「よし、じゃあ今から作るけどリクエストとかある?」
「特にないかな~ベルタは?」
「私も特にないよシーラ。あるとしたら「おいしい料理」かな?」
薙切インターナショナルに来て一週間と少し。お昼を少し過ぎた頃料理の研究をしている栄翔にシーラとベルタの2人が料理を作ってほしいと言ってきた。今まであまりの忙しさと仕事のノルマはさすが薙切管轄の研究所といったところか今まで時間が合わず料理をふるまうこともできていなかった栄翔は2人の頼みを快く了承した。
「わかった。食材は厨房にあるの?」
今まで栄翔の料理を食べたことがなかったのもあり試すつもりで特にないとベルタは言ったのだが、気にした様子もなく了承する栄翔を見て少し驚く。
「うん。ありとあらゆる食材がそろってるよ」
「よし了解。それではシーラ様、ベルタ様、少々お待ちください」
腕まくりをして気合を入れながら厨房へ向かっていった
_________
______
___
_
「お待たせいたしました。トムヤムクンです」
「トムヤムクン、エビやパクチーが入ったタイの代表的なスープ料理で世界三大スープ料理の一つだよね、シーラ」
「そうだねベルタ。酸味と辛味が特徴的で好き嫌いが分かれるスープだね」
厨房に入って数十分。完成した料理をもって栄翔が戻ってくる。作った料理はトムヤムクン。ベルタの言う通り世界三大スープ料理の一つにも数えられているタイ料理の王様ともいえる品だ。
「それではお楽しみください」
皿を差し出すと2人はスプーンを手に取り口に運ぶ。
パクッ
「「からい!!けど、それ以上においしすぎるよお!!!!」」
「おお、よかった」ニコッ
2人はスープを口に入れた瞬間顔を赤くし、蕩けるような顔をする。
「プリッキーヌの圧倒的なまでの辛さとレモングラスの酸味!それが口の中、全身を刺激しながらおいしさを伝えてくる!」
「エビのうまみも強く出てる!カー(タイのショウガ)のおかげで体があったかい!」
「しかも今まで食べたことのあるトムヤムクンと比べてコクがある・・・そう思わないベルタ?」
「わかるよシーラ。これは・・・」
2人はそう言って栄翔の方を向く。それを見た栄翔は少し得意げな顔でネタ晴らしをする。
「それはほんの少し加えた甜麵醬だね。これを入れるとコクが出てくる」
「それにトムヤムクンは辛さや酸味、魚介の味など味がキレイにまとまりにくい料理・・・好き嫌いもはっきり分かれるクセが強い料理のはずなのに手が止まらない・・・」
「それはココナッツミルクだね。これを入れることで仕上がりが少しまろやかになって後味も優しくなる。味もまとまりやすくなってコクも出るんだよ」
タイ料理は乳製品との相性がよくトムヤムクンには牛乳を入れることもあるのだがそれをココナッツミルクにすることでコクを出したりまろやかにするだけでなくココナッツの風味も楽しむことができる。最近では本場タイでもココナッツミルクを使用したトムヤムクンが好まれていたりする。
「(暴力的な辛さと圧倒的なうまみ!)」
「(それだけで屈服させられてるのにその辛さの後にくる確かな優しさ!もう完全に虜になっちゃってる!)」
「(辛さの圧倒的なうまみとココナッツミルクのまろやかさによる優しいうまみ!片方を味わうともう片方を味わいたくなって手が止まらない!完全に調教されちゃってる!)」
「(圧倒的な中毒性に抗えない!もうわたしたち!)」
「「((この人に手懐けられちゃう・・・・・・♡))」」
今回栄翔は発想や独創性に優れた料理を作ったわけではない。もともと存在する料理のレシピに少し隠し味やアレンジを加えただけだ。だが栄翔は自身の持つ圧倒的な技術で一つ一つの作業を完璧に、できる限り最高の味を引き出せるように調理している。そんな圧倒的な料理の腕を持つ栄翔の料理にシーラとベルタの2人は虜になってしまった。
「どうしようシーラ/// なんかショー君かっこよすぎて目合わせられない///」ボソボソ
「私もだよベルタ/// 圧倒的な料理の腕、料理の時だけじゃなくて普段から私たちのことを気にかけてくれたし、ここでの仕事も完璧にこなしてくれてるし、仕事が忙しくても夜中までいろんな試作をして自分の料理を高めるために挑戦をやめない姿勢、その時の真剣な表情、そして・・・」ボソボソ
「「料理の感想を言った時に見せてくれたあの笑顔///」」ボソボソ
いつも自分たちを気にかけてくれる優しい一面や裏に隠された挑戦をやめることなく高みを目指す男らしい一面。ベルタとシーラの2人は栄翔の料理を食べたことをきっかけに栄翔の魅力を再認識させられた。
「シーラ、私ショー君に言いたいことができた」ボソボソ
「私もだよベルタ。たぶん用件は同じだろうから一緒に言おう」ボソボソ
2人は互いの言いたいことは一致していると確信し栄翔の方を向く。
「「ショー君、いや、お兄様!!」」
「おう。・・・ん?お、お兄様・・・?」
「「私たちを妹にして一生可愛がって!!」」
「・・・・・・・・・は?」
2人の妹にしてほしいという発言に栄翔はついていくことができずに頭の中に?マークを並べる。
その混乱している栄翔に2人は先ほどの発言のわけを説明していく。
「今のトムヤムクンでショー様の料理の虜になっちゃったの!圧倒的で暴力的な辛さで攻められながらもしっかりと優しさが感じられてこれがたまらなくて/// ね、ベルタ!」
「うん!もちろんそれだけじゃないの!普段から私たちのわがままにも付き合ってくれるし仕事も完璧でそれに私たちのこと手伝ってくれるし、それに///」
「「毎晩遅くまで料理の試作してるときの姿がかっこよくて///」」
そう、栄翔は昼間は仕事で忙しく自分の料理の研究の時間を多くとれないため毎晩夜遅くまで厨房に残って試作していたりするのだ。それが終わると調理器具や食材の整理をして、隅々まできれいに清掃をする。そんな姿を2人はこっそり見ていたのだ。
「全員寝てると思ってたんだけど・・・起きてたのか。なんかちょっと恥ずかしいんだけど・・・」
努力する姿というのは他人に見せるものではないという意見もあるが、やはり栄翔も見られていたのは恥ずかしかったようだ。その姿を褒められたのも合わさり恥ずかしく感じ少し頬を赤らめる。
「「これからもずっとお兄様と一緒にいたいの!」」
栄翔は子供っぽい面を持つ知り合いがいて妹みたいだと感じることはあるが実際に妹がいるわけではない。その影響か妹という存在に少しあこがれを抱いていた。
「・・・その、なついてくれるのは嬉しいし2人みたいな妹分ができるのは俺も大歓迎だよ・・・でもまだ修行期間あるからまたしばらく会えないし、ここを出たらかまってあげられなくなっちゃうよ?」
そのため2人のお願いに栄翔も首を縦に振る。だが栄翔はまだ修行中の身で世界を回っているため、そうしないうちに2人を構ってやれなくなってしまう。
「「それはわかってる!」」
「でもこの先ずっと世界中を転々して日本に帰らないわけじゃないでしょ?」
「うん。高等部進学直前には日本に帰るつもりだよ」
「だからお兄様の修行が終わるまでは私たちも我慢する!ね、シーラ!」
「うん!また兄様が落ち着いたらその時はまた私たちに構ってね!」
「ははっ、わかったよ」
こうして栄翔に2人のかわいらしい妹分ができたのだった。
なんか後半書きながらなんなんだこれとか自分で思ってました笑
なんか自分の分の下手さや話の面白く無さに絶望してます
なのでもしかしたら書き直すかもしれません