夜……家に戻った俺は、疲れた体を癒すために湯船に使っていた。
「(…黎斗の奴、ガシャットを完成させるって息巻いてたけども…何を作る気なんだ?)」
天羽奏と風鳴翼…この二人から戦闘データを取ってたみたいだけど、作れるやつは大体察する。
「はぁ~……嫌でも関わった以上は、免れねぇようなぁ…」
黎斗が仮面ライダーゲンムとして戦った……これは即ち、この世界にとって未知なる存在として現れたということになる。
あの二人……いや、二人だけではなく後ろにいる組織とこれから会うことになると言うこと。
しかし、それに対して一つ不安なことがある。
「(あっちは人を守る事を考えてるけど…
黎斗の考え方…それは人の考え方の範疇には収まらないようなものだ。
黎斗のやったことは犯罪以上の事だ……だが、反省するなんて事は黎斗はしない。
しかし、誰かを救う……その思いは確かにあった筈だ。
「………」
俺は物思いに耽りながら、湯船から上がる。体を吹いてリビングに戻ると、ゲーム機のような機械から黎斗が飛び出してきた。
「……出来たのか?」
『あぁ、明日マイティアクションXを世界同時発売する。そして私は、この世界で快挙を成し遂げ神へと至るのだぁ!』
成る程、あのゲーム面白いからな。発売すればきっとこの世界でも人気になるだろう。
……って、違う!
「俺が聞いてるのはガシャットの方!確かにそっちも気になってたけども!」
『問題はなぁい!何故なら、既に完成しているからなぁ!』
黎斗が見せてきたのは、色が白黒のガシャット…『プロトガシャット』と呼ばれるものだ。
ゲンムは、このプロトガシャットを使うことでスペック以上の戦いをすることが出来る。
まぁ、本人の実力もあるけど……
「……シャカリキスポーツとギリギリチャンバラのプロトガシャットか。
ギリギリチャンバラならまだ分かるけど…」
『シャカリキスポーツは以前からずっと作っていたが、ギリギリチャンバラは風鳴翼の戦闘データから作り出したからなぁ!』
自慢げに説明する黎斗。やはり、ガシャット作りやゲーム作りに関しては抜かりないなと思った。
「……まぁ、別に良いけどさ…」
俺は、二つのプロトガシャットを受けとるとそのまま床に付いた。
『ヴェハハハハハハハハ!』
「うるせぇ!さっさと寝ろ!」
その次の日、マイティアクションXは爆発的な大ヒットを起こして殆どのゲーム会社の売上を軽々と越えてしまったのは、また別の話。
ある町にノイズがいるのだが、何処か様子がおかしかった。
その次の瞬間、ノイズに変化が起こる。なんと、オレンジ色の粒子が纏わりついて姿がみるみる変わっていく。
「………」
ノイズ改め、『バグスターノイズ』として生まれ変わったその姿はマイティアクションXのボスキャラである、ソルティー伯爵の姿にそっくりだった。
バグスターノイズは、黙ったまま立っていたが…おもむろに歩きだして、姿を消した。