私は、また異世界に来ていた。
色々な世界を旅してきたがクラスメイトに神がいることは今までなかった。手出しはできなかった。する必要もないけど。神である時点で戦えばどちらかが死ぬまで戦闘が続くのは確定事項だ。まぁ神に限らず強者同士の戦いであればね。その神は若葉姫色。いや人間としての名前だろうから実際どういう名前なのかは知らない。彼女が神であるということだけは分かった。それだけ。不気味さはクラス、いや学校1と言っても過言じゃない。そこが見えないし何を考えているかもわからない。ないないづくしだ。
ある時、うっそだろお前ってことが起きた。
教室がどこからともなく爆破された。私はファンタジー世界も行ったからね。何もない平和な世界だけど念のため核攻撃に耐えられる強度の防御魔法を自動発動するようにセットしておいたのが功を奏して無傷。若葉さんと私以外は跡形もなく消えた。そして彼女と対峙しているのが今。ある時って程でもなかったね。今さっきだったわ。
「どうして無傷かお聞きしても?」
「防御魔法が間に合った。以上。」
「・・・地球でもファンタジーできるんですね。」
「一般的に見れば自分がファンタジーな存在なくせに。」
「バレてましたか」
神であるとわかるまでに数年かかったけどね。
「そっちこそ私が何者かある程度把握してるんでしょ?」
こっちが相手を覗くことができるのだから相手からこちらを覗くこともできる。
「ええ、まあ。この地球を管理する神ですし。」
思ったよりも格の高い神だった件。
「少し場所を移しましょう。」
「どこへ?」
「私の家です。」
学校は今頃大騒ぎだろう。
なんせ一クラスまるっといなくなったのだから。私も彼女もそのうちの一人ではあるけど関係ない。姿を眩ませるだけだね。さて、若葉の部屋にきた。
「まずは自己紹介をしましょう。若葉姫色改めDという名前で邪神をやっています。どうぞよろしく。」
邪神かぁ・・・これはまためんどくさい。
「私はご存知の通り異世界出身の渡辺夜陰。冥界の神様と半分同化してるから半神半人ってところかな。」
「なるほど。そういうことでしたか。」
「私たちに危害を加えようものならば反撃するところだったけどあなたじゃないんでしょ?アレ。」
「ええ、ある世界の勇者と魔王が私を狙って放った攻撃でしょう。減衰しきれなかったのでああなりましたが。」
「他の人たちは?」
「攻撃してきた勇者と魔王の世界に転生させましたよ。死なないように色々特典もつけてあげました。」
「うわ優しい。でも、楽しむためでしょ?」
「わかりますか。いわばゲームのようなものです。ゲームって楽しいですよね。」
「すごくわかるわ〜。それでさあ、私もその世界に行ってみたいんだけどいいかな?」
「・・・メリットは何もないと思いますが。」
「座標だけ教えて。自力で行くから。」
そう。世界間での転移ができる。私が空間系の魔法に適性が高いおかげなんだよね。
「壊れかけの世界だとしても?」
「ああ、いいよ。むしろそっちの方が楽しそうだから」
「私は観客でいる方が好みですがあなたは実地に行く方が好みのようですね。いいでしょう。座標を教えてあげますがいくつかルールを設けさせていただきます。」
示されたルールがこちら。
・転生したクラスメイトとの接触は問題ないが地球に連れてくることはしないこと。
・好きにしてもいいが死んでも知らない。
・私を楽しませてくれ
という破格すぎる条件だった。理由を聞くと
『面白ければ面白いほど退屈しなくて済みますから。』
準備すること1週間。
魔法陣と必要な魔力も揃ったので転移した。
あっはっは。軽い?
そりゃ本来無詠唱で行ってるからね。世界を跨ぐとなると魔法陣みたいな補助ツールが必要になる。今回転移した際に使用したのは魔力最大量の半分。一度行ってしまえばそれ以降十分の一の量で行使できる。だからいつでも帰れる。チートだって?そりゃ私だって半分神様だからね。チートになってしまうのも仕方ないでしょ。
「とはいうものの何をしようか。」
若葉ちゃん改めDからの比護は何もない。というか断った。必要なほど弱いつもりはないし邪神だよ?何があるかわからないじゃん。とりあえず人がいる場所探してみよう。それで冒険者にでもなろう。
1週間が過ぎた。何もない。世界の座標をもらったもののその世界のどこに転移するのかは完全ランダムなのでハズレを引いてしまったようだ。乱数調整?意味をなさないよ。食料は異空間に一年分保存してるから問題ないけどお風呂入りたいなぁ。
さらに一ヶ月。
いくつか村を見つけたので道を聞きながら進むも未だ見えず。果てのないハイキングといっても過言ではない。道中襲ってくる魔物は適当に殺して異空間で保存。なんかクソでかい蜘蛛を見かけたこともあったけど問題は何もなかった。
さらにさらに数日後。
盗賊らしき集団に襲われている馬車を見つけた。
気配探知というパッシブスキルで当たりを探ると魔物の気配が一つあった。遠くから見てみると病的なまでに白い蜘蛛がいた。そういえばDちゃん面白いやつがいるっていってたけどこいつか?蜘蛛って言ってたし。じゃあ殺さないでおこう。Dちゃんの楽しみを奪ったら殺されるだろうし。というわけでスルー。そしてようやく街を見つけた。適当に今まで殺してきた魔物を換金して宿をとってから情報収集に動く。今のところ確認できた転生者はさっきの白い蜘蛛しか知らない。まぁあの蜘蛛もDちゃんが自分の代わりとして作ったやつだし転生者かどうかでいえば微妙なところだ。魔物だから意思疎通ができるかどうかなんだよね。できたら楽なんだけどどうやってやるかはまだ思いつかない。
色々調べ回って転生者らしき人たちは見つけた。
どうやらいい感じの身分の人たちが多い。国の王子だったり貴族のお嬢様だったり。
どうせ学校とかへ通うと思うから私もそこへ入学しようと思う。学校で一番偉い人脅せば入学できるでしょ。一族郎党皆殺しにされたくなかったら私の入学を認めろってね。我ながらひどいわー(笑)まだ時間はあるからゆっくりと考えよう。
そうしてゆっくりしてたらみんな成長して入学する時期になりました。脅迫も済ませて入学できたし、ついでに学費とかもただにしてもらった。私を恨むなよ。一番偉かった自分を恨むがいい。
それで入学し顔を合わせるとみんなびっくりしてたね。なんせ私がいるんだから。先生は以前私に接触してきたから驚いてなかったけどね。それにしても大島くんが性転換してたのは面白かった。なんだかんだ退屈な授業を過ごした。スキルの説明をされようが使い方を説明されようが私はシステム外の存在だから取ろうにも取れない。見様見真似で再現しつつどうにか乗り切っていた。
今日は水の魔法の練習らしい。
[へーちゃん。今日も補助お願いね。]
[ええ。いいですよ]
へーちゃん。元の名前はヘカテー。と言ってもへーちゃんは元となった神の性質と名前を持っている存在に過ぎない。ヘカテーという神は死や魔術(魔法)、女性を勝利に導く神様として知られている。その性質を持っているのだから半端ない。私の参謀だったり相棒だったり運命共同体だったり。私は空間系の魔法以外の魔法は上手くない。しかしへーちゃんがいればその限りじゃなくなる。そういうわけでこの世界の魔法の再現が可能になっている。
「あの的へ向けて水の球を撃ってください。絶対に人に向けないように。」
届く人、届かない人いるよ。そりゃまだまだ半人前だしね。私は本来の能力がバレない程度に魔法を行使した。ていうか、スキルアップスキルアップうるさいんだけど。口塞ぐよ?
おっとぉ・・・
魔物の反応が一つ。
ふむ、森の方か。
あっ。先生が生徒庇って吹っ飛ばされた。
「地竜よ!」
地面から出てきたから土竜か?土竜というには厳ついけど。
ユーゴーくんの小物っぷりには驚かされるね。ほら、返り討ちにあってるし。テールスイングくらいかわそうぜ。
「私が殺しちゃってもいいんだけどねぇ。」
シュレインが戦おうと動き出した。
スーちゃんや大島くんもそれに続く。善戦こそすれ有効打はない。
「はーいユーゴーくん君は邪魔だよ。おねんねしておきましょうねー」
めちゃくちゃに火魔法を放とうとしていたから気絶させる。
フェイが地竜に噛みつき、シュレインが首チョンパしてフィニッシュ。
まぁまぁって言ったところだね。
ぶっちゃけ言って私の脅威になりうるのは神様しかいない。
勇者だろうがなんだろうが人であるなら私を殺せない。今の魔王はちょっと危険ではあるけどね。
それでもまぁ私の勝率が9割になる程度だけどね。転移、空間置換、あとはオリジナルの攻撃魔法。この三つだけで勝てる。シンプルであるが故に強いってパターンだね。
「テメエなんのつもりだ。」
「私は最善手を打っただけだよ。君がやろうとしてたことは戦闘の邪魔になるからね」
「あれくらい俺だけで倒せた!どうして手を出した!」
「いやー君さぁ。・・・あ、やっぱやめよ。」
「なんだ。言いたいことがあるなら言え。」
「えー?ユーゴーくん絶対怒るから言いたくなーい。」
後日、目を覚ました夏目に呼び出されていた。内容は予想通り。ちなみに今、彼の部屋。
「いいから言え。」
「では一言。猿よりw頭w使えないんだねwww」
「てっめえ!」
「あはは!やっぱり怒ったー!」
わなわなと震えるユーゴー。
「ハッ。お前が飲んだお茶に入れた薬もそろそろ効いてくる頃だ。その後お前がどんなふうに喚くか楽しみだな。」
「ばあか。私をなんだとおもってる?」
「一般人よりそこそこ魔法の使えるやつだ。」
「ザンネーン。不正解!」
「何?」
「およ?私を鑑定したことはないのかね?」
「鑑定。なっ!?全て文字化けしている?」
私が鑑定されたとき表示は全て文字化けする。前述の通りシステムの外側の存在だしさらに言えば生まれた世界そのものが違うから仕方ない。
薬が入れられていたのは最初から匂いでわかってたし毒系統を分解する魔法も急遽作ったからね。作ったのはへーちゃんだけど。
「君の首筋にはいつでも私の刃があることをゆめゆめ忘れることのないようお願いいたします。」
「は?何を言って・・・」
デモンストレーション代わりに愛刀を異空間から取り出して首に当てる。
どう?見えなかったでしょ。うんうん。怖いよね。死にたくないもんね?でもいつでも私の気分で殺せるよ。死神って二つ名があったくらいだし。まぁすぐには殺さない。彼女たちとも話すことはあるし今は殺す時期にはない。
私のことを一言で表すならそうだね。Fate/Grand orderから借りようか。
これがピッタリ当てはまるでしょうね。
最後にfate要素出しましたがかっこいいから出しただけです。
正確には降臨者(フォーリナー)って感じみたいですけど明らかに領域外の生命(フォーリナー)の方がカッコいいなぁと思ったのでこうしました。領域外の生命ってフォーリナーのクラス別スキルですしあながち間違いではないかなと思ってます。
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