浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー 作:門矢心夜
いとも簡単に俺とヴィーダを倒したアトミックでも、やはり明人相手には少し手こずっていた。
明人の剣の怪人・改と仮面ライダーアトミックでは突然変異体としての能力の有無という明確な差があるが、明人の剣技は能力の無さを補うには十分なものだ。
「どうした……さっきより剣が雑だぞ」
「おっと、六角美咲と戦いた過ぎて焦りが出ちまったみてえだ」
仮面の下で笑みを浮かべるアトミック。
「何を企んでいる……」
「さあな、ただ一つ言えんのは、あいつの言う事聞かねえとならねえってだけだ。俺の為にもな!」
やけに興奮した様子で、アトミックが手から火炎を放つ。
しかし明人はそれにも構わず、剣でそれを振り払い、そしてアトミックを斬りつける。
アトミックは何とかそれを回避し、構えなおす。
「戦いに集中しろ。六角美咲の所に行きたければな」
「ああ……そうさせてもらうぜ」
アトミックがそう呟いて、もう一度駆け出す。
明人ももう一度それに対して、地を蹴る。
※※※
「外が騒がしいですわね……」
「……」
美咲がそう呟くと、治療の手伝いをしていた成音が戸を少し開けて外を見る。
「あれは……!」
「どうしましたの?」
「明人と二号が……戦ってる」
「……! 遥さん!」
「もう少しだ、もう少し待ってくれ!」
遥がそう叫ぶ。
「明人さん……!」
※※※
調子を取り戻したアトミック。
今度こそ掌を返すように、明人の剣を見切り始める。
「やるな……」
「なーに、お前の受け売りだ。冷静になったら、お前の剣を見切れるようになっただけさ」
「……!」
明人の剣の速度が上がる。
最早人間の動きではなくなっていたが、アトミックは構わずそれに対処し続けた。
「今度はこれでも試してみるか……」
アトミックが端末を操作し、ボタンを押す。
そして端末を取り付けた。
『INFINITY DRIVE』
また無数のボムビットが出現する。
明人が既に見切った経験のある技。
「……!」
それでも明人は警戒を怠らない。
「こういう時でも警戒を怠らないか、でもだからこそお前は面白くて面倒な奴だ」
アトミックの背後にあるボムビットが一斉に放たれる。
明人は剣を構えて準備する……が。
「そこか」
唐突にそう呟き、明人が背後に振り向く。
そこには明人の読み通り……瞬間移動したアトミックの姿が。
「バレたか……でもこれじゃあ見切って斬る事も出来ねえよな?」
「……!」
明人が動揺する。
何とかして回避しようと急降下を試みるがもう遅い。
ボムビットは放たれ、アトミックが動揺した明人を蹴り飛ばす。
「ここまでか……!」
死を覚悟する明人。
その前に……一つの影が。
影はボムビットを全て受け止めて、爆発に飲み込まれ消えていく。
「ぐあっ……」
地面へと叩きつけられる明人。
アトミックが明人に命中しなかったというのに、妙に嬉しそうな雰囲気へ変わる。
まさかあれを受け止めた影は……。
「ふぅ、今度ばかりは流石に痛すぎましたわ……」
「……」
一つの声が、倒れる明人の近くから聞こえる。
明人の目の前に、彼女の姿があった。
「大丈夫ですの? 明人さん」
「六角……美咲……」