浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー 作:門矢心夜
美咲と成音は学校中を探したが、生徒や教師はおろか、菫の姿を見る事も出来なかった。
一度切り上げて、美咲達は優香と遥が待つ蘇我高校へと向かう。
「遥さん!」
「平井!」
成音はすぐさま平井の近くへ。
美咲の表情から緊急性を察した優香が、遥が問う前に美咲へと聞く。
「何があった系?」
「生徒達が皆操られてましたわ」
「そんな……」
優香がそう声を漏らす。
遥は冷静な顔で言う。
「他の生徒も、平井と同じ状態なのか?」
「生徒会のメンバーは洗脳、他の生徒達は脳波で乗っ取りに分けられてますわね」
「そうか……」
「平井さんはどうですの?」
「ああ、それなら心配ない。洗脳が雑だったおかげで、完全に元に戻す事が出来た」
遥が平井を見て告げる。
「他の奴らも大体同じなら、恐らく同じ要領でいける筈だ」
元に戻せなかった蒲生とは違い、あの粗雑な洗脳や脳波による乗っ取りなら希望がある。
しかし。
「でも、事態はそう簡単じゃないわ」
成音の言う事も尤もだ。
あの洗脳も全て、黒いボマーや二号の新しい身体をチューンナップする為の時間稼ぎとは言っていたが、それをする前の段階から、黒いボマーの戦闘能力はこちらの力を遥かに凌駕している。
「あの黒いボマーを何とかしないとね」
成音が呟くと、遥が腕を組んで答えた。
「それなら心配ない。オールウェポンの能力があれば、黒いボマー……仮面ライダーアトミックの単体スペックを完全に上回れるし、実を言うと、オールウェポンの能力はまだ伸びしろがある」
遥の言葉に、美咲が首を傾げる。
「今回お前を復活させるのに、ドライバーから六角美咲の記憶を抽出して作ったのがそのカードだが、他のドライバーの保有者からドライバーを借りる事でアップデート出来る」
パソコンの画面を操作して美咲に見せる。
「そうなんですの?」
「ああ。恐らくだが、蒲生や足利明人をこちら側につけられれば、もっとドライバーの性能を上げられる筈だ」
「なるほど……」
難易度は高いはずだが、美咲は言う。
「よーし、やってみせますわ!」
「明人はともかく、副会長がアンタに味方してくれるかどうか分からないわよ」
「……なれますわよ、絶対」
美咲は少しだけ自信なさげな声で答えた。
「会長?」
「なれるって信じない人には、絶対成功はありませんの。ですから、今は前向きに考えるべきですわ」
「アンタにしては自信なさげね」
「一度失敗したから、かもしれませんわね。けど、私は諦める気はありませんのよ。絶対に蒲生さんも仲間にしてみせますの。私が諦めたら、一生それは出来ませんからね」
自分にも言い聞かせるように、美咲はそう告げた。