浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

194 / 311
第百九十三話

「待ちくたびれたぜ……俺の最高の敵」

 

 アトミックがそう呟く。

 

「……良い響きですわね。そこまで褒めてくれたのは、貴方が初めてですわ」

「……ふっ」

「でも、それも今日で終わりですわ。貴方とは何度も戦いましたけど、それもここで……終わらせますの」

「そうだな。お前はここで殺す。俺の全力で」

「いや、違いますわ。私が勝ちますの」

 

 ボマードライバーをベルトから取り出す。

 いきなりスキャンボタンを押し、『ALL WEAPON』と書かれたカードを読み取る。

 

『ALL WEAPON DRIVE READY?』

「ハイパー超変身ですわ!」

 

 叫んでから、バックルに取り付ける。

 

『COMPLETE』

 

 美咲の周囲を複数の武器が取り囲み、一周してから美咲に吸い込まれていく。

 美咲はその姿を、仮面ライダーオールウェポンボマーへと変えていった。

 

「……」

 

 ボマーは仮面の下で目を閉じる。

 相手は今まで、何度も自分に立ちはだかった最強の敵。

 その人物との最後の戦いだ。

 絶対に勝つ。そう決めて、ボマーは叫ぶ。

 

「命、燃やしますわ!」

 

※※※

 

 ボマーとアトミックは二人とも、消えるような速度で互いの距離を詰め、第一撃を当てようとバットを……光剣を振るう。

 初撃は、互いの得物に防がれて終わる。

 そこから放たれたボマーの連続攻撃を、アトミックがボマーをリスペクトするかのようにわざと避けずに光剣で防ぐ。

 ボマーもアトミックと攻防が入れ替わった後、アトミックの光剣をバットで防ぎ続ける。

 

「はあッ!」

 

 火柱がアトミックの右手から放たれた。

 ボマーは何とかバットで防ぎながら進んでいく。

 瞬間移動並みの速度で再びアトミックの懐へ。

 そして、バットの柄のボタンで武器を切り替える。

 

『SPECTER SWORD』

 

 ムラマサの固有武器スペクターソードへと姿を変えたバットを、ボマーは振り下ろす。

 

「ふっ……」

 

 アトミックは雷を生み出し、ボマーの脚へと叩きつける。

 

「ぐあっ!」

「はあッ!」

「ぐあああッ!」

 

 光剣がボマーの腹をなぞった。

 その勢いで吹き飛ばされ、地面に突き刺さる。

 

「まだですわ……」

 

 すぐに起き上がるボマー。

 スペクターソードを構え直し、ボタンで今度は違う武器に。

 

『FLAME SHOWER』

 

 火炎放射器怪人の火炎放射器に変えてから、ボムビットの方も武器を変える。

 

『WEAPON DRIVE FLAME SHOWER』

 

 左手に吸い込まれるように、ボムビットから変化した火炎放射器が回転しながらボマーの左手へ。

 

「……!」

 

 二丁拳銃状態になったボマーが、アトミックに砲口を向ける。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。