浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー 作:門矢心夜
「山内さん、その攻撃受けますわ。貴女の全力を受けても立っていられないようなら、私は貴女の上である資格はない……だから全力で来なさい」
ボマーが火炎放射器怪人に呼びかける。
「何言ってるんだ! あれを受けたらお前どころか俺達まで!」
「ジャンプして軌道をずらしますわ。それなら貴方達には当たらない……」
「けどそれじゃお前が!」
「私がやると言ったらやりますの!」
ボマーは力強く宣言した。
「私を……信じなさいな」
「覚悟は決まったの?」
「ええ。受け止めてみせますわ」
ボマーは高く飛ぶ。
「これで終わり! はあっ!」
火炎放射器怪人が火炎弾を放つ。
火炎弾は見事命中し、ボマーの全身を飲み込む。
「美咲!!」
※※※
炎は止んだ……。
死人はおろか、建物は一切損傷していない。
あの火炎弾は、ボマーの宣言通り……全て彼女が受け止めた。
「……」
火炎放射器怪人が笑う。
「やっぱり死んだか……まあ、分かっていた事だけど……」
「……まだ……ですわ……」
あの炎の中に消えた、そう思うしかなかった筈の美咲の声。
「!」
変身こそ解除されていたが、何とか体育館の屋根の上に立っていた。
制服の一部が焦げ、肌の一部が露出している。
だがボマードライバーは無事のようだ。
「どうして……」
「私は貴女より上に立つ人間……だから、あの攻撃くらい……受け止めて当たり前ですわ」
「ッ……」
「私は確かに、強引ですわ。勝つ為なら手段など選びませんし、受けた勝負は片っ端から受けて立ちますわ。ですが、誰にも認められずに勝っても……それはただの自己満足。私は貴女に負けを認めてもらうまで、何度だって攻撃を受け止めますわ」
美咲はもう一度、ボマードライバーを操作する。
『BOMER DRIVE READY?』
「変身ですわ」
構えてから、端末を取り付けた。
『COMPLETE』
ゆっくりと降ってくる爆弾を、美咲は握り潰す。
爆風の中から、再びボマーが現れる。
「ふざけるな……あたしは認めない! 絶対にアンタを認めない!」
火炎弾を放つ怪人。
しかし外してしまう。
「認められないのなら、もう一度撃ちなさい。今度は狙いなさい。そして貴女が私の上に立てばいい……でも、それを私が認めませんわ」
「くっ……ああああああああああああッ!」
怪人がボマーと距離を詰め、得意の炎攻撃を何度も浴びせる。
ボマーは避けない。
次の攻撃からは、むしろ外れる筈のものすら当たりに行っているように見える。
「山内……さん……それで終わりですか?」
「ああああああああああッ!」
炎攻撃から、拳に切り替える。
ボマーの顔面に、重い一発が入った。
だが彼女は怯まない。
「これで終わりですわ」
顔面に拳が突き刺さった状態で、端末を操作する。
『FINAL DRIVE!』
今度はバットを構え、ボムビットがバットを囲うように出現した。
「ライダーインパクト……」
怪人の脳天にバットを振り下ろしてから、今度は脇腹に向かって薙ぐ。
当たった瞬間、ボマー自身を巻き込む大爆発。
変身解除された怪人……山内がごろごろと転がってから気絶し、ボマーは多分あの爆発で死んだのだろう。
爆風から少し遠い所で、何もない所から復活し……天を指さしていた。
――おーっ! カブトのポーズだ!
「えっ!」
あれ自分は天国に行った的なポーズじゃないの!?