浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第百八十話

「そうだな。この前までそいつは俺の身体だったわけだし」

 

 仮面の下で笑みを浮かべるアトミック。

 

「お前に好き放題やられたが、今日で汚名返上させてもらう。大人しく俺に斬られてもらおうか」

 

 アークソードドライバーを操作する明人。

 

「……こいつは楽しめそうだ」

 

 アトミックがそれを同じ顔のまま眺める。

 

『ARC SWORD DRIVE READY?』

「……」

 

 何も言わず、端末を取り付けた。

 

『ARC COMPLETE……!』

 

 その姿は、今までの剣の怪人・改とは別物だった。

 元の意匠を残しながらも、複眼や若干さっぱり目のデザインから、怪人というよりかはライダーに近いフォルム。

 あれは……。

 

「まさか完成したのとやり合えるとはな……」

「……これが、今の俺の力」

 

 明人……剣の怪人・改が力を肌で感じる。

 手にした剣を構えてから、剣の怪人・改はその複眼でアトミックを見据えた。

 

「勝負だ、アトミック」

 

 剣の怪人・改は地を蹴って、アトミック目掛けて飛んでいく。

 

※※※

 

 何とか剣の怪人・改達を一体ずつ確実に二人で倒していた成音と蒲生。

 だがそれにも限界が近付いていた。

 二人は残り三体を目の前に、息を切らす。

 

「これ、いけるの……?」

「やるしかないっすよ。山内ちゃん……」

 

 もう一度駆け出そうとしたその時。

 

「排除……排除!」

 

 後藤が変身している一体が、禍々しいオーラと共に自分達目掛けて飛び込んでくる。

 他の剣の怪人・改とは違う重い蹴りが、火炎放射器怪人の腹に突き刺さった。

 

「……ッ!」

 

 次いでガス怪人の脇腹にも重い一撃を入れる。

 

「くっ……」

 

 それでは止まらず、追い打ちが二人の身体へと立て続けに放たれていく。

 最後は二人纏めて顔面を掴まれ、地面に引きずられてから、ブロック塀へと叩きつけられた。

 

「……なんて、力……」

 

 変身解除された成音がそう呟く。

 だが……。

 

「ぐあっ……ううっ……けほっけほっ……」

 

 変身が勝手に解除され、後藤は血を吐き出して倒れる。

 薬の副作用が、他の剣の怪人・改とは違う……このままでは。

 

「はい……じょ……」

 

 それでも後藤はもう一度変身しようとする。

 他の剣の怪人・改も全くそれを気にせずに、二人に向かおうとしていた。

 

「ここまでっすか……」

 

 蒲生が諦めた声でそう呟く。

 

「いいえ、まだ終わりませんわ!」

 

 遠くから聞こえた声。

 声の主はバイクと共に現れて、剣の怪人・改二体を軽く吹き飛ばす。

 ターンしてからメットを外し、剣の怪人・改を見て言う。

 

「倒れている仲間を無視するのは、生徒会として関心しませんわね」


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