浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第十四話

「これは蘇我高校からの果たし状……そこにはこう書かれていますわ。『新しいベルトを〇×女子高の生徒に渡した』。そして明日、私をどんな手を使っても倒しに来ると書いてありましたわ」

 

 ――蘇我高校?

 ――嘘でしょ? あの不良達の巣窟の……。

 ――まさかウチに来るとかマジあり得ない。

 

「期待はしてませんが、この場を借りてお願いします。蘇我高校の生徒からベルトを貰った……という者がいれば、今すぐここで名乗り出なさい」

 

 ――いやいや、仮にいたとして名乗り出るの?

 ――無理っしょ。いくら不良の学校の連中でも、馬鹿正直に名乗り出る人なんて選ばないって。

 

 それは俺も思った。

 どうやって名乗らせる気だろうか。

 

「あくまで名乗り出る気はないみたいですね。なら……こんな手は使いたくありませんでしたが……」

 

 ボマードライバーを装着し、爆弾型の端末を外す。

 

『BOMER DRIVE READY?』

 

 端末を閉じてから右手を顔の左側近くまで移動させて構え、大きな声で叫ぶ。

 

「変身ですわ!」

 

 端末を取り付ける。

 

『COMPLETE』

 

 天から一個の紫に発光する爆弾が降り立ち、美咲はそれを右手で掴んで握り潰す。

 爆風の中から、仮面ライダーボマーが現れた。

 

 ――え? 何あれ。

 ――生徒会長……仮面ライダーだったんだ。

 ――アレ玩具じゃないの!?

 

「さて、これでこの場の全員が私の正体が仮面ライダーだという事は分かってもらえたと思います。そして……」

 

 ボマーは武器の金属バットで、マイクが乗った演台を真っ二つに割る。

 ほぼ全員が悲鳴を上げた。

 

「私がライダーである以上、まず変身してしまえば暗殺は不可能ですわ。大人しく名乗り出なさい。そしたら正々堂々叩きのめしますわ」

 

 仮面ライダーらしくない態度だなあ……ライダーオタクの癖して。

 

「まったく……本当に雑だね。会長」

 

 そう声を上げる生徒の姿。

 

「名乗らせる為に脅す……そんなんで会長が務まるこの学校は本当に救えない」

 

 遠目で見ていてよく分からないが、その生徒はベルトを装着した。

 

「……貴女でしたのね……山内(やまうち)さん」

「どうせこうでもしないと、アンタじゃ見破れないと思ったし。それに……暗殺なんてするわけがない。あたしはあくまで正々堂々とアンタのそのプライドも、自信もへし折るよ」

 

『FLAME THROWER DRIVE READY?』

 

「変身」

 

『COMPLETE』

 

 上空から現れた火柱に飲み込まれる山内。

 火炎放射器を模した、炎の怪人へとその姿を変えた。

 

「随分舐められたものですわね。でも、これで正々堂々戦えますわ」

 

 ボマーがバットを構える。

 

「明日……私が証明しますわ。私が頂点に立つ器だという事を」

「自惚れないでよ。どうせアンタじゃ、あたしに勝てない」

 

 ――明日あの二人が戦うのか!

 ――面白そうだし見に行ってみようよ!

 ――賛成!

 

 あれ、俺要らなくね?

 

「おい君、何してるんだこんな所で」

「あ、いや……その……」

「不審者が我が校にいます。至急来てください」

 

 何でこうなるんだァァァァァァッ!!

 

 


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