浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第百四十二話

「私は前の貴女と真の意味で仲間にはなれませんでしたわ。もう今の貴女には、前の貴女の良い所なんて残ってないかも知れない。でも、私は前の貴女とだけじゃない。今の貴女とだって仲間になりたいんですわ。だからせめて、いや違いますわね。まずは、今の貴女と仲間になって、貴女に元の心が戻ったら、もう一度元の貴女とも仲良くなりたい。そう思ってますわ」

 

 ボマーの言葉に、ガス怪人は少し動揺する。

 

「……アンタ、本当にさっきから何言ってんすか。私と真の意味で仲間になりたいとか……。私はアンタを殺そうとした。それを分かってんすか!」

「分かってますわ! けど……そう思われていも仕方がない事をしたと、今の私も思ってますのよ」

「……」

「でも打ち解ける事を諦めたくはありませんの! 私は貴女を仲間だと思っている。だから今、私は貴女を理解している所ですの。こうして貴女の感情をぶつけてもらって、その答えを……私の頭で……」

「……」

 

 無駄だ。

 そう告げようとも思った。

 だけど……美咲を殴り続けるのにも飽きてきた。

 こうなったら、美咲と同じ手を使ってやろう。

 そう思って、バットを拾ってボマーに投げた。

 

「おい」

「……!」

「それを使うっす。もうサンドバッグにするのも飽きたし、そっちも殴ってくるっす」

「蒲生……さん?」

「アンタの言う理解するっつーの、ちょっと真似してやるっす。ただし、私はアンタの全てを否定してやる。良いっすね?」

「……望むところですわ」

 

 ボマーはバットを構えなおす。

 そのまま足を動かして、ダッと音を立てて地を蹴った。

 

「……!」

 

 ガス怪人は勿論避けず、バットの攻撃を銃で受けきる。

 いつも美咲がやっているように。

 

「どうした? 話してみるっす」

「良いんですの? 私が貴女に抱いている感情は、この一撃だけでは絶対表現出来ませんの」

「……」

「さっきも言いましたけど、私は貴女が人に尊敬されてるのが羨ましかったですわ。私はこうして戦って話し合わなければ理解されないのに、貴女は違う。貴女は立ち振る舞いだけで、色んな人から尊敬されている。私はそこだけはどうしても貴女に勝てない。頂点に立つ為には、そういう立ち振る舞いも必要だというのに」

 

 ボマーはバットを素早く動かしながらそう答える。

 感情を乗せて、重い一撃を入れ続けた。

 

「私は第一印象が悪いと、常々言われますの。ですから、貴女のように立ち振る舞いでも頂点に立ちたいとそう思ってますのよ」

 

 ボマーはバットをもう一度構える。

 

「それに、昔の貴女は人の心に寄り添う事も得意でしたわね」

 

 ボマーのバットは休まず動き続けた。

 

「不器用な私には、そんな事出来ませんでしたけど……貴女は違いますの。生徒会の人達は、貴女には心を開いてくれる。それに、私は見てましたのよ。生徒会の人達は、生徒会を抜けても貴女と一緒にいましたし、貴女がいなくなった事を心配していた。心配や尊敬してくれる人は数じゃない……その人がどれだけ自分を見てくれるかが大事だと分かっていても、私は貴女のそういう所には勝てませんでしたわ」

「……」

 

 ガス怪人は返すべき言葉を失う。

 

「畜生……全部否定してやろうと思ったのに。アンタは、アンタには……それ以外の不満はないんすか!」

「……」

「そうやって綺麗な言葉だけ使って、自分だけ逃げようとしてんすか? アンタだってあるんだろ……不満が!」

「不満は確かにありますの。けど、自分にないものは自分の努力で手に入れるしかないですの。だから私は、いつか貴女のそういう所も上回れるようになりたいですの」

 

 ボマーは端末を取り出す。

 

「それが、私が貴女に抱いている気持ちですの!」

『FINAL DRIVE!』

 

 ボマーがバットにボムビットを集め、そのまま勢いよく地面を蹴る。

 ガス怪人の前で勢いよくスイングし、その身体を大きく吹き飛ばす。

 

「ライダーインパクト!」

「ぐあっ!」

 

 ボマーが爆発に巻き込まれる。

 ガス怪人は地面を転がり、ボマーは死んでから蘇生。

 

「これで……終わりですの……」

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