その場のテンションで追加したりするので把握ができなくなりそう…
後でまとめでも作っておきます。
「おーおー・・・よくもまぁ飽きずに集まるものだな」
ひとりの女が城壁から遠く、カビのごとく広がる大群を見下ろす
反董卓連合と名付けられた、自分たちの敵を
「しっかし、惨めなもんだね、そんなに名誉が欲しいのかい」
呆れたように呟き、胡座をしながら煙管を口に咥え、ぷかりと煙を吐き出す
ふと眼下を見れば見たことあるような女がこちらに向かって喚いている
「降りて来い!華雄!!それともこの後に及んで怖気付いたか!!」
孫家の娘だ、目が覚める前に負けてしまった女の娘だ
「お~・・・孫堅の娘か・・・大きくなったな~」
目を細め薄く笑う、舐められてると思ったのか傍目から見てもわかる怒気がこちらへ向かってくる
「・・・貴様!馬鹿にしているのか!!」
その言葉もへらりと笑いながら返す
「そりゃバカにもするさ」
「何を・・・!」
次の瞬間には
「既に間合いだーよ」
女が乗っていた馬の首から先が消し飛んでいた
突如としてバランスを失い倒れる馬を踏みつけ後方へと跳ねる女
「あっはっはっはっは!降りる必要なんて無いだろう?」
笑う華雄、女は驚きつい尋ねる
「・・・驚いた、あなたも妖術を使うのね・・・」
その言葉に咄嗟に答える
「あんなインチキ共と一緒にするなって、こいつは自力だよ」
「え・・・?」
「こうやって・・・さ」
いつの間にか手にしていた斧を振るう
次には女が立っている場所から少し離れたところが消えるかのように抉られていた
女は唖然として抉られた地面を見て華雄を再び見た
しばらく見つめ合い、そして華雄が口を開く
「孫堅の娘よ、私が好きな言葉をひとつ教えてやろう」
「『努力したものが成功するとは限らない。しかし、成功するものは須く努力を重ねている』」
そして華雄はにやりと笑う
「お前が妖術と呼ぶものが私の中にあるとするなら、それは、さ」
――努力が私を裏切らないってことだけさ――
「あれをどう見る?立華」
「どうって言われてもなぁ・・・」
あの華雄さんって転生者だね、なんて言えねぇっての
「俺並みの化物・・・かね?とりあえず、あれが人間の到達できる場所じゃないってことは確かだな」
「そう・・・ね、これは思いもよらなかったわね」
そりゃ、そうだ
猛将って触れ込みだからどうにかなると思っててこんなの出てきちゃたまらんわ
「ってかさー姉貴よー」
「・・・何?いま少し忙しいのだけど?」
「なんで俺連れてこられてんだ?」
寝て起きたら既にここにいたのだけど?一体どういうことだってばよ
「・・・そうね、答え合わせならあなたが連れてきた『奥さん』に聞けばいいんじゃない?」
奥さんの部分で尋常じゃ無い殺気ぶつけられたんすけど
え?何?俺って自分の意志で嫁さん選んじゃいけないぐらいの立場だっけ?
「・・・あ、あぁ、そうするよ、邪魔したな」
エマージェンシー!!!殺気が3倍以上に膨れ上がったぁぁぁぁ!!!!!
その場を素早く脱出し、咲夜を探す
幸いなことにこの世界においても咲夜の背格好は結構目立つのでいればすぐ見つかる
「・・・と思ってたらさぁ・・・」
「分隊ごとに被害報告を急いで、武具の損耗もついでに報告するように」
なんか小隊長チックなことやってるんですよね、うちの嫁(?)
なんなん?無職の俺へのあてつけかい?
「あら?もう戻ったんですね、立華様」
「あー・・・うん、戻ってこれたよ、うん・・・」
問題はそこではない
「で、お前は何してはるの?」
「え?ええ、何もしないのもアレですから、なにかお仕事をと言いましたら義姉さんに小隊を任されまして・・・」
あー、姉貴取り込む気か
「あ、そう・・・で、そっちのギラッギラしてるのは?」
それはまぁ後でどうにかするとして問題は咲夜の横で滅茶苦茶ぎらついた目をしてこっち見てくる銀髪娘だ
「え?ええ・・・副長として付けられたのだけど・・・」
「楽文謙と申します。真名は凪です」
「「・・・はい?」」
いきなり真名を預けてきやがった!?
おいおいおい、(この世界の)常識的に考えてありえないぞ!?
「ああ、返しは結構です、ただあなたにだけはどうしても受け取って欲しかった」
モテ期ってぇやつですかい!?って冗談も程々にしといて・・・
「あー・・・んー・・・そうだな、俺の真名は立華だ」
今度は咲夜が驚いてこちらを見てくるが、そうしなくちゃいかんのよ
こういう目をしたやつには更に言っておかなきゃいけない
「凪だっけ?」
「ええ、あなたは立華様でよろしいでしょうか」
「立華でいいさ、真名っつっても俺からすりゃ仇名に近い」
「そうですか」
しばしの無言、その間じっと見続ける
ぎらつきは消えやしない、若干増したかのようにも思える
最初に口を開いたのは凪、かぶせるように口を開いたのが俺だった
「いつか、いつの日か・・・あなたを――」
「いつでもだ、いつになってもいい――」
――殺します/殺してみろ――
そこからも無言、ただ互いに笑い合っていた
傍から見れば獰猛な笑みだと言われること請け合いだが、俺にしてみりゃ違った
こいつの笑みも、ぎらついた目も、何もかもがあの女共に似ている
劉備に、孫策に、甘寧に・・・
そして、いつの日か会った
この戦争の原因とも言える女、董卓――月に――
どいつもこいつもこんなだ
どうすれば俺を殺せるのか?って虎視眈々頭の中で練ってやがる
ってかほとんどが女っていうのが恐ろしい
なんなのこの世界?アマゾネスしかいねーのか
「まぁ、なんだ、当分先の話だ、気長に待ってるよ」
ここでも俺はお邪魔のようだし、退散しますかね
「ええ、一生をかけて当たらせて頂きます」
既に背を向けているから断言はできんが、絶対に哂ってやがるな
まぁったく・・・どいつもこいつも
「やれるもんならやってみやがれ、畜生共が…二度も殺られると思うなよ…?」
場は変わり戦場
圧倒的な力を見せつけていた華雄は当初、汜水関に篭城し連合軍を足止めするはずだった
初めはうまくいっていた、寄ってくる雑兵を壁上から吹き飛ばし、射掛けられる数千の矢を薙ぎ払っていた
しかし、一人の男の登場によって華雄は地に足をつけ戦わねばならなくなっていた
「マァァックス・スピィィィドォォォ!!」
全身のほとんどが赤に染められ、顔を隠した男によって
「クッ!舐めるなぁ!!」
神速と呼ばれてもおかしくない速度で斧を振るうもその男には当たらず
「遅ぉい!!!」
「ぐぅ…!!」
逆にその隙を突かれ攻撃を受けるの繰り返し
ただ華雄にとって幸運だったのはその男が素手なのと、その攻撃はたいしたものではなく致命的ではないことだった
それでも同じ箇所を打たれればダメージは蓄積されていく
「えぇい、うっとおしい!!」
「ヒーローにそんな攻撃当たるかよ!!」
ヒュウン、と斧の風切り音にしてはあまりにも軽い音がするかと思えば男は10歩ほど離れた距離にいる
華雄は斧の柄を地面に突き刺し口を開く
「…はぁ、お前も転生者か」
「そうだ、転生者でヒーローさ!」
華雄の陣営にも何人か居り、自分も含め頭がどこかおかしい連中だとは思っていたがここまでのものとなると流石に頭痛がしてきてい
た
「そうかい…ヒーローね…で、名前は?」
「ん?名乗ってなかったか!?ヒーローとしてあるまじき失態ッ!すまなかった!!」
丁寧にお辞儀までする男、華雄は何故この男に苦戦しているのか理解ができなかった
「俺の名前は伍延(ごえん)!!ヒーローだ!!」
「そうか、伍延…ただの転生者と侮っていた事をまず詫びよう」
その言葉にうむ、と頷く伍延
「ただ、そちらも詫びて欲しい…なぜ武器を持たない?舐めているのか?」
華雄としては別段どうでもよかったが、華雄の体が休憩を欲していた
そのための時間稼ぎでもあったが、どうでもいいながらもふとした疑問でもあった
「俺が素手の理由か?簡単だ!俺の憧れるヒーローは皆素手で戦っているからだ!!」
そう言い放ち、腰に手を当て高らかに笑う伍延
その姿を見て呆れる華雄と取り囲んで様子を伺っていた連合軍の兵士たち
「あ、ああ、そうなのか…うん、えっとだな、例えばどういったヒーローなんだ?」
体力の回復のために話を続けさせようとすると
「おお!聞いてくれるか!!そうだな、やっぱり最初に来るのはスーパーマンだ!なんといっても元祖ヒーローだからな!!」
他にも…と、次々にアメコミのヒーローや週刊少年誌のヒーローを挙げていく伍延
ほかに聞いてくれる人間がいなかったのか、よく見ると隠れている顔の瞳が若干キラキラとしているようにも見えないでもない
既に華雄の体力は戻っているし、今なら斬りかかっても避ける間も無いだろう
しかし、華雄は彼の話を聞き続けていた
「ウルヴァリンも好きだなー、悪ぶっていても根っからの善人っていうのもかっこいい!!」
「あ、それはわかるな、やっぱり理由なく人助けするにしても普段とイメージかけ離れているとかっこいい感じするよな」
「だよな!?いやーわかってくれて嬉しいぜ」
華雄も転生前はそういったヒーローに憧れていた、こうなりたい、その一心で体を鍛え続けたりもした
ただ、転生前も女の体であり、どうしても筋力がつかなかったため渋々諦めていた部分があった
目の前の男は諦めずにこの世界においても憧れを追い続けている
「む…?」
「でだなー…ん?どうした?」
「いや…なんでもない、続けてくれ」
おう、と返事を返し話し続ける男
華雄は話を聞きながらも自身へと問いかけていた
今、自分はこの男を殺せるのか?殺すことが出来るのか?
武人としてあった華雄は出来ると断言している
転生者である華雄は殺したくないと叫んでいる
転生者の中に自分以外に努力を重ねている人間はそう多くない
少なくとも自陣営の中では自身ともう一人しか知らない
女としての華雄は、できるならば自分を理解してくれる男と結ばれたくもあった
目の前にいる男はどうだ?
確かに、能力はどこかから持ってきたものだろう
では能力を用いた攻撃、回避はどうだ?
実際彼の体捌きは見事なものだったし、攻撃も的確であった
ただ、能力を得ただけでは会得できない領域に達している
少々純過ぎるところがあるとはいえ、自身の理想に近い男だ
ほんの僅かな躊躇い、頭を振ってその躊躇いを消す
「その銃弾をだな…お?どうした、頭なんか振って」
ここは戦場で、自分は武人で将軍だ
彼は討つべき敵だ、私情を挟むなどもってのほかだろう
「いや、な…そろそろお開きにしようかと思って…なっ!!」
感情を払うように、斧を振るう
華雄の目には斧の刃が完全に彼の頭部を捉え、あとは吹き飛ぶだけの状態だった
パァァァン、と高く音が鳴ったかと思えば、吹き飛んでいたのは振るった斧だった
「なぁっ!?」
驚き固まる華雄、笑みを浮かべる伍延
「ヒーローたるものいついかなる時も油断はしないものさ」
まぁ、くらうときはくらうけどね、と肩をすくめて言う伍延
次の瞬間には華雄の懐に潜り込み、鳩尾にズドンと音がする一撃を叩き込む
「げぇあ…!」
たまらず体をくの字に曲げる、伍延はその瞬間を見逃さず首筋に手刀を叩き込む
「あ…ぐ…こ、殺せ…」
そう呟き地面へと前のめりに崩れる華雄
そして地面に崩れる前に体を受け止め、担いで自陣営に戻る伍延
「殺しはしないさ、心に愛がなけりゃスーパーヒーローになれないからな」
呟きにそう返し、鼻歌交じり伍延は歩き出した
赤い旗が靡く、自分のイメージカラーまっしぐらの陣営へと
余談ではあるが、彼が所属する陣営を決める時につぶやいた一言は
「やっぱ赤だよな、赤い奴は3倍だって言うし」
だったそうな
転生者紹介
華雄
能力名『努力値上限無し』
説明:その名の通り努力値の制限が無い、努力をすればした分だけ自分の力になるという努力型転生者の典型とも言えるもの。
潜在能力が無限にあり続けるようなものなので、本人次第ではとてつもない実力を身に付けることができる。
伍延
能力名『美しい赤』
説明:あるゲームの主人公に変身する能力、特徴としては『マックス・スピード』『スロウ』『ズーム』の三つがある。
・『マックス・スピード』自分が動ける速度の10倍の速度で動くことが可能
・『スロウ』周りの風景が遅く見えるようになる能力、スロー中にマックススピードを使うことも可能
・『ズーム』目標と定めた物のみを拡大し、衝撃を余すことなく対象へ打ち込む能力
なお、変身後の身体能力は変身前の身体能力の約3倍ほど
風呂敷広げまくってますが、完走させるつもりではあります。生暖かい目で見守ってください。