浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第百七十話

「……」

 

 蒲生は黙り込むが、成音は続ける。

 

「あたしもアンタも、いつかはあの人を超えたいって気持ちは同じ。だから、協力して欲しいのよ」

「だから、あの人に力を貸すのだけはごめんだと何度言えば分かるんすか。それにもう、私はあいつと関わりたくないんすよ。めんどくさい……」

「副会長……」

 

 成音が言う。

 

「正直副会長には、まだ仲間を思う気持ちとかそういうのちょっとは残ってると思ってた。だから会長だけを敵として狙ってるのかなって……でも、ホントにそんな気持ちもないのね」

「……」

 

 蒲生は口を閉ざす。

 すると成音は立ち上がって言う。

 

「ならあたしがやる。例えアンタがその気になったとしても、アンタには絶対に倒させない。もし手を出そうとしたら、あたしが全力でアンタを倒す」

「勝手にするっす。どうせもう戦う機会なんてない」

「……ッ!」

「良いから、もう仲間の所に帰るっすよ。山内ちゃんなら気持ちを理解してくれると思ったのに、やっぱりそうやって塩を送らせようとする……。もううんざりっすよ」

「……」

 

 成音は何も言わず、蒲生に背を向けてその場を去る。

 蒲生はそれを見届けてから、もう一度瞳を閉じて身体を休めた。

 

※※※

  

 成音はある程度まで離れてから、早歩きで蘇我高校に向かい始めた。

 

「……」

 

 正直、そこまで期待はしていなかった。

 洗脳が解けていない以上、前のような仲間や後輩に優しかった蒲生の人格は彼女の心に残っていないだろうと思っていた。

 それでも成音はあの頃から、生徒会の仕事は嫌いでも、蒲生の事は割と好きだった。

 美咲に対する愚痴は聞いてくれたし、生徒会になくてはならない存在。

 それが今では……あの様だ。

 美咲の復讐心に溺れた挙句、美咲の事が嫌になって関わりたくないと逃げている。

 もう頼っても無駄だ。

 

「山内成音……発見」

 

 ふと聞こえたその声に、顔を上げる。

 気付けば、成音は洗脳された生徒会メンバーに囲まれていた。

 全員、アークソードドライバーを着けている状態の生徒会メンバー。

 

「……!」

「排除する……」

 

 一人だけかなり苦しそうな声で、そう告げたのは……新生徒会長と言われていた後藤。

 筋肉の隆起があの時以上に酷く、身体に相当負荷が掛かっているのが分かる。

 

「後藤……」

『ARC SWORD DRIVE READY?』

 

 全員が機械のように、端末を取り出してからボタンを押し。

 閉じてから、ベルトに取り付ける。

 

『ARC COMPLETE』

 

 禍々しいオーラが、彼女達の身を包む。

 上空から同じような光を帯びた剣が降り、それを掴み取る。

 生徒会メンバーは全員、剣の怪人・改へと姿を変えた。

 

「やるしかないわよね」

 

 成音も覚悟を決めて、フレイムシャワードライバーを腰に。

 端末を取り出して、ボタンを押す。

 

『FLAME SHOWER DRIVE READY?』

 

 端末を閉じてから構え、ベルトに端末を取り付ける。

 

『COMPLETE』

 

 上から火柱を浴びて、成音は火炎放射器怪人へと姿を変えた。

 

「はあッ!」

 

 火炎放射器怪人はそのまま地を蹴って駆け出す。

 

 

 

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