浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第百五十六話

 美咲と成音は学校中を探したが、生徒や教師はおろか、菫の姿を見る事も出来なかった。

 一度切り上げて、美咲達は優香と遥が待つ蘇我高校へと向かう。

 

「遥さん!」

「平井!」

 

 成音はすぐさま平井の近くへ。

 美咲の表情から緊急性を察した優香が、遥が問う前に美咲へと聞く。

 

「何があった系?」

「生徒達が皆操られてましたわ」

「そんな……」

 

 優香がそう声を漏らす。

 遥は冷静な顔で言う。

 

「他の生徒も、平井と同じ状態なのか?」

「生徒会のメンバーは洗脳、他の生徒達は脳波で乗っ取りに分けられてますわね」

「そうか……」

「平井さんはどうですの?」

「ああ、それなら心配ない。洗脳が雑だったおかげで、完全に元に戻す事が出来た」

 

 遥が平井を見て告げる。

 

「他の奴らも大体同じなら、恐らく同じ要領でいける筈だ」

 

 元に戻せなかった蒲生とは違い、あの粗雑な洗脳や脳波による乗っ取りなら希望がある。

 しかし。

 

「でも、事態はそう簡単じゃないわ」

 

 成音の言う事も尤もだ。

 あの洗脳も全て、黒いボマーや二号の新しい身体をチューンナップする為の時間稼ぎとは言っていたが、それをする前の段階から、黒いボマーの戦闘能力はこちらの力を遥かに凌駕している。

 

「あの黒いボマーを何とかしないとね」

 

 成音が呟くと、遥が腕を組んで答えた。

 

「それなら心配ない。オールウェポンの能力があれば、黒いボマー……仮面ライダーアトミックの単体スペックを完全に上回れるし、実を言うと、オールウェポンの能力はまだ伸びしろがある」

 

 遥の言葉に、美咲が首を傾げる。

 

「今回お前を復活させるのに、ドライバーから六角美咲の記憶を抽出して作ったのがそのカードだが、他のドライバーの保有者からドライバーを借りる事でアップデート出来る」

 

 パソコンの画面を操作して美咲に見せる。

 

「そうなんですの?」

「ああ。恐らくだが、蒲生や足利明人をこちら側につけられれば、もっとドライバーの性能を上げられる筈だ」

「なるほど……」

 

 難易度は高いはずだが、美咲は言う。

 

「よーし、やってみせますわ!」

「明人はともかく、副会長がアンタに味方してくれるかどうか分からないわよ」

「……なれますわよ、絶対」

 

 美咲は少しだけ自信なさげな声で答えた。

 

「会長?」

「なれるって信じない人には、絶対成功はありませんの。ですから、今は前向きに考えるべきですわ」

「アンタにしては自信なさげね」

「一度失敗したから、かもしれませんわね。けど、私は諦める気はありませんのよ。絶対に蒲生さんも仲間にしてみせますの。私が諦めたら、一生それは出来ませんからね」

 

 自分にも言い聞かせるように、美咲はそう告げた。

 

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