浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第百四十六話

「明人……!」

 

 俺は咄嗟に手を伸ばそうとするが、一号に掴まれる。

 

「……」

「な、なんだよ」

「足利明人の中には二号がいた筈だ。罠の可能性もあるぞ」

 

 そう言われて、手を引っ込める。

 代わりに一号が近付いて、明人に告げた。

 

「ひとまず助けてやる。ただし、ベルトを渡してからだ」

「……」

 

 明人は何とか身体に力を入れて、二本のベルトを渡す。

 ソードドライバーと、アークソードドライバー。

 

「……」

 

 それを確認してから、一号は俺に頷き。

 俺は手を伸ばして、明人を立ち上げてから背負う。

 

「ひとまず俺の部屋に連れていこう」

「ああ」

 

※※※

 

 久しぶりの自分の部屋。

 今ではかなり懐かしく感じるし、今日は久々にゆっくり休めると思っていた。

 勿論今回は、そんな感動を口にする時間もなく……せっせと明人を布団に寝かせ。

 俺と一号で観察を続けていた。

 

「今のところ出てこないな」

「……ああ」

 

 一、二時間経っても……まだ二号の人格が出てくる気配はない。

 ひとまず明人の容態を何とかすべきだと、スマホを取り出す。

 

「取り敢えず、遥先生に連絡をとろう。まだ確か蘇我高校にいた筈」

 

 俺は番号を入力し、遥先生に連絡を入れた。

 

『私だ。何の用だ?』

「実は今、俺のところに足利明人が来て。一応二号の奴が入ってる可能性があるので、俺の部屋の中で寝かせてるんですが、この苦しそうにしてるのは……」

『ああ、間違いなく蒲生も服用していた薬の副作用だろう。二号の奴も、アークソードドライバーを使っていたし、薬の効果なのは間違いない』

「取り敢えずどうすれば……」

『今から明人を蘇我高校まで運べるか?』

「運びます」

 

 俺はそう頷く。

 しかし。

 

「ダメだ」

 

 苦しそうな顔をしながら、それを拒否する。

 

「このくらい、俺は克服してやる。そして強くなってやる……」

「無茶を言うな。蒲生も死にかけの所だったんだぞ」

 

 一号が冷静に諭す。

 

「これが克服出来ないようなら、俺は六角美咲に顔向け出来ん……。大きな力を得る事には、代償がつきものだ。それを忘れるな」

 

 明人は一号にそう反論する。

 

「……」

 

 一号は黙ってしまう。

 

「けどお前が死んだら、美咲がどれだけ悲しむか分かるだろ!」

 

 あの時の美咲の泣き顔を思い出す。

 もう彼女にあんな思いはさせたくない――。

 

「分かるさ。だから……克服する」

「……!」

「俺はただのあいつの仲間でいる気はない。いつかあいつを倒す者として、強くならなければいけない」

「……お前」

「俺はあの男に乗っ取られていた時も、きちんと見ていた。あいつが新しい力を手に入れるのを……。

だから俺も強くなる。あいつが一度死んで強くなったのなら、俺も同じくらいの事をしなければあいつに負けてしまう」

 

 明人は鋭い瞳でそう告げる。

 美咲に勝るとも劣らないその気迫に、俺は圧されてしまった。

 

 

 

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