浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第二百四話

 俺は一号にそう告げてから、すぐに美咲の家へと向かった。

 インターホンを鳴らすと、美咲ではなくおやっさんが出てきて、美咲なら今はいないと告げられ。

 その後で公園に向かった時、彼女の姿があった。

 

「……」

 

 もう始めてるのか、俺はそう心の中で呟いた。

 明人に具体的な方法がないならやっても仕方ないと言われたし、成音にも今日と明日一日くらいは休もうと言われたにも関わらず、美咲だけは特訓を始めている。

 

「たあッ!」

 

 サンドバッグに向かって、ライダーボムキックの構えで飛び蹴りを放つ。

 木の枝と繋いでいたロープがブチッと切れ、大きな音を立てて、地面へとサンドバッグが叩きつけられた。

 

「はぁ……はあ」

 

 美咲は息を切らす。

 頬についた汗を拭い、やや俯く。

 俺はその場に拍手しながら近づいた。

 

「裕太さん?」

「よう」

「……どこから見てましたの?」

「ライダーキックしてたところからバッチリ見てた」

「そうですのね」

「もしかしてまずかった……?」

「別に何も言ってませんわ」

 

 その割には少し顔を赤らめていた。

 そして何やら慌てた様子でサンドバッグを拾おうとしている所を、俺は呼び止める。

 

「なあ、美咲」

「なんですの?」

「明日久しぶりに俺と出掛けないか?」

「……! ど、どうして急に?」

 

 そういえばそうだ。

 俺……なんで最後に美咲と二人でいたいとか思ったんだろう。

 確かに美咲は仲間だと思ってるし、俺の事を考えてくれてるのは嬉しかったけど、別に特に二人きりでいたいとか……。

 というか、明日……最後に一人で遊ぶとかでも良かった筈だ。なんでよりによってこんな危険物娘と一緒とか思ったんだ……。

 

「あの……早く答えなさいな。男なら言うべき事はきっちり言いなさいな」

「うるせえ! 俺もなんでかよく分かんねえんだよ!」

「なんでかよく分からないのに来たんですの?」

「そうだ!」

「……はあ。まあ良いですわ。そこまで言うなら、私が貴方と出掛けて差し上げても良いですわ」

「お……おう」

「ただし条件がありますわ」

「条件?」

「ご飯奢りなさいな。あとツーサイドライバーとボルケーノバイスタンプを」

「おいおいご飯は良いとして何で玩具まで!?」

「私を誘うならそれくらいすべきですわ」

「無茶苦茶だ……」

「どうしますの? 行きますの? 行きませんの?」

 

 やっぱやめようかな。

 でも、これが最後と考えるとどうしても断りづらい。

 なんでかは俺も分かんないけど。

 

「分かったよ。行くよ行きますよ。だけど、俺の行きたい所にも付き合ってくれ」

「どんな所でも受けて立ちますわ。あ、ホテル連れていこうものならぶっ飛ばしますわよ」

「自意識過剰過ぎてツッコミきれんわ!」

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