍兎は演習場に来た。
「ほいっと」ピッ
パカッ!!
「まさかほんとに使うとはね………まったく、運が良いのか悪いのか……」カチャ
アプリを起動してライズフォンをケースに付いた窪みに付けるとピッタリと嵌まり、認証システムが作動してケースが開く。そして龍兎はケースの中から一つのCADを取り出し、フィールドに立つ。
「…さて、最後にルール説明だ。致死性の攻撃、後遺症が残るような攻撃などは禁止する。もしそうなったら、全力で止めるので、そのつもりでいておけ」
そういうと摩利は手を挙げて二人を交互に見る。二人はそれに軽く頷いた。
「…ったく、戦う気なんて無かったんですがね」
「なんだ?今さら負けた時の言い訳か?」
「いえ。戦う気はあんまり無かったんですが、それと同時に…負ける気も無いので」スッ
【スクラァァッシュドォライバー!!!】
『!!?』
「さぁ、新商品のお披露目会と――」
シャキン!!
「いきましょうかッ!!」ヒョイッ パシッ!
【ROBOT JELLY!!!】
龍兎は右手に持っていた、レンチと試験管のような物が付いたCAD――スクラッシュドライバーを腰に当て、ポケットから黄色と黒を基調とした容器――ロボットスクラッシュゼリーを取り出してキャップを回し、軽く放ってキャッチすると、ドライバーに差し込んだ。するとスクラップ場のようなプレス音と蒸気を噴出する音が混ざったような待機音が流れ始める。
「変身!!」
ガギン!!!
【潰れる!流れる!溢れ出る!】
【ROBOT IN GREASE!!!】
【ブゥルルルゥゥアァァァッッ!!!】
レンチを思いっきり下げると、スクラッシュゼリーが両側から押し潰された。その直後、龍兎の周りをビーカーのような装置が包み、中に黒いゼリー状の液体――液化装備である『ヴァリアブルゼリー』が満たされる。ヴァリアブルゼリーが顎あたりまでくると、ビーカーが捻れて収縮し、龍兎のスーツになった。そしてミイラのようになった頭部――スクラッシュファウンテンから大量のヴァリアブルゼリーが噴き出る。
噴き出されたヴァリアブルゼリーは龍兎の上半身に降り注ぎ、徐々にアーマーを形成していく。すると突如ヴァリアブルゼリーが弾け、上半身を黒いアーマーで固めた龍兎が姿を見せた。
「『仮面ライダーグリス』……見参」
『………はああぁぁぁぁ!!!?』
当然、生徒会メンバーは大声を出す。鈴音さえも目を大きく見開き、梓はなぜか滅茶苦茶ハイテンションになっている。
「ま、まさかRシステムか!!?そんなのをどうやって!?何なんだそれは!!!」
「……あぁ、そういや自己紹介してませんでしたね。Rインテリジェンス代表取締役社長補佐を務めています、機丈龍兎です。以後よろしく。コイツはつい最近完成した最新型ですよ」
『えええええ!!!!????』
唐突なカミングアウトに生徒会メンバーは再び奇声を上げた。
「……さて、いきましょうか?」
「………!は、始め!!」
「さーてと」パンッ!
「ひっ!!?」
「心火を燃やして……ぶっ潰すッ!!!」
ガギン!!!
【SCRAP FINISH!!】
「オルルルゥアアァァァ!!!!」バシュウウウウ!
ドゴオオオオッッ!!!
「ぐっはああぁぁ!!!??」ドガァァン!
レンチを再び下げると、肩と背中に付いた噴射口――スクラッシュノズルから大量のヴァリアブルゼリーを噴き出し、その反動で加速した龍兎のつま先蹴りが服部の腹を正確に捉え、壁に叩きつけた。服部はそのままうつ伏せに倒れる。気絶したのか、ピクリとも動かない。
「…………!し、勝者!機丈龍兎!!」
「ふぅ、テスト完了っと」シュウウ…
龍兎はドライバーからスクラッシュゼリーを抜き、変身を解除した。
「き、機丈くんって、Rインテリジェンスの副社長だった、の……!?」
「はい。そうですけど?」
「そ、それってRインテリジェンスの最新作なんですか!!?」キラキラ
「うおっ!!?な、なんすか!?」
「ふわあぁ……この独特なフォルム、しっかりとした作り込み………精巧なアイテムの挿入口……全てにおいてかっこいいですぅ…」
「……よし、しまうか」
「あの、機丈くん!貸してください!!」
「いやあの、これ一応明日公表しますんで」
「なら触るだけでも!!」
「いやちょっと」
龍兎がケースにドライバーをしまおうとすると、梓が小動物のように纏わりついてきた。鈴音曰く、どうやら彼女はデバイスオタクのようだ。
「………で、狸寝入りが下手な副会長。何か言うことあるんじゃないですか?」
「………あぁ…すまなかった司波さん。目が曇っていたのは僕だったようだ。こんな実力者に気づくこともできなかった…」
「………いえ、もう気にしてしませんから」
「………じゃ、今日はお開きですか?」
「いや、服部の了承も得たことだし、達也君と一緒に風紀委員室に来てくれ」
「……さっさと行くか」
「そうだな」
手早く用事を済ませるため、二人は演習場を後にする摩利についていった。
さてさて、いかがでしたか?
今回出てきたのはカシラこと仮面ライダーグリスでした~!カシラ良いですよね。
さて次回、風紀委員として活動です。
取り敢えず入学編完結させたら一旦他を書きます。
早よ書かないと導魔くん辺りからとんでもない魔法喰らいますからね。
ではでは、CHAO~♪
11月1日で一周年を迎えるのですが、どれがいいですか?
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