浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第百九話

 

 あの話の後。

 知らない廃ビルの上で、俺は一人座り込んでいた。

 

「……」

『まったく、とんでもない番狂わせだ。正直お前が兄貴を無茶苦茶にする所を楽しみにしてたってのに、とんだ邪魔が入るし、おまけに身体を交換条件に出されても動かないときたもんだ』

 

 二号の愚痴る声が聞こえる。

 そんな言葉に対して返す気分にはなれないが、何とか身体を取られないように自我だけはきちんと保つ。

 

『馬鹿じゃねえのお前』

「……」

 

 痺れを切らした二号に罵倒される。

 

『良いか? お前の大好きな六角美咲が死んで辛い気持ちも分かってやれねえ事もないが、そのまま動かなきゃお前はただ人を殺して終わっただけになるんだぞ。もう人一人殺してんだ。今更人形一つ壊す事の何が嫌なんだよ』

「……」

 

 美咲がいなくなった今、復讐心などどうでも良い。

 その復讐心で回りが見えなくなって美咲が死んだ。

 俺なんて……こいつと一緒に死ねばいいんだ。

 

『……はあ、最悪だ。いや?』

 

 二号が何かに気付く。

 

『おい、一号来たぞ。今度こそやれよ』

 

 二号が催促してから、その口を閉ざす。

 彼の言う通り、扉を開けて男女が姿を現した。

 俺と同じ顔をした青年一号と、山内成音。

 

「裕太……」

 

 成音が小さな声で、俺の名を呟く。

 

※※※

 

 突然現れた成音に、俺はどう声を掛けてあげるべきか分からなかった。

 謝罪も、言い訳も、全て意味がないと判断し、まずは自分が敵になって突き放すべきだと判断して、口を開く。

 

「俺に何の用だよ。その様子だと、もう知ってるんだろ」

「ええ」

 

 俺の言葉に、成音は小さく返す。

 そのまま、俺は成音に最後の要求をした。

 

「そいつを連れて、もうどっかに行ってくれ」

「……」

「頼む。もう二度と、俺に関わらないで欲しいんだ」

  

 俺は頭を下げて頼み込む。

 

「俺はお前達を傷付けたくない。これ以上俺の手で誰かが死ぬ所なんて見たくないんだよ……」

 

 涙が流れる。

 

「出来ないわよ……」

 

 成音が静かにそう返す。

 

「出来るわけないでしょ! なんでアンタと関わらないって選択肢を選べるのよ! 会長が死んだのはアンタのせいじゃない! アンタが自分を責める必要なんてどこにもないのよ!」

「俺のせいなんだよ!」

 

 成音の言葉に、俺は大声で反論する。

 

「俺が回りを見てれば、あいつの言葉に惑わされなければ……美咲は死なずに済んだんだ。俺のせいだ……俺のせいなんだよ……」

「裕太……」

 

 顔を床に擦りつけて泣く俺を、成音は見下ろす。

 その時だ。

 

「アンタが倒さないなら、そいつは私の獲物っすよ」

 

 その声と共に、蒲生が現れた。

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