浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー 作:門矢心夜
一時間足らずで全員に必要な処置を施し終えてから、次は美咲からボマードライバーとガスドライバーを預かり、明人からはソードドライバーを預かる。
アークソードドライバーも一応預かろうとしたが、使っている端子の種類が違い断念した。
「……これは使えんな」
「やはりそうですのね……」
「まあ相手も菫だ。敵をそう簡単に強化などさせてはくれまい。むしろ他二つを改造されなかった事を有難く思う他ないな」
「……」
さっき泣いた事で吹っ切れたのか、今は菫の事を話すときも無表情だ。
「とにかくもう時間がない。早急に取り掛かるから、適当に待っていてくれ」
「分かりましたわ」
※※※
皆が手分けして治療を行っていた時、俺とヴィーダは外で見張りをしていた。
「……」
「……」
なんというか、気まずい雰囲気だ。
ヴィーダもさっきからチラチラと自分の事を見ている。
何か話したそうなオーラは出ているのだが、ヴィーダにしては珍しく行動に移そうとしていない。
「……はあ」
仕方ない。ここは年長者の俺が声を掛けてみるか。
「何か話したい事でもあるの?」
「エッ? ト、トクニソンナコトナイケド……」
「なら何でそんなにチラチラ見るんだい?」
なんか違うな……これじゃ下手なナンパ師だ。
しかも相手が幼女だから周りから見れば更に誤解が……。
「……」
しかもヴィーダさん、そんな迷惑そうな顔で見ないでくれ。
そんな顔されたら余計誤解が生まれるだろ。
「アラテノナンパ?」
「いやお前どこでそんな言葉覚えた!?」
「ナリネガミテルテレビデソーイウノアッタ」
成音さんもこの子がいる時にそういうの見るなよ。
「はぁ、そうじゃなくて。さっきから結構こっちを見てるから、話したい事でもあるのかなって思っただけで、別に変な事は考えてないよ」
「ウワキデモナクテ?」
「だからちげえしどこで覚えた!? てか浮気以前に誰とも付き合ってねえ!」
「ミサキトラブラブ」
「ラブラブじゃない!」
成音にあとで言っておかないとな……。
「はあ、なんか……もう良いか。見張り続けようぜ」
「ネエ」
「ん?」
「ユウタハモトモトニンゲンダッタンダヨネ?」
「……ああ。そうだな。てか今も人間だと思いたいし、お前もそうだろ?」
「ヴィーダハ、ワカンナイ。ヴィーダハタタカウイガイマダナニモデキナイシ、ニンゲントハチガウ。ママヤナリネトハチガウヨ……」
「自分が戦闘マシーンだ……なんて思ってないよな?」
「オモッテルノカモ……」
「大丈夫だ。今そう思えなくても、ヴィーダは人間だ。今戦う事しか出来ないなら、終わってから色んな事が出来るようになれば良いさ。お前は俺と違って、ちゃんと未来があるんだからさ」
「ミライガアル? ドウイウコト?」
「ヴィーダにも相談しようかなと思ってたけど……俺、死んじゃうらしいんだ。近いうちに」