浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第百七十七話

 なんてことだ。

 アトミックは自爆し、その姿は跡形もなくなった。

 髪の毛の一本すら落ちてくるものはない。

 

「ここまでするつもりはなかったのに……」

 

 変身が解けた美咲はそう呟く。

 恐らく……彼は木っ端みじん、いや爆風で全て焼き払われたのだろう。

 それ以外ありえない……。

 

「おっと、こりゃ嬉しいねえ。俺の死で罪悪感を覚えてくれるなんて」

「……ッ!」

 

 美咲は声の方へ振り向く。

 そこには。

 

「これが死ぬって感覚か。痛いし頭がクラクラするし、こんなの繰り返してよく気が狂わねえな」

 

 仮面ライダーアトミックが、余裕そうな構えでそう言っていた。

 そうだ、恐らく彼は美咲と同じ能力を使った。

 爆死でのみ蘇生が可能な、あの力を……。

 

「何故……」

「お前がそれを言うなよ。菫がお前の能力を俺に付与させたってだけ。なんも不思議な事はねえだろ?」 

 

 美咲は一瞬言葉を失う。

 だが何とかドライバーを操作して、変身しようとする。

 

「変身ですわ!」

『ERROR』

 

 端末からそう音声が流れた。

 よく見ると画面にはクールタイム云々の文字が。

 オールウェポンの代償……なのだろうか。

 

「おやおや、変身も出来ねえみてえだな」

「……!」

「消化不良ではあるが、出直しな。今の状態のお前を殴っても意味はねえしよ」

「くっ……」

 

 美咲が悔しそうにそう呟く。

 ここで引くわけにはいかない。でも……。

 

「交代だ美咲」

「ミサキ、コウタイ」

 

 ムラマサとグングニルの二人が、そう告げて美咲の前へ。

 

「二人とも……」

「俺達が何とか時間を稼ぐ。そしたら今度こそ頼む」

 

 ムラマサが顔を少しだけ後ろに向けて言う。

 

「裕太さん……」

「何分だ? 何分で変身が出来るようになる?」

「えっと……五分ですわ」

「分かった」

 

 会話を聞いていたアトミックが両腕を広げて、首を振る。

 

「お前達が次の遊び相手になるってか?」

「お前のせいで、俺は美咲を手にかけた。だから、お前を倒す為に役に立つ事が俺の贖罪だ」

「ちょっと責任転嫁が過ぎるな。後押ししたのは俺だが、やったのはお前だ。お前の心の弱さが、あいつを一度殺した」

「ああ。だから俺は俺自身も許さない。自分の身勝手で、俺や彼女を傷付けた俺の弱さを許さない。俺は美咲と共に、絶対お前を倒す」

「ヴィーダ、オマエ……キライ! タオス!」

 

 グングニルも槍を構えながらそう告げる。

 

「そうか。じゃあやってみな。どれだけ耐えられるか見てやるよ」

 

 アトミックが右手に炎を生み出す。

 

「行くぞ、ヴィーダ!」

「ウン、ユウタ!」

 

 二人はそのまま、地を蹴り駆け出していく。

 アトミックの手から、火炎弾が放たれた。

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