浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー 作:門矢心夜
結局何だかんだ美咲も残り続け、閉店時間が迫り。
裕太と一号、そして美咲や他の従業員と共に掃除をした後、裕太と一号はタイムカードを押してそのまま帰路へ。
「ひとまず、裕太さんと一号さんは問題なさそうですわね」
「そうみたいだな」
「……」
裕太が一号に笑みを見せると、一号は少し目を逸らす。
「二人はこれからどうするつもりですの?」
「俺は久しぶりにマンションに帰るわ。冷蔵庫の中身とかヤバそうだしな」
「俺は美咲と共に帰る」
横目で一号を見る裕太。
「取り敢えず家に行くのは一号さんだけですのね」
『~♪』
着信音に設定しているファイズフォンの音が鳴る。
相手は狩野遥。
「はいですわ」
『六角美咲、蒲生が目を覚ましたぞ』
「本当ですの?」
『ああ。だが案の定、私を見てすぐに襲い掛かった。ガスドライバーはこちらの手にあるから、もう抵抗は出来ないが……来てくれるか?』
「今から行きますわ」
美咲はそう呟いて通信を切る。
「蒲生さんが目覚めましたの。今から蘇我高校に行きますわ」
「俺も同行した方が良いか?」
一号が美咲にそう問う。
「いや、これは私と蒲生さんの問題ですの。私一人で解決させてくださいな」
「……分かった」
「大丈夫ですのよ一号さん。私が心をぶつければ、きっと……」
少しだけ自信を失くしそうになる。
けど、失くしたら……きっと凄く後悔する事になるだろう。
だから今は、やるしかない。
「行ってきますわ」
美咲は駆け足で、その場をあとにする。
※※※
科学部の部室の扉を開け、飛び込むようにして入った。
そこには、拘束された蒲生と……それを見張る狩野遥の姿があった。
「来ましたわ」
「ああ。少し手荒だが、こうしておく事を許してくれ」
遥が汗を掻きながらそう告げる。
「やっと来たっすね六角美咲」
蒲生が餌を見つけた肉食獣の如き顔で美咲を見る。
「久しぶりですわね、蒲生さん」
美咲は真剣な顔でそれを見つめるが、蒲生が唾を吐き捨ててから言う。
「何すかその顔、私を馬鹿にしてんすか?」
「……」
「まあそうっすよね。一度は倒したわけっすから。上から目線でも仕方ないっす」
美咲は少しだけ考え、遥に告げる。
「遥さん、蒲生さんにガスドライバーを渡してくださいな」
「な、何を言っている!」
「……」
美咲は遥に目だけ向ける。
遥がそれを察し、ドライバーを美咲に渡す。
「蒲生さん、これを手に表に出てくださいな」
「……」
拘束を解かれ、ドライバーを再び手にした蒲生が美咲を睨みつける。
美咲はそれに構わず、真剣な眼差しで見つめた。