浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第百八十三話

 ボマーはハイドロフォームを使って、剣の怪人・改と一対一の戦いに持ち込んでいた。

 蒲生……ガス怪人も一対一で、生徒会メンバーが変身しているそれと戦う。

 戦いの最中、ガス怪人が呟く。

 

「ったく、アンタもズルいっすよ。そうやって自分だけ強くなって、周りを置いていく。私はどんなに真面目にやってても、アンタの仕事ぶりには勝てやしない。これが恨まずにいられるかってんだ」

「恨まれ上等ですわ。それなら全部受け入れて、私が逆に認めさせてやりますもの」

「ふん、アンタを認めるのだけは御免って……何度言えば分かるんすか?」

 

 ボマーとガス怪人が、同タイミングで拳を使って敵を怯ませる。

 

「そんなの……私が聞くわけないですわ!」

 

 ボマーは剣の怪人・改を大きく吹き飛ばしてから、端末を取り出す。

 

「私は私が勝つまで何度も戦いますわ。私の理屈が、私の理想が、世の絶対となるまで……私は何度だって抗いますわ!」

『FINAL DRIVE!』

 

 剣の怪人・改の前で大きく飛び上がる。

 右足を突き出し、ボムビットを脚の周囲に集めてから大きな声で技名を叫ぶ。

 

「ハイドロボムキック!」

 

 青い爆風が、剣の怪人・改を吹き飛ばして変身を解除させる。

 ボマーは少し離れた場所で蘇生し、それと同タイミングでガス怪人も必殺技を発動。

 

『ヒッサツドライブ! 超フキトーブ!』

 

 ガス怪人の持つ銃から高圧のガスが放たれ、剣の怪人・改を吹き飛ばし変身解除。

 生徒会メンバーはぐるぐると回転しながら宙を舞い、地面へと叩きつけられた。

 

「これで……」

 

 終わったと思ったその時……。

 

「いじょ……排除……貴方達二人を排除する……」

 

 倒れていた筈の後藤が、再び立ち上がる。

 既に筋肉の隆起がかなり進行し、かなりの痛みに耐えているせいか汗の量も凄まじい。

 そして目から一筋の血が……とても身体が長くもちそうには思えない雰囲気だ。

 

「後藤さん……」

「変身……ッ!」

 

 小さいが何とか絞り出した声でそう呟き、端末のボタンを押す。

 

『ARC SWORD DRIVE READY?』

 

 重々しい音声と変身待機音が鳴り響く。

 

「はあッ……ぐっ……」

 

 苦しみながらもベルトに取り付け、完了音が鳴る。

 

『ARC……COMPLETE』

 

 空からゆっくりと、禍々しい光を纏う剣が舞い降りる。

 後藤がその柄を手に取ると、そこから彼女の身体が剣の怪人・改へと変貌した。

 

「うわあああああああッ!!」

 

 苦悶の声を上げながら、地を蹴ってボマー達に向かう剣の怪人・改。

 ボマーとガス怪人も武器を構え、彼女目掛けて駆けていく。

 

 

 


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