浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第百五十七話

「それに、今の状況は私にとって度し難すぎますのよ」

 

 真剣な表情でそう告げる美咲。

 

「そうね。学校の皆があいつらの手下っていうのは

「それもありますが、他に心配すべき事がありますの」

「?」

 

 首を傾げて、成音は美咲の言いたい事を考えてみる。

 しかし思いつかない。

 美咲はこう見えて、敵のした事に対して怒った事はあまりない。

 むしろ、自分の目的を押し通すスタイルを取っていた筈だ。

 そんな彼女が、相手のやった事にキレるとはどういう事なのだろうか。

 

「私が心配……いや激怒している事、それは……」

「それは?」

「それは……」

 

「――私の許可なく、勝手に誰かを生徒会長にするなんて許すわけありませんわ!」

 

「はあ?」

「……」

 

 遥と成音が二人とも、唖然とする。

 

「二号さんは生徒会長という職を舐め切ってますわ。生徒会長は誰か一人の意思で勝手に決めていいものではありませんのよ。それをあの人の一声で決めてしまうなんて、絶対に許される事ではありませんわよ!」

「いや……そんな事言ってる場合?」

「言ってる場合ですわ! 今まで菫先生や二号さんがやった事も腹が立ちますが、今回ばかりは腸が煮えくり返りそうですわ! 他の事を許しても、それだけは私が絶対に許しませんわ! いや! ゆ゛る゛し゛ま゛せ゛ん゛わ゛!!」

「えぇ……」

「流石美咲っち!」

「いや流石にツッコミなさいよ」

「おのれ二号……私を馬鹿にするとどうなるか思い知らせてやりますわ」

 

 美咲が鋭い眼でそう告げた。

 そして、高く笑う。

 

「こんな奴が生徒会長なのに、お前達の学校は大丈夫だったのか?」

「まあ一応ね……」

 

 遥に心配され、成音が呆れ顔で答える。

 

「何が問題ですのよ! 私はただ、生徒会が抱える問題をきちんと解決しようとしてましたわ!」

「でも流石に蘇我高校の果たし状を読んで戦うって言うのはダメよ」

 

 その結果として、色々なものを救うチャンスが与えられたわけだが、あれのみをピックアップするなら、とても生徒会長の所業とは思えない。

 

「生徒会長になれるのは、私のように何からも逃げずに立ち向かえる人だけですわ!」

「そうじゃなくて、余計な問題増やすなって言ってるのよ」

「勝負を挑まれて受ける事のどこが問題ですのよ!? 全く意味が分かりませんわ!」

「はあ……もう良いわよ。アンタにそれ説明しても理解出来ないでしょ」

「成音さん地味に今私を馬鹿にしましたわね?」

「馬鹿にするわよ流石に」

「流石にってどういう事ですの!? 私は至って真剣に」

「あーもううるさいうるさいうるさい!」

 

 成音がそう叫ぶ。

 

 


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