理不尽な世界に反逆を   作:スズきょろ

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実質、初投稿…


第3話 騒がしすぎる学園生活

 入学初日。

 

 ホームルームが終わり、教室内が休み時間特有のざわめきに包まれ始めた頃。

 

 俺は教科書とノートを机の上に並べ、次の授業の準備をしていた。

 

 すると、不意に隣から声をかけられた。

 

「なあ、ちょっといいか?」

 

「ん?」

 

 顔を上げると、そこにいたのは黒髪の男子生徒――織斑一夏だった。

 

 このIS学園で、俺と同じく男子生徒として入学した、もう一人の人間である。

 

「えっと、まだちゃんと自己紹介してなかったよな。俺は織斑一夏。よろしく!」

 

 そう言って、一夏は気さくに笑いながら手を差し出してきた。

 

 俺もその手を握り返す。

 

「士道優紀だ。よろしく、一夏」

 

「優紀か。じゃあ、俺のことも一夏って呼んでくれよ」

 

「分かった。俺も優紀でいい」

 

「おう!」

 

 互いに名前を呼び合っただけだが、少しだけ距離が縮まった気がした。

 

 それにしても、こうして改めて見ると不思議な光景だ。

 

 周囲を見渡せば、教室にいる生徒のほとんどが女子。

 

 その中に男子が二人だけというのは、やはり普通ではない。

 

「しかし、まさか男子が二人しかいないとはな……」

 

「本当だよな。俺も入学するまでは、こんなことになるなんて思ってなかったよ」

 

「俺もだ。まあ、せっかく入学したんだ。お互い頑張ろうぜ」

 

「そうだな。分からないことも多いけど、よろしく頼むよ」

 

「こっちこそ」

 

 俺たちは軽く笑い合った。

 

 これから始まる学園生活。

 

 面倒なことも多そうだが、少なくとも話のできる相手がいるのはありがたい。

 

 ……まあ、この時点では、これからどれだけ騒がしい日々が待っているのか、俺はまだ知らなかった。

 

 * * *

 

 やがて予鈴が鳴り、生徒たちが席へと戻っていく。

 

 教壇に立ったのは、柔らかな笑みを浮かべた小柄な女性教師だった。

 

「皆さん、席に着いてくださいねー。それでは、ISの基礎について授業を始めますよー」

 

 山田真耶先生。

 

 このクラスの副担任であり、ISの基礎教育を担当する教師だ。

 

 山田先生は教科書を開き、ISの基本的な操作方法や、操縦者の認証、機体の起動に関する説明を始めた。

 

 俺はノートを開き、先生の説明を聞きながら要点を書き留めていく。

 

 ISの基礎知識については、入学前からある程度勉強していた。

 

 仕事の関係で触れる機会があったこともあり、完全な初学者というわけではない。

 

 もちろん、知識があることと、実際にISを自在に動かせることは別問題だ。

 

 座学で理解できても、実際の操縦では思いどおりにいかないこともあるだろう。

 

 だからこそ、基礎をおろそかにするつもりはなかった。

 

「ISは、操縦者の生体情報などをもとに認証を行い、使用者に合わせて機体を制御します。機体の性能を十分に引き出すためには、機体そのものへの理解も大切なんですよー」

 

 先生の説明に合わせて、俺はノートに補足を書き込む。

 

 その一方で、隣の一夏はというと……。

 

「…………」

 

 教科書と黒板を交互に見つめ、完全に頭を抱えていた。

 

 どうやら、かなり苦戦しているらしい。

 

 まあ、無理もない。

 

 ISを動かせることと、ISについて詳しく知っていることはイコールではないのだから。

 

 しばらくして、山田先生がこちらを見た。

 

「士道君、ここまでの説明で分からないところはありませんか?」

 

「はい。今のところは大丈夫です。もし疑問点が出てきたら、後で質問させてください」

 

「分かりました。予習をしてきたんですね。とてもいいことですよー」

 

「ありがとうございます」

 

 先生は嬉しそうに頷き、今度は一夏の方へ視線を向けた。

 

「織斑君はどうですか? 少し難しかったでしょうか?」

 

「えっと……正直、ほとんど分かりません!」

 

 ……おい。

 

 もう少し取り繕う努力をしろ。

 

 教室のあちこちから、困惑したような声が上がった。

 

「えっ、あれだけ説明してもらったのに?」

 

「本当に大丈夫なのかしら……」

 

「でも、ISを動かせるんだよね?」

 

 女子たちの視線が一斉に一夏へ集まる。

 

 一夏は居心地が悪そうに頭をかいた。

 

「いや、その……ISを動かせるのと、勉強ができるのは別っていうか……」

 

「まあ、そういうこともありますよねー」

 

 山田先生は苦笑しながら、もう一度教科書の該当箇所を説明してくれた。

 

 その間も、一夏は必死にノートを取っていた。

 

 ……うん。

 

 少なくとも、やる気はあるようだ。

 

 なら、あとは本人の努力次第だろう。

 

 * * *

 

 授業が終わり、休み時間。

 

 俺がノートを整理していると、一夏が机を寄せてきた。

 

「なあ、優紀。さっきの授業なんだけどさ……」

 

「分からなかったんだろ?」

 

「うっ……。そ、そのとおりです」

 

「正直でよろしい」

 

「いや、そこは少しぐらい慰めてくれてもいいだろ!」

 

「慰めて理解できるようになるなら、いくらでも慰めるぞ」

 

「ひどい!」

 

 大げさに肩を落とす一夏に、思わず笑ってしまった。

 

「まあ、冗談はさておき。どこが分からなかったんだ?」

 

「えっと……最初から最後まで?」

 

「よし、まず教科書を開け」

 

「はい……」

 

 俺は一夏の教科書を指さしながら、授業で扱った範囲を確認させた。

 

「いいか。一度に全部覚えようとするな。まずはISがどうやって操縦者を認証するのか、そこから理解していけばいい」

 

「なるほど……」

 

「それと、俺が全部説明して終わり、っていうのも駄目だからな。自分で教科書を読んで、分からないところを整理する。そのうえで質問しろ」

 

「えー……」

 

「えー、じゃない」

 

「分かったよ。ちゃんと勉強します……」

 

 不満そうではあるものの、一夏は教科書に目を落とした。

 

 俺だって、最初から何でも知っていたわけではない。

 

 調べて、覚えて、分からないところを一つずつ潰してきた。

 

 だからこそ、最初から誰かに頼りきりになるのは勧められない。

 

 もちろん、分からないことを質問するのは悪くない。

 

 ただし、自分で理解しようとする努力は必要だ。

 

 そんなことを考えていると、一夏の背後から声がかかった。

 

「一夏。少しいいか?」

 

 振り向くと、長い黒髪をポニーテールにした少女が立っていた。

 

 篠ノ之箒。

 

 どこか凛とした雰囲気をまとった少女で、先ほどから一夏の様子を気にしていたらしい。

 

「箒? どうしたんだ?」

 

「どうしたもこうしたもない。先ほどの授業だ。お前、まったく理解できていなかっただろう」

 

「うっ……」

 

「まったく。ISを動かせるからといって、勉強をおろそかにしていい理由にはならんぞ」

 

 正論である。

 

 一夏も反論できないのか、気まずそうに頬をかいた。

 

「いや、俺だってちゃんと覚えようとは思ってるんだぞ?」

 

「なら、なおさら努力しろ」

 

 箒の言葉は厳しいが、心配しているのだろう。

 

 少なくとも、俺にはそう見えた。

 

「まあまあ。最初から全部理解できる奴ばかりじゃないだろ」

 

 俺が口を挟むと、箒はこちらを向いた。

 

「……君は?」

 

「ああ、悪い。自己紹介がまだだったな」

 

 俺は席から立ち上がり、姿勢を正した。

 

「士道優紀だ。よろしく、篠ノ之」

 

「私は篠ノ之箒だ。よろしく頼む」

 

 箒は一度頷いた。

 

「それで、士道。先ほどの授業は理解できていたのか?」

 

「一通りはな。入学前に少し勉強していたから、基本的なところは分かる」

 

「そうか。なら、一夏に教えてやればいいのではないか?」

 

「質問に答えるくらいなら構わないさ。ただ、最初から最後まで俺が教えてしまったら、一夏自身のためにならないだろ」

 

「……それは、そうだな」

 

 箒は納得したように頷いた。

 

「一夏。聞いたか? まずは自分で勉強しろ」

 

「はいはい、分かってるって」

 

「返事は一度でいい!」

 

「はいっ!」

 

 ……うん。

 

 この二人、なかなか騒がしい。

 

 ただ、付き合いは長いようだし、箒も一夏のことを放っておけないのだろう。

 

 俺は苦笑しながら、再び席に座った。

 

 * * *

 

「失礼いたしますわ。少々、よろしいかしら?」

 

 その声が教室に響いた瞬間、周囲の空気が変わった。

 

 優雅な足取りでこちらへ歩いてきたのは、金色の髪を縦に巻いた少女だった。

 

 整った顔立ちに、自信に満ちた表情。

 

 その姿を見た女子たちが、小さくざわめく。

 

「セシリアさんだ……」

 

「イギリスの代表候補生よね?」

 

 セシリア・オルコット。

 

 イギリス代表候補生として知られる少女だ。

 

 俺も入学前に彼女について調べたことがある。

 

 代表候補生という立場は、単に国から選ばれたというだけではない。相応の実力を認められ、厳しい訓練や努力を積み重ねてきた者に与えられるものだ。

 

 もっとも、肩書きだけで実力のすべてが決まるわけではないが。

 

 セシリアはまず一夏と箒に視線を向けた。

 

「織斑さん、篠ノ之さん。少しお話ししたいことがあるのですが……」

 

 そこで、俺の存在に気づいたらしい。

 

「あら? こちらの方は?」

 

「ああ、俺の友達だよ」

 

 一夏が答えるより先に、俺は立ち上がった。

 

「士道優紀だ。よろしく、セシリアさん」

 

「ご丁寧にありがとうございます。わたくしはセシリア・オルコットですわ。こちらこそ、よろしくお願いいたします」

 

 セシリアは少し意外そうに目を瞬かせたあと、上品に微笑んだ。

 

「まあ。随分と礼儀正しい方ですのね。織斑さんとは大違いですわ」

 

「おい、俺だって挨拶くらいするぞ!」

 

「先ほどの授業で、先生に『ほとんど分かりません』と堂々とおっしゃっていた方が何を言っているのかしら?」

 

「ぐっ……!」

 

「一夏、そこは言い返せないだろ」

 

「優紀まで!」

 

 箒が小さくため息をつく。

 

「一夏。日頃から少しは勉強しておけばよかったものを」

 

「分かった、分かったって……!」

 

 セシリアは俺たちのやり取りを見て、くすりと笑った。

 

「ふふっ。仲がよろしいのですね」

 

「まあ、ついさっき友達になったばかりだけどな」

 

「えっ、そうなんですの?」

 

「そうそう。自己紹介したばかりなんだ」

 

「それなのに、随分と息が合っていますわね」

 

「こいつが分かりやすいからな」

 

「どういう意味だよ!」

 

 一夏の抗議を聞き流しながら、俺はセシリアへ向き直った。

 

「それで、セシリアさん。俺たちに何か用か?」

 

「ええ。先ほどの授業について、少し気になりまして」

 

 セシリアの視線が一夏へ向く。

 

「織斑さんは、ISについてあまり詳しくないご様子でしたわね」

 

「うっ……。まあ、そうなんだけど」

 

「ISを動かせるというだけでは、十分とは言えませんわ。操縦者としての知識も身につけていただかないと」

 

「それは俺も分かってるよ。だから勉強しようとしてるんだ」

 

 一夏の声には、先ほどまでの軽さとは違う真剣さが混じっていた。

 

 セシリアは少しだけ目を細めた。

 

「……そうですか。それなら、結構ですわ」

 

 その後、彼女は俺へ視線を戻した。

 

「ところで士道さん。先ほど、わたくしのことをご存じのようでしたが?」

 

「イギリスの代表候補生だろ? 入学前に少し調べたんだ」

 

「まあ。わたくしについて調べてくださったのですね」

 

「代表候補生について知っておくのは、悪いことじゃないからな」

 

「ふふっ。確かにそうですわね」

 

 セシリアは満足そうに頷いた。

 

「では、士道さんは代表候補生という立場について、どのようにお考えですの?」

 

 試すような問いかけだった。

 

 俺は少し考えてから答えた。

 

「代表候補生に選ばれるのは、簡単なことじゃないと思う。実力を認められるまでに、相応の努力をしてきたはずだ。だから、その努力は素直に尊敬するよ」

 

 セシリアの表情がわずかに変わった。

 

「……そうですの」

 

「ただ、肩書きだけで全部が決まるわけじゃないとも思う。実際に何ができるのか、どう行動するのか。結局は、そこが大事なんじゃないか?」

 

 代表候補生という肩書きは、確かな実績と努力の証だ。

 

 しかし、それを理由に相手を見下したり、逆に肩書きだけで相手を判断したりするのは違うだろう。

 

 人を見るなら、その人自身を見なければならない。

 

 セシリアはしばらく俺を見つめていたが、やがて柔らかく微笑んだ。

 

「……なるほど。士道さんのお考え、よく分かりましたわ」

 

「そうか?」

 

「ええ。わたくしの立場だけでなく、そこに至るまでの努力を評価してくださったこと。そして、肩書きだけでは判断しないというお考え。わたくしは、とても好ましく思いますわ」

 

「それならよかった」

 

「もしよろしければ、今度ISについてお話ししませんこと? 士道さんとは、もう少しじっくりお話ししてみたいですわ」

 

「俺でよければ、もちろん」

 

「ありがとうございます。楽しみにしておりますわ」

 

 セシリアは満足げに微笑むと、自分の席へと戻っていった。

 

 その背中を見送ったところで、一夏が俺の肩を軽く叩いた。

 

「……なあ、優紀」

 

「なんだ?」

 

「お前、セシリアと普通に話せるんだな」

 

「普通に挨拶して、質問に答えただけだろ」

 

「いや、なんかこう……すごく気に入られてなかったか?」

 

「考えすぎだ」

 

「そうかなぁ……」

 

 箒が呆れたように口を開いた。

 

「一夏。お前も少しは士道を見習ったらどうだ?」

 

「俺、そんなに駄目か!?」

 

「少なくとも、勉強についてはな」

 

「ぐあっ!」

 

 またしても一夏が撃沈した。

 

 ……本当に、騒がしい奴だ。

 

 とはいえ、こうして誰かと冗談を言い合うのは、思っていたよりも悪くない。

 

 そんなことを考えていると、授業開始のチャイムが鳴った。

 

「ほら、一夏。席に戻れ」

 

「分かってるよ!」

 

「次はちゃんと授業を聞くんだぞ」

 

「努力します……」

 

「そこは『頑張る』って言えよ」

 

 俺たちは笑いながら、それぞれの席へ戻った。

 

 * * *

 

 昼休み。

 

 午前中の授業を終えた俺は、一夏と一緒に昼食を取ることにした。

 

 食堂へ向かう途中も、一夏は今日の授業についてあれこれと話していた。

 

「いやー、ISって思ってた以上に覚えることが多いんだな」

 

「そりゃあな。あれだけの性能を持った機械なんだから、仕組みも操作も簡単ってわけにはいかないだろ」

 

「優紀は本当に詳しいよな。入学前から勉強してたって言ってたけど、そんなにISが好きなのか?」

 

「興味はあるよ。知れば知るほど奥が深いし、仕組みを理解するのも面白い」

 

「へえー……。俺なんか、動かせるって分かったときは驚くばっかりだったよ」

 

「まあ、最初はそんなもんだろ」

 

 実際、俺だって何もかも理解しているわけではない。

 

 知識を得れば得るほど、知らないことが増えていく。

 

 それが面白くもあり、厄介でもあるのだ。

 

「そういえば、一夏」

 

「ん?」

 

「さっき、箒とはずいぶん親しそうだったな」

 

「ああ、箒とは昔からの知り合いなんだ。小さい頃に一緒に過ごしてた時期があってさ」

 

「なるほどな。道理で遠慮がないわけだ」

 

「遠慮がないっていうか、あいつは昔からあんな感じだよ」

 

「そうか。まあ、心配してくれる相手がいるのはいいことだと思うぞ」

 

「……そうだな」

 

 一夏は少し照れたように笑った。

 

 その顔を見て、俺も小さく笑う。

 

 こういう何気ない会話も、学園生活の醍醐味なのかもしれない。

 

 ……まあ、問題があるとすれば。

 

「ところで優紀、午後の授業も難しかったら助けてくれよ!」

 

「まず自分で勉強しろ」

 

「ですよねー!」

 

 やっぱり、こいつはこいつである。

 

 * * *

 

 午後の授業も、決して楽ではなかった。

 

 ISの構造、操縦者の認証、機体の制御に関する基礎知識。

 

 座学だけでも覚えることは山ほどある。

 

 一夏は相変わらず苦戦していたが、午前中よりは少しだけ理解が進んでいるようだった。

 

 分からない箇所に印をつけ、授業のあとで教科書を読み返している。

 

 少なくとも、本人なりに努力はしているらしい。

 

 俺が声をかけると、一夏は少し得意げにノートを見せてきた。

 

「どうだ、優紀。午前中よりはマシになっただろ?」

 

「そうだな。ちゃんと自分で整理してるじゃないか」

 

「だろ? 俺だってやればできるんだよ!」

 

「そこで調子に乗らなければ、もっと褒められるんだけどな」

 

「ひどい!」

 

 そんなやり取りをしながら、俺たちは放課後を迎えた。

 

 * * *

 

 帰り支度を整えながら、俺は今日一日のことを振り返っていた。

 

 一夏と友達になった。

 

 箒とも知り合いになった。

 

 そして、セシリア・オルコットとも話をすることができた。

 

 入学初日としては、かなり濃い一日だったと思う。

 

 これから先、座学だけでなく実技の授業も始まる。

 

 IS学園での生活が本格化すれば、今よりも忙しくなるだろう。

 

 それに、この学園には一癖も二癖もありそうな人間が多い。

 

 今日の様子を見る限り、退屈することだけはなさそうだ。

 

「優紀、帰ろうぜ!」

 

 教室の入口から、一夏が手を振っている。

 

「ああ、今行く」

 

 俺は鞄を持ち上げ、彼のもとへ向かった。

 

 理不尽なことも、面倒なことも、きっとこれからいくらでも起こる。

 

 それでも、今はまだ始まったばかりだ。

 

 せっかく手に入れた新しい生活なのだから、まずは目の前のことを一つずつこなしていこう。

 

 ……まあ。

 

 できれば、平穏な日々であってほしいものだが。

 

 そんな願いが叶うほど、このIS学園は甘くない。

 

 このときの俺は、まだそれを知らなかった。

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