浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー 作:門矢心夜
「まったく……」
裕太の彼女として扱われた事を不満に思いながら、美咲は更衣室を借りて普段着に。
眼鏡もいつもの奴を。
「あ、たまにくるおばちゃんだ!」
「お……おば?」
そう。
美咲もたまに店を見に来るのだが、子供達によくおばさん呼ばわりされる。
「ねえねえ、へんしんポーズみせてよ!」
「これは……Vバックルですわね」
子供から渡されたのは龍騎のベルト。
バックルの柄は……蟹。シザースの柄だ。
「よりにもよってこれですの……?」
「なんかマズいのか?」
裕太が問いかける。
「このベルトの持ち主は……モンスターに頭から食べられて死んだんですわよ」
「そんなまどマギ三話みたいな事があったのか……」
「ねえねえはやくはやく!」
まあでも、この子はそんなシザースでも好きだと思ってくれたのだろう。
だからやるしかない。
「いきますわよ」
美咲はまず鏡の前に立ち、シザースのバックルを勢いよく前に突き出す。
右腕を大きく動かしてから前に突き出し、叫ぶ。
「変身ですわ!」
そしてバックルをベルトに挿入。
両拳を握ってから、そのまま勢いよく鏡にダイブ……出来なかった。
「ぎゃああああああッ!!」
鏡に頭をぶつけ、その勢いで鏡が倒れて割れてしまう。
「何やってんだ馬鹿……」
「いてて……」
「おねえちゃんおもしろーい!」
「もう龍騎ライダーの変身ポーズはしませんわ……」
「世界中どこに行ってもリアルに鏡に突撃するのはお前くらいじゃないか?」
「でもすごいね!」
「ら、ライダーになって頂点を極めるのは興味深いですわ!」
シザースの台詞を叫ぶ美咲。
わーいと喜んでいる様子を見るに、余程好きなのだろう。
ライダー大投票でもランク外だったし、まあ……シザースもこれを見れば喜んでくれるんだろう。
「でもお姉ちゃんはナイトが好きですわね」
「べただね」
「ベタで悪いんですの!? カッコいいんですわよナイト!」
「ダメだ、俺じゃ何も突っ込めない」
※※※
その子はリバイスドライバーとバイスタンプを購入し帰宅。
入口で裕太と共に見送る。
「じゃあね!」
「シザースの事、好きでいてあげてくださいですわ!」
「うん!」
「そうそう。こいつを馬鹿にしても、シザースの事は馬鹿にしちゃダメだな」
「それどういう意味ですの?」
「いやほら、色んな所から圧が掛かりそうだしって爆弾を出すなしまえ馬鹿!」
「問答無用ですわ!」
爆弾を投げる。
近くの電柱で跳ね返り、美咲の所で大爆発。
「いてて……」
裕太は吹き飛ばされたのみだが、美咲は……巻き込まれた。
「……」
「なんで……なんでこうなるんですのよぉ……」