化物らしく、人間らしく   作:照坊主

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いきなり急展開です

改変してみました、しかしながらやはり会話主体
まぁ、会話だけでどこまでできるかって目的で書いております

あと、中二病っていいよね


チュートリアルみたいなもの

始まりは何処だったろうか?

 

自らの才能に絶望したときか?それとも、優秀な姉を持ったときか?

憧れが醜く見えたときか?夢が理想へと変わったときか?

 

・・・なんのことはない、所詮は死ぬまでの暇つぶし・・・

 

                    ケ・セラ・セラ(なるようになる)

 

 

 

「ってなことを考えていた時期があったんだよ」

 

満月の月夜の下、安酒飲んで愚痴る男と愚痴を聞く男が一人

 

「そりゃ若いときに賢い連中がかかる病気みたいなもんだよ、旦那」

 

昔考えていた黒歴史的なことを屋台のおっさんに愚痴る俺、それを真面目に聞いてくれる屋台のおっさん、通称『大将』

 

「大体なんだよ『始まりは~』って・・・んなもん生まれた時からに決まってんだろーが」

 

「まぁ、生まれたからにゃ生きなきゃ仕方ありませんがねぇ」

 

「だよな~・・・なぁ~にが『死ぬまでの暇つぶし(キリッ』っだぁ~・・・あほか!!」

 

「まぁ、この前来た若い役人さんも『男として生まれた意味はなんだろうか』なんて意味深な顔して言ってましたがねぇ」

 

「やぁ~まぁ~こっぱずかし~ねぇ・・・大将はなんかあるかい?生きる意味(笑)ってやつ」

 

「あ~・・・屋台引いて旦那のような人の愚痴聞くことじゃねぇですかい?俺にゃあそんぐらいしかできませんよ」

 

「なるほどなるほど、そりゃいい、どんどん聞いてくれ」

 

「と言っても、旦那はそろそろお帰りでしょう?」

 

「お?」

 

「金が無くちゃ酒は呑めんし、飯は食えんでしょう?」

 

そういい大将は卓の上にある空の革袋を指差す

 

なるほど、確かにもう使い切ったようだ

 

「その通りだな・・・ってなことでお暇させてもらうかね」

 

「はい、また来て下さいよ」

 

屋台の席を立ち元来た道をぶらつく

 

ここはいいところだ、夜でもにぎやかだ、こんなろくでなしでも酒がうまく呑める

 

「本当にいいところなんだがなぁ・・・」

 

いいところだが、治めてる人間が問題だ

 

「・・・子孝か?」

 

後ろから声がかけられる、懐かしい声だ

 

「なぜ・・・お前がここに・・・」

 

「久しいねぇ妙才、美人になっちゃってまぁ」

 

まぁ、もともと美人か、美人が附子になるってのは聞いたことがない、逆なら聞いたことがあるが

 

「お前はあの日に、姉者に斬られたはず・・・!」

 

ああ、そんなこともあったなぁ・・・痛かったなぁ・・・あれは

 

「まぁ落ち着けって、妙才」

 

「・・・っ!」

 

何処からか弓を取り出して、こちらへと向ける・・・ああ??

 

「何のつもりだよ、妙才」

 

てかどっから出した、ドラ○もんかお前は

 

「華琳様に知られる前に・・・この場で!!」

 

矢を放つ妙才・・・寸分たがわず額に突き刺さり、俺の体は矢の反動により後ろへと倒れる

 

「え・・・あ・・・やった・・・のか・・・」

 

あっけなくやられた俺に、安堵した声を出す妙才

 

しかしながら、全くもって惜しい

 

「だからお前らは俺を殺しきれんのだ」

 

「やったか!」はフラグだ、大抵やってない

 

「なん・・・だと・・・」

 

矢を額に刺したまま起き上がり、見せつける様に引き抜く

 

ズプリと音を立て血が顔を流れる

 

「一回死亡だ」

 

「・・・え・・・あ・・・・!」

 

引き抜くと同時に傷は癒える、血は皮膚より吸収され乾いた跡すらない

 

「さて、あと何回殺してくれるんだ?妙さ」

 

「何度でもだ!」

 

後ろから斬られる、この声も懐かしい、ってかめっちゃ痛い

 

後ろを振り向き真正面から顔を見る、月明かりで照らされているその顔は

 

「おお・・・元譲か!久しいな!!」

 

相変わらずのデコっぱちだ、それにしてもデコ広くなってねぇか?

 

「生きていたか!子孝!!!」

 

親の敵を見る目で睨みつけてくる

 

ってか台詞だけ聞けば喜びの言葉じゃないのか?これ

 

「おおとも、あの程度じゃ俺を殺しきれんよ!」

 

懐かしいな、後はここにあの優れた姉がいれば

 

「・・・ああ、本当にあの時の焼き回しだ」

 

燃える俺に苦しそうな元譲、理解したくないと言わんばかりの妙才の顔に、相変わらず俺に対して無表情な姉・・・

 

そういや、いつも一緒だと思ったが・・・今日は違うみてぇだな

 

「?何を言っているかは知らんがお前は死ね!!」

 

今度は真正面から袈裟に斬られる

 

「おお・・・さらに鋭くなったな、元譲」

 

だが瞬時に治る、それが俺の才能、生まれ持って備わった能力、化物たる条件

 

「相変わらずなのね、あなたは・・・」

 

また後ろから懐かしい声、本当に懐かしい

懐かしすぎて反吐が出てきそうだ

 

「「華琳様!!」」

 

「まったく、息抜きにと出てみれば・・・鬼に会ったようね?二人とも」

 

正解だ、俺は血を吸う鬼だ

 

「お下がりください!この者は私が斬り捨てますので・・・秋蘭!!」

 

「ああ、わかった姉者・・・華琳様、こちらへ」

 

おいおい、本当にあの時と同じか、しかも全員ともあの時と同じ顔だ

 

「全く・・・なにもかもが・・・皆懐かしい」

 

宇宙的な戦艦の艦長も同じことを言ってたな、これ

 

「ええ・・・まったくね」

 

おう、乗ってくるのかよ、姉上、そりゃいいや、楽しくなりそうだ

演劇は好きな方だぜ?

 

「華琳様!!」

 

「手出し無用よ」

 

「しかし!!」

 

「二度は言わないわよ、秋蘭」

 

「・・・華琳様」

 

おお、珍しい、妙才がへこんでやがる

 

「そういやあの時もこうして殺された」

 

「ええ、私が春蘭に命じて斬らせたわ、そのあと火を着けた上で川に投げ捨てたはずだけど?」

 

本当にな、普通あそこまでやらないぜ?普通はな

俺が化物なら、あんたも立派な化物だよ

 

「ああ、その度に死んで、その度に蘇った」

 

「・・・あなたは・・・蓬莱の妙薬でも得たのかしら?」

 

「いや、他の命を使い潰しているだけさ、永遠には興味はない」

 

「・・・妙薬の正体を知っているのね?」

 

前世の某シューティングゲームの知識なら

 

ってか蓬莱ってこの時代から知られてるのな

 

「・・・知っているっちゃ知っている」

 

間違えてはいない、ってか答える気はない、聞く気もないだろうしな

 

「そう・・・まぁ、いいわ」

 

「はなっから興味ないなら聞くなよ、悪い癖だ」

 

「興味を持たせないように話さないで、悪い癖よ」

 

「「・・・・・・・くくっ」」

 

「クカカカカカカカカカカ!!!!」

 

「アハハハハハハハハハハ!!!!」

 

互いに笑う、懐かしいやり取り、もうやらないと思っていた

昔はからこんなやりとりばかりだ、なんだろうか、酒のせいか感慨深くなってる

 

「・・・ふぅ」

 

「・・・はぁ」

 

笑い疲れた、互いに、後は

 

「何か語ることはあるか?」

 

おうちに帰るだけだ、夜ふかしはいかんよね、いい子として

 

「ええ、いくつか」

 

あるんだ、いや、ノリで聞いた俺も悪いんだけどさ、家帰りたいんだよね

 

「今のうちに話すか?」

 

「是非とも・・・この国をどう見る?」

 

おう、すげぇな、それを俺に聞くか

 

「素晴らしい、素晴らしく闘争に満ちている、俺のようなろくでなしはくいっぱぐれ無い、よい国だ」

 

乱世の直前、賊が往来を闊歩し、金持ちが民衆に鞭を打つ、民衆はそのうち賊となる

賊が出れば困るのは金持ちどもだ、そいつら殺すのに俺らのような腕っ節が強い奴が大威張りできる、ろくに飯食ってねぇの殺すだけだ、やったね!合法暴力だよ!!

 

「・・・そう」

 

「他は?」

 

・・・おおう、苦虫噛み潰した顔ってやつだ、こわっ

 

だがこの返答は大当たりだと思っている、じゃなきゃこの人もこんなにも早く出世しない

 

「・・・この町はどう思う?」

 

「素晴らしい、素晴らしく治安が良い、俺のようなろくでなしでも夜に酒が飲める、よい町だ、できれば住みたいぐらいだ」

 

「そう」

 

今度はまんざらでもない感じだ、自分で作り上げたからか?

自尊心が高いのも相変わらずだ

 

「では最後・・・私の元に来る気は?」

 

ああ・・・相変わらずだなぁ、んじゃ、俺も返すとしよう

 

「答えは6年前に答えた、今ならばわかるだろう?・・・俺を殺せるのならば着いていこう、お前の築き上げた道の果てに俺の首を供えることができるのならば、鉄風雷火の限りを尽し、お前の道に立ちふさがる有象無象を殺し尽してやる」

 

「・・・あなたは」

 

「だが誰もできないのだ!俺を殺しきれる人間はいないのだ!!クハハハハハハハ!!!」

 

「っ!・・・そう」

 

そう、殺しきれる人間は個人として存在しないであろう

最低でも5万の人間が俺の中で蠢いてるんだ、無双シリーズだって1000人斬りするのがようやくなんだ

そんな簡単には死なない

 

「喉から手が出る程欲しくなるだろう?なにせ不死の兵士だ」

 

「・・・そうね」

 

「そうだ、もう一度やってみるか?都合よくあの時と同じ状況だ、場所は違うがな」

 

「・・・」

 

「結果は見えているが・・・やってみるかよ?」

 

ここでやるのも悪くない、興が乗ったと言うやつ・・・あ、ダメだ、ここでやったらこの街にいられねぇじゃん

 

「貴様!!」

 

「止めなさい!!」

 

元譲が動く・・・が姉上が止める、んーなんだかなー・・・酔いが覚めちまいそうだ

 

酔ってるうちに言いたいことは吐き出すか、それが一番いい気がする、うん

 

「俺は曹家の出来損ないだ、人の上に立つ才能は持っていない」

 

「だけどあなたは人としては上等よ、差別もなく、区別もなく、あらゆる事象に関して客観的な意見を述べれる」

 

「そこだ、問題はそこなんだよ」

 

「・・・子孝?」

 

『人』だからいかんのだ、俺は『人』であってはいかんのだ

俺の憧れは『化物』だ、そうでなくてはつまらない

 

「俺はな、姉上、あなたの弟なんだ、どうしようもなくとも、どんなろくでなしだとしても、それだけは変わらん、だからこそ傍に立つことも許されねぇ」

 

「・・・子孝・・・あなた」 

 

「姉貴は王となるべく人間だ、性格も、その言動も・・・俺は違う、俺は化物だ、殺すことに意味を求めず、ただ恐怖を撒き散らす存在だ」

 

だかろこそ共に歩むことはない

こればっかりは譲れない、そうすることを望んで生まれたんだ

憧れは言っていた『化物は殺すのは、いつだって人間だ』と

 

「そんなことは・・・!」

 

「あるさ・・・化物かそうじゃないかの差は簡単にわかる」

 

「・・・」

 

「俺は化物と呼ばれ苦悩しない、否定もしない、ただ『的は得ている』としか思わない」

 

的確すぎる表現だ、『化物』であるからこそ俺という存在がなされる

人という器では到底収まりきらない『力』、俺にはそれがある

 

「これが普通の人間ならな?悩むんだよ、『なんで俺は化物なんだ』ってな」

 

そう、これは強い人間の考えだ

己を評価し、『常識』という価値観を持つ、心が強い人間がもつ考えだ

 

だが、俺はどうしようもなく弱い、だからこそ『化物』がいいんだ

たとえそれが孤独であろうと、失うことはない

 

俺は―――

 

「・・・立華!」

 

「立華、そう、俺はその真名通りだ」

 

『立華』

婆さんが生花やってたから意味を知っている

姉貴も知ってるはずだ、この仇名の意味を

 

聡明なお袋が俺の存在を見抜いてこの名を授けた、その意味を

 

「っ!それは・・・ごめんなさい」

 

ほらな、知っている、だからこそ手元に置いておきたいんだろ

華を立てる為がこの命、だが、俺は俺だ

 

「ま、しばらくはここに居るさ、いい町だからな」

 

「・・・そう、わかったわ、だけどね子孝、私は」

 

「欲しいものはどうやってでも手に入れる・・・か?」

 

人はそれをジャイアニズムと言う、なんて横暴な

 

「・・・そうよ」

 

「言っておくが、俺を免罪のために使わんでくれよな」

 

「・・・」

 

「クカカ、都合が悪くなるとだんまりになるのは変わらねーな・・・ま、いいや、んじゃーな、姉貴、元譲に妙才も元気でな」

 

「ええ、また会いましょう・・・子孝」

 

「ふん!今度こそ殺してやるからな!!」

 

「・・・」

 

妙才は頭だけ下げた、まぁ、あいつらしい

 

仮宿へと足を運ぶ、今日の日銭は使い切った、明日は何をしようか・・・




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