浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第二百二話

「今死なずに済む方法ですか?」

「ああ。問題を先送りにするだけに過ぎないし、解決出来るかどうかも分からないが、未来に賭ける方法だ」

「……」

「勿論、個人でこれを行うのは色々法律面で問題があるが、お前達の肉体の事を考えれば止むを得ん。私が提示する方法は、人体冷凍保存だ」

 

 聞いた事のある方法だ。

 確か数年前にも、癌で死期が迫っていた子供に対して処置を行ったとかなんとか。

 しかしあの技術は、まだ解凍後の肉体に対する影響などもあって、まだ一人の解凍も行われていない。

 

「冷凍保存……」

「この方法をやるには他にも問題があるがな。解凍方法もそうだが、そもそも私が生きている間に治療法が見つかるか。見つからなければ、最悪凍結されてそのままという可能性もあり得る」

「……」

「だから、それから美咲ともう一度会えるかどうかも分からない。慎重に選んでくれ。戦いが終わった後で残された時間をその身体で過ごすか、未来での再会に賭けるか」

 

 俺はそう言われて、少し考えた。

 菫と生きる事を望む一号がどちらを選ぶか、絶対に俺や一号を死なせないと決めている美咲がどちらを選ぶか。

 前までの俺なら、迷わず一つに絞れたかも知れない。

 でも今は違う。

 一つの判断で、俺は誰かを悲しませてしまう。

 少なくとも、これを今決めるのは無理だ。

 

「すみません、今これを選ぶのは難しそうです」

「そう言うと思って、一つ提案がある」

「提案ですか?」

「お前の持つ脳波制御能力で、その肉体の中に一号の脳波を入れる。そうすれば、ひとまず一号の肉体だけを冷凍保存出来る」

「……」

 

 確かに、合理的な判断だ。

 だが……一つ問題もある。

 

「一号がそれで良いのか、確認してからでも大丈夫ですか?」

「……問題ない」

 

 掠れた声が聞こえる。

 一号のものだ。

 

「一号!」

「話は聞いていた。福沢裕太、俺の事は気にせず……お前が決めてくれ」

 

 苦しそうな声で、何とか途切れ途切れの言葉を発する一号。

 

「けど……」

「良いんだ。時間が無いのだろう?」

 

 笑みを浮かべてそう答える。

 

「……分かった」

 

 俺は色々思う事がありながらも、遥に告げた。

 

「遥先生、お願いします。冷凍保存の準備を……お願いします」

「……了解した。早速準備に取り掛かる」

「……」

「今から設備がある私の研究所に向かう。一日掛かるから、明日の夜にそこに来てくれ。あとでお前のスマホに位置データも送る」

 

 遥はそう言ってから、体育館をあとにしようとする。

 だが立ち止まって、俺に問いかけた。

 

「最後に一つ聞きたい。本当にお前は、美咲には戦いが終わるまで何も告げないつもりか?」

「……未来の話も、まず生き残らなければ意味がありません。だから、戦いが終わるまでは隠し通すつもりです」

「……そうか」

 

 遥は今度こそ、そう残して去る。

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