浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー 作:門矢心夜
そのまま成音は、遥からその方法を聞いた。
「そんな事が出来るの?」
『ああ……だがこれも限りなく賭けに近い。これが出来なければ、恐らくもう復活の可能性はないな』
遥の説明はこうだ。
美咲が戦ってきた人達のドライバーを集め、そこの中に蓄積された残留データの中から美咲の記憶を抽出してカード化し、美咲自身の脳波の情報が込められたボマードライバーで読み取る。
それを美咲に装着させ、情報で脳波を再構築する事で、美咲の脳波を蘇生させる……というもの。
『今から皆を、蘇我高校に集められるか?』
「やってみるわ」
※※※
仲間全員を蘇我高校の科学部に集め、同じ説明を優香とヴィーダ達にもする。
「マジ系!?」
「ママホント?」
「ああ。賭けにはなるが、まずフレイムシャワードライバーを使ってみようと思う」
遥は成音からフレイムシャワードライバーを受け取り、ブランクカードが刺さったカードリーダーと接続する。
パソコンを操作し、エンターキーを押すと。
「これは……」
「どうなの?」
「成音の中にある美咲の記憶の一部が、カードに蓄積されたようだな」
遥が冷静な声で言う。
「だがこれだとやはりデータが足りんな」
「……」
「ヴィーダモ!」
グングニルドライバーを手渡す。
「ありがとう、ヴィーダ」
次はグングニルドライバーを接続し、データを転送。
「まだダメか」
かなりのデータを注入したが、まだ修復には至らない。
「他の回収したドライバーも試したが、まだ足りないな」
遥がパソコンを睨みながら言う。
「ウチ、前田っちにドライバー貸してもらえないか聞いてみる系!」
「その手があったわね」
※※※
ある程度時間が経過した後。
成音は優香と共に、前田の家へと向かう。
「まだ今日は家にいる筈系」
蘇我高校の生徒達は一応、あれからも普通に日常生活を送れている。
遥の判断で、科学部のみは無期限の活動中止となったが、それ以外に問題はない。
ヴィーダと約束した生徒達への謝罪も、ほとぼりが覚めてから全校生徒に対して行い、戦いが終わったら科学者に戻ると遥は決めているらしい。
「前田っち、優香系」
優香がインターホンを鳴らして、前田を呼ぶ。
ホースドライバーはあの後も、前田が預かっていた筈だ。
「どしたの~?」
呼ばれてすぐに扉を開け、優香に眠そうな顔で問いかける。
「前田っち、ベルトまだ持ってる系?」
「持ってるよ~」
「ベルトちょっと貸して欲しい系」
「どったの急に」
「友達が大変系……それがないと困る系」
「うーん……よく分からないけど、優香ちんがそういうなら貸すよ~」
「ほ、ホント系?」
「うん! 優香ちん友達想いだし、信頼出来るじゃん」
「あざまる水産!」
優香は前田からベルトを受け取る。
「受け取れた系」
「最後どういう会話してんのか全然分かんなかった……」
「気にしたら負け系」