これは番外編みたいなもんだからいいんだよ!
江ノ島デート 前編
「ねぇカズ君!海チョベリグね!」
「あぁ綺麗だな。ちょうど半年前を思い出すよ。」
付き合い始めて半年たった俺たちは今一泊二日で江ノ島周辺にデートに来ている。
なぜ突然江ノ島かって?恒例の福引きが当たっただけだ。なぜか今回は温泉旅行ではなく江ノ島旅行になっており、それを俺が引き当てたというわけだ。
しかもたまたま引き当てた時期とマルゼンと付き合い始めて半年記念日が近かったため、記念旅行という形で遊びに来た。
学園側にはお互い別室にするのなら構わないと許可をもらっている。まぁ二人共同室で予約したのだが...どうせバレないので問題ない。
「にしてもこの七里ヶ浜って場所はあの海に似てるな。」
「あの海ってカズ君が私に告白してくれたところ?」
「そうそう、その海。」
思い出にふけりしばしの沈黙が流れる。
するとマルゼンスキーがその沈黙を破った。
「ねぇカズ君。私、君と海に来たときやってみたかったことあるんだけど良いかな?」
「その内容によるがな。」
少しいたずらっぽい笑みで返す。
「ちょっとその砂浜に体育座りで座ってほしいの。」
何だそれだけか、と思い言われたとおり砂浜に座る。
すると突然マルゼンスキーが後ろから抱きついてきた。
「うおっ!」
と驚きの声を上げる。抱きつかれることに驚いたというよりは予想外過ぎて驚いた感じだ。
「一度やってみたかったのよ!砂浜に座る男の子にあすなろ抱き!」
「それやるならポジションが逆じゃない?」
軽いツッコミを入れ立ち上がる。
「まぁでも付き合ってくれてありがと!」
その後俺たちは電車に乗り江ノ島に向かった。
「ねぇカズ君。私お腹ペコペコなんだけどそろそろお昼にしない?」
「そうだな。江ノ島駅から江ノ島までは少し距離があるらしいから歩きながらお店を探すか。」
江ノ島駅から出た俺達はお昼ごはんを食べられそうなお店を探し歩く。
二分ほど歩いたときマルゼンスキーが声を上げた。
「ねぇねぇカズ君。この釜揚げしらす丼って美味しそうじゃない?」
「マルゼンが食べたいお店なら俺はどこでも大丈夫だよ。」
ということで俺たちはその店に入った。
「私は釜揚げしらす丼!」
「じゃあ自分も同じもので。あと唐揚げ一つ。」
店主にオーダーを告げ料理が来るのを待つ。
「それでねこの前スペちゃんが...」
マルゼンと話しをしていると早速料理が運ばれてきた。
「おぉ。」
思わず声が出てしまった。すごくきれいだ。美味しそうなのはもちろんなのだがきれいに白く茹で上がったしらすが大量にご飯に乗っている。
「写真撮ってインスタにあげようかな。」
「いんすた?何それ。」
どうやらマルゼンはインスタを知らないようだ。想像はついてたが...
「ナウなヤングが写真を投稿するアプリだよ。いわゆるSNSってやつだ。」
マルゼン風に説明してみる。
「SNSかぁ。私電話とメールだけで精一杯だからSNSは少し難しすぎるかな。」
少ししょんぼりするマルゼンをフォローし割り箸を割る。
「「いただきます」」
二人で声を合わせ食べ始める。
「何だこれクッソうめぇ。」
想像以上に美味しかった。どんどん箸が進む。
マルゼンも同じ感想を持ったようで黙々と食べすすめる。
半分ほど食べたところで唐揚げも到着した。四個入りなので二個はマルゼンにあげる。
モチのロンで唐揚げも絶品ですぐに食べ終わってしまった。
「ごちそう様でした。いやぁ美味しかったな。」
「そうねぇ。こんなに美味しい料理は半年前のイタ飯以来かも!」
会計を済ませ感想を話し合いながら店を出る。
そしてとうとう江ノ島弁天橋の目の前についた。
「ねぇカズ君。ここで二人で写メ撮っていかない?」
橋の入口の看板を指差しながらマルゼンが言う。
「そうだな。誰かにお願いして写真撮ってもらうか」
「使い捨てカメラ持ってる人いるかしら...?」
「そんな物持ってる人いないだろ」
笑いながら彼女の独り言を否定する。
「すいません。ちょっと写真撮ってもらえませんか?」
道を通りかかったカップルにスマホを渡し、写真をお願いする。
「撮りますねー。はいチーズ!」
俺は無難にピースをしマルゼンは俺と腕を組んだ。
「すいません。ありがとうございます。」
写真を撮ってくれたカップルにお礼をし、写真を確認する。
「やっぱマルゼンは可愛いな」
人前で言ってやる。
「ちょっといきなりやめてよ...」
案の定赤面する彼女の手を引き江ノ島弁天橋を渡った。
「すげーな。道は狭いのに人と建物はびっしりだ。」
「ナウなヤングだけじゃなくてお年寄りの方も結構多いのね。」
江ノ島に到着した俺達は初めて江ノ島に来た田舎民みたいな感想が漏らしてしまった。まぁ江ノ島に来たのが初めてなのは事実なんだけど。
「ねぇカズ君。ここかなり人が多いじゃない?はぐれたら嫌だから手繋がない?」
人前だと恥ずかしがるマルゼンスキーが自分からこういう事を言うなんて...好き(迫真)
「分かった。はい」
恋人繋ぎの形で手を差し出す。
マルゼンは少し恥ずかしそうな感じで俺の手を握り返す。
それから俺たちは一緒に歩きだした。
「なぁマルゼン。あのソフトクリーム面白そうじゃないか?」
「どれどれ...ってしらすソフトクリーム!?」
それは流石に...という感じ反応を取るマルゼンも可愛い。
「それにしても江ノ島の中にも結構飯屋はあるんだな。」
「どれも美味しそうね。」
そしてどんどん江ノ島の一本道を上がって行き今日宿泊予定の旅館の横を通りかかった。
「ここが今日泊まる旅館だな。チェックインは4時半だからあと2時間くらいか。」
するとマルゼンの目が輝いた。
「え?ここがその旅館なの?すごくチョベリグじゃない!ナウでヤングな新人類も旧人類もみんな好きよねこういう所!」
二人で旅館に対する期待を話しながらとうとう道の上の方にある神社についた。
「調べた感じここからまた左上の方に進んでいくとすごく見晴らしのいい展望台があるらしいから行ってみようか。」
「ねぇその前にここの神社お参りしていかない?ここの神社って恋愛成就のご利益があるそうなの。」
「でも俺たち既に成就してるじゃん。」
「でもいいじゃない。恋人同士で来たらまた違う効果があるかもしれないし!」
そうしてマルゼンの押しに負け参拝してから行くことにした。
そして展望台の方へ行こうとしたがここで問題が発生した。
展望台に行くには少し長い階段を使う必要があるのだがマルゼンがレース!と言って走り出してしまったのだ。彼女に地図は渡しているので迷うことはないだろうがウマ娘を追いかけるのはなかなかに応える。ましてや上りの階段を駆け上がるなど常人にはかなり厳しいものだった。
「ようやく...ついた...マルゼン...急に...走らないで...」
「あぁメンゴメンゴ!でも見てカズ君この景色!すっごく綺麗よ!」
そう言われ見てみた景色は疲れを忘れさせるほどに綺麗なものだった。
「おぉ。これは凄いな。」
もうそんな感想しか出てこなくなった。
江ノ島の港から先程までいた七里ガ浜まですべてを見渡せる絶景スポット。砂浜から見る景色もきれいだがこうやって上から見晴らすのもかなりのものだ。かなり疲れたが来て正しかったと思う。
もう少し長居したかったが他の観光客に迷惑を掛ける訳には行かないので景色を目に焼き付け立ち去った。
現在時刻は3時半。あと一時間ほどあったので俺たちは江の島展望灯台に行った。クリスマスシーズンになるとイルミネーションが映えるらしい。その後船に乗って島の入口まで戻った。船に揺られながら見る景色も絶景で、きれいに晴れ渡っていたこともあり富士山も見えた。そうして初日の江ノ島観光は終わり俺たちは旅館に入った。
今後の俺達の関係を揺るがす事件が起きようとしていたとも知らずに
後編へ続く〜
青ブタのアニメ二期まだですか?
つー訳で今回からタイトル詐欺のカップル編です。各1,2話の各話完結方式で書き続けていきます。
というか本当に書きたかったのはこっちなんだけどね笑
多分告白編より余裕で長くなります。あと告白編より糖分多めでシリアス展開も一回くらい書きたいと思ってます。