浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー 作:門矢心夜
俺は一号にそう告げてから、すぐに美咲の家へと向かった。
インターホンを鳴らすと、美咲ではなくおやっさんが出てきて、美咲なら今はいないと告げられ。
その後で公園に向かった時、彼女の姿があった。
「……」
もう始めてるのか、俺はそう心の中で呟いた。
明人に具体的な方法がないならやっても仕方ないと言われたし、成音にも今日と明日一日くらいは休もうと言われたにも関わらず、美咲だけは特訓を始めている。
「たあッ!」
サンドバッグに向かって、ライダーボムキックの構えで飛び蹴りを放つ。
木の枝と繋いでいたロープがブチッと切れ、大きな音を立てて、地面へとサンドバッグが叩きつけられた。
「はぁ……はあ」
美咲は息を切らす。
頬についた汗を拭い、やや俯く。
俺はその場に拍手しながら近づいた。
「裕太さん?」
「よう」
「……どこから見てましたの?」
「ライダーキックしてたところからバッチリ見てた」
「そうですのね」
「もしかしてまずかった……?」
「別に何も言ってませんわ」
その割には少し顔を赤らめていた。
そして何やら慌てた様子でサンドバッグを拾おうとしている所を、俺は呼び止める。
「なあ、美咲」
「なんですの?」
「明日久しぶりに俺と出掛けないか?」
「……! ど、どうして急に?」
そういえばそうだ。
俺……なんで最後に美咲と二人でいたいとか思ったんだろう。
確かに美咲は仲間だと思ってるし、俺の事を考えてくれてるのは嬉しかったけど、別に特に二人きりでいたいとか……。
というか、明日……最後に一人で遊ぶとかでも良かった筈だ。なんでよりによってこんな危険物娘と一緒とか思ったんだ……。
「あの……早く答えなさいな。男なら言うべき事はきっちり言いなさいな」
「うるせえ! 俺もなんでかよく分かんねえんだよ!」
「なんでかよく分からないのに来たんですの?」
「そうだ!」
「……はあ。まあ良いですわ。そこまで言うなら、私が貴方と出掛けて差し上げても良いですわ」
「お……おう」
「ただし条件がありますわ」
「条件?」
「ご飯奢りなさいな。あとツーサイドライバーとボルケーノバイスタンプを」
「おいおいご飯は良いとして何で玩具まで!?」
「私を誘うならそれくらいすべきですわ」
「無茶苦茶だ……」
「どうしますの? 行きますの? 行きませんの?」
やっぱやめようかな。
でも、これが最後と考えるとどうしても断りづらい。
なんでかは俺も分かんないけど。
「分かったよ。行くよ行きますよ。だけど、俺の行きたい所にも付き合ってくれ」
「どんな所でも受けて立ちますわ。あ、ホテル連れていこうものならぶっ飛ばしますわよ」
「自意識過剰過ぎてツッコミきれんわ!」