浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第百六十五話

 

 勿論警察も駆け付けたが、黒フードの女の逃げ足の速さに追いつける者はおらず。

 代わりに成音が追いかけ続け、追手が見えなくなった辺りで黒フードが足を止める。

 

「さあ、もう逃げられないわよ」

「それはこっちの台詞っすよ、山内ちゃん」

 

 黒フードが顔を晒す。

 正体は……。

 

「副会長……?」

 

 遥に治療を受けてから姿を消した、〇×女子高生徒会副会長の蒲生だ。

 蒲生はベルトを腰につけてから言う。

 

「山内ちゃん、悪いけど大人しくついてくるっす」

「それはこっちの台詞よ。万引きなんてして……」

「仕方ないっしょ。今の生徒達見りゃ分かると思うけど、私と山内ちゃんと美咲……今標的にされてる。家にいたらいつ狙われるか分からないし、外で逃げ回りながら生きるしかないんすよ。まあ、それはさておいて、今から私と一緒にくるっす」

「だから、いかないってば」

「悪いけど、山内ちゃんに拒否権はないっす……変身」

 

 蒲生がガス怪人へと姿を変えてから、成音がベルトを取り出す暇も与えずに拳を腹に叩きつける。

 

「くっ……」

 

 成音はガス怪人の前で崩れ落ち、ガス怪人に抱えられた。

 

「捕獲完了っす」

 

 時間差で追ってきた警察に対しても、ガスの放射口を向ける。

 

「痛い目見たくなきゃ、ここから去るっす」

「撃て!」

 

 警官たちが銃を発射するが、ガス怪人は全て吹き飛ばす。

 

「こっちには人質がいるってのに、野蛮な警察っすね」

 

 蒲生はニヤリと笑みを浮かべてから、ガスチェンジ。

 

『ガスドライブ! スイミン! ネムール!』

 

 催眠ガスを放射し、吹き飛ばされて仰向けに倒れる警官たちを眠らせてから逃走。

 

「ま、こんなもんすか」

 

※※※

 

 食べ終わってからすぐに、美咲と裕太は二人とも眠りにつき。

 元々眠りの浅い一号は目を開けて、身体を壁に預けていた。

 一号だけでなく、足利明人もまだ目を開けている。

 彼に聞こうとしていた事を思い出し、一号は明人に問いかけた。

 

「足利明人、お前に聞きたい事がある」

「……なんだ?」

 

 明人は一号を見た時も、何の反応も示さなかった。

 明人にそれほどの余裕が無かったのか、あるいは……そう思って告げる。

 

「お前は俺が、あの時対峙した黒フードの男だと気付いているのか?」

「……気付いていた。お前の声や仕草で分かる。どういう経緯で仲間になったのかまでは知らんが、お前があの黒フードなのは間違いないと思った」

 

 明人は静かな声でそう答える。

 

「なら何故、俺とそう落ち着いて会話が出来る? その態度はどう考えても普通ではない……」

「馬鹿者。あの時のお前など恨むに値しない」

 

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