浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー

第百九十四話

　火炎放射器に持ち替えてから、互いに遠距離戦闘へとシフトし始める。

　ボマーは火炎弾を砲口から、アトミックは手から炎を放ち、アクロバティックな動きで当てようと試みていた。

　勿論、この戦闘に切り替わってからお互い1ダメージも与えられていない。

　最初に攻撃を当てたのは、

「これならどうだ……？」

　アトミックだ。

　両手から反則級の出力の雷撃を放ち、ボマーの動きを封じた。

「くっ……」

「はあッ！」

　そのままアトミックの手から火炎弾が放たれるが、今度は何とか回避する。

　回避した上で、次はボマーの火炎放射器から火炎を放つ。

　見事にアトミックへと命中し、武器を切り替える。

『ＳＣＨＡＩＴＥＬ　ＳＣＨＬＥＥＧＥＲ』

『ＷＥＡＰＯＮ　ＤＲＩＶＥ　ＭＥＴＡＬ　ＳＷＯＲＤ』

　右手を基本の金色のバット『シャイテル・シュリーガー』、左手のボムビットを剣の怪人の武装『メタルソード』に変えて、構えなおす。

　オールウェポンの特性は、記録している武器の模倣や必殺技による怪人呼び出しが出来るだけでない。

　一つに記録している武器……正確にはその武器の力を持つドライバーの持ち主の身体能力が一部上乗せされる事。

　そして二つ目に、ドライバーの持ち主が抱く美咲のイメージがそのままボマー自身の力として上乗せされる事。

　今のボマーの武装は、美咲自身の力に明人の力を一部プラスした究極状態と言ってもよい。

「これが私の全力ですわ！」

「お前はすげえな……そんな風に慕ってくれる奴がいるなんてな。でも、そんなんなくても俺は俺自身の力でお前を叩き潰す」

　黒い光を放ちながら、瞬間移動並みの速さでボマーとの距離を詰めていく。

　ボマーも構えながら、身体に少しだけ力を込め、緑色の光を放つ。

「見えますわ……！」

「のあっ！」

　アトミックの光剣の動きを見切り、ボマーはバットで受け止めてから、アトミックの腹を斬りつける。

「はあッ！」

　そこから逆転していく。

　両手の武器による連続斬りでダメージを与えていき、武器を交差させてから相手を十字に切り裂く。

「ぬあッ！」

「これで終わりにしますわ……！」

　端末を操作し、バックルに取り付ける。

『ＦＩＮＡＬ　ＤＲＩＶＥ！』

　金色の光と銀色の光を両方の武器に纏わせ、そのままアトミックとの距離を詰める。

「ライダーツインストリーム！！」

　美咲が一番勝ちたいと思うライバルが読んでいた本に出てきていた感じの、二本の武器による十六連撃。

　それっぽい感じでアトミックに叩きつけ、最後の一撃は銀色の剣による刺突。

　見事にアトミックの脚を貫き、大ダメージを与え相手の変身を解除させた。