浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第百四十七話

 俺は反論を諦めて、遥に告げる。

 

「すみません、彼自身に拒否されてしまいました」

『……。しかしその状態の危険性はお前も分かる筈だ。もし彼が危なそうなら、その時は無理にでも連れてくるんだ』

「分かりました」

 

 遥が通信を切る。

 

※※※

 

「良いのかよ、足利明人を野放しにして。あいつは多分、あの薬を克服出来るだろ?」

「今は適当に泳がせておくさ。君を完成させられれば、もう負ける心配をする必要はないし……それに」

「なんだ?」

「もし彼が薬の効果を克服し、僕に襲い掛かってくるようなら……君が乗っ取っても良いんだ。違うかい?」

「おいおい。あの薬、そこそこ痛い思いしたんだからもう二度とやりたくないぜ」

 

 二号の言葉に、菫が笑みを返す。

 そして思い出したようにこう呟く。

 

「そうだ、時間稼ぎの準備に必要なものが完成した」

「お、どれどれ?」

「これだ」

 

 菫が見せたのは、蘇我高校の生徒達や成音達が使う怪人変身用のベルトだ。

 一見、そこまでの違いはないように見えるが……。

 

「使ってみてからのお楽しみ、と言いたいのか?」

「その通りだ」

「……ふっ」

 

 二号はそう笑う。

 

※※※

 

『諸事情あって、今は裕太のマンションにいる。心配しないでくれ』

 

 午後十時。

 美咲はベッドの上でそのメッセージを確認して、一人考え込んでいた。

 

 ――次もし会う事が出来たら、何を話すべきですの?

 

 ついさっきまで、美咲は蒲生とお互いの思いをぶつけあっていた所。

 けど蒲生にうんざりと言われ、二度と戦いたくないとまで言われてしまった。

 だが美咲ははっきり、相手に伝える事は出来た。

 次に会う事が出来れば、今度こそ仲間になりたいと。

 でも……どうすれば。何を伝えれば良いのか。

 美咲には分からない。

 

「……」

 

 美咲には分かる。

 絶対にいつか出来る……と。

 はっきりと自分の想いを伝えあい、互いを現状以上に理解し、互いの良いところも悪いところも少しでも理解出来れば、絶対にあの洗脳された蒲生とも仲間になれる。

 でも問題は、方法だ。

 方法が分からなければ、折角の確信も無意味となる。

 届きそうな所にそれはあるのに、何故か……届かない。

 まるで星のように。

 

『~♪』

 

 ファイズフォン柄のカバーを着けているスマホに、着信音が入る。

 通話相手は、岸本優香。

 

「優香さん……?」

 

 こんな時間に何の用だろうか。

 美咲は少し気になりつつも、通話開始ボタンをタップ。

 耳に当ててから、美咲は告げる。

 

「もしもし優香さん?」

『よっ、美咲っち!』

 

 彼女の声は、この時間帯には似つかわしくない……元気なものだった。

 

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