浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第百八十五話

 インフィニティドライブを躱した後、何度か剣を交え、明人はアトミックと距離をとる。

 互いに端末を取り出してから、ボタンを押す。

 

『FINAL DRIVE!』『ARC FINAL DRIVE……』

 

 剣の怪人・改の全身に禍々しくも、若干明るい赤と黒のオーラが纏いつく。

 アトミックはボマーよりも多いボムビットを脚に纏わせ、更に高く飛び上がった。

 右足を前に突き出して、アトミックは技名を呟く。

 

「ライダーボムキック……なんてな」

 

 アトミックはそのまま勢いよく掛け声と共に急降下。

 

「せやあッ!」

 

 アトミックのライダーボムキックに対し、剣の怪人・改も禍々しいオーラと共に姿を消して立ち向かう。

 ある程度の位置まで近づいた所で、剣の怪人・改が分裂して姿を現し、アトミックへと攻撃を叩き込む。

 

「……ッ!」

 

 アトミックの蹴りと、剣の怪人・改の斬撃が衝突し……激しい爆風が巻き起こる。

 剣の怪人・改は吹き飛ばされ、アトミックも死にこそしなかったが少しだけ距離を離された。

 

「お前じゃ、そう簡単には当たってくれねえか」

 

 アトミックが光剣を構え直し、剣の怪人・改も黙して武器を構える。

 もう一度アトミックが向かおうとしたその時、アトミックの持つ端末から着信音が鳴り響く。

 

「……なんだよ。今良いところなんだ」

 

 アトミックは不服そうに話を聞き、不機嫌そうな態度で「わーったよ」と呟く。

 終了ボタンを押してから、

 

「ちっ、いいところだったのによ」

 

 二号は指を鳴らして、光に呑まれ。

 どこかへと姿を消した。

 

「……」

 

 剣の怪人・改は先まで二号がいた場所を睨みつけてから、変身を解いた。

 変身を解いた明人の所に、裕太とヴィーダ、そして優香が近付く。

 

「明人っち、助けてくれてありがと系!」

「アキト、アリガトウ!」

「礼には及ばん。それよりも奴を逃がしてしまったな」

「……」

「福沢裕太」

「はっ……はい……」

 

 相手の態度に少し怯えた態度で答える裕太。

 

「怪我はないか?」

「あ、ああどうも……おかげさまで」

 

 裕太は頭を掻いてそう答える。

 

※※※

 

 俺はその後、すぐに蘇我高校にいる遥に通信を入れた。

 成音と蒲生が交戦していた生徒達の治療をしていた彼女に事の経緯を説明した後、

 

「そうか、二号の奴を逃がしたのか……」

「……はい」

「急ですまないが、一度校内を確認して欲しい。菫の存在が無い事を確認したら、拠点をそちらの体育館に移したい。そこにいる生徒を全員蘇我高校に移動させるのは恐らく無理があるからな……」

「分かりました」

 

 俺は指示に対してそう答えてから、全員で校舎内へ向かう。

 

 


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