浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第二百五話

 次の日の朝。

 俺は一号の看病もしつつ朝食を食べてから、適当な私服に着替えて美咲宅へ。

 ところが。

 

「……」

 

 インターホンを押して、五分以上経つが……ドアが開く様子はない。

 クソゲーのロードだって五分はないぞ。

 

「もしかして今日に限って寝てるとかねえよな」

  

 あいつが約束破るとは思えないけど……ここまで長いのは流石になんかあるな。

 化粧とかはしないとか前言ってたし、なんだろ。

 便秘か何か?

 まあ何でも良いか。

 流石にあと五分待っても来なかったら家に帰ってゲームでもやろう。

 俺がスマホを見始めたところで、やっとドアが開き、彼女の声が。

 

「おはようございますわ」

「お前遅くないか……?」

「うるさいですわね。女の子の準備は時間掛かるものなんですわよ」

 

 そう言いながら出てきた彼女の姿を見て、俺は驚いた。

 何と彼女……確かに化粧こそしていないが割ときちんとした服で外に出て来た。

 何というか、デートの時着そうな感じの服……。

 あー、もう。説明難しくて語彙力消えたわ。

 これは流石に時間掛かるわな。

 

「なんか凄い見てますわね。別に何もおかしくありませんわよ」

「別に見てねえよ」

 

 そりゃそんな服でお出かけとか言われたらね。

 適当な感じで決めた俺が馬鹿みたいになるじゃないか。

 いや……もうどっちが馬鹿だか分かんねえな。

 何ならこいつにも適当な感じで決めて欲しかった感あるぞ。

 

「ほら、早くしないと置いていきますわよ」

「……へいへい。っておい」

「どうしましたの?」

 

 その服装で蟹股になってバイク乗るな。

 てか……。

 

「お前無免許だったよな?」

「問題ありませんわ。ひとっ走り付き合いなさいな」

「やだ!」

 

 事故りたくない。

 

「問答無用ですわ」

「ダレカタスケテ……」

 

※※※

 

 無免許の割に中々上手い運転に驚かされたが、取り敢えずショッピングモールへ到着。

 仮面ライダーを見ていた影響なのか?

 

「さ、着きましたわ」

「お前こんな運転どうやって?」

「実はもとか……いえ、昔ある人の運転をよく見てたんですわ」

 

 言い直しが気になったけど聞いてみるか。

 

「そいつはどんな奴なんだ?」

「今の私を創ってくれた人ですわ」

「もしかして、前話してくれた人?」

「そうですわね」

「……まさかとは思うけど、お前やそいつが中坊だった時か?」

「そうですわね」

 

 おまわりさんこいつらです。

 

「もう流石に時効効きますわよね?」

「そういう問題じゃないだろ」

「さっ、ツーサイドライバーとバイスタンプ奢って貰いますわよ」

「聞けよ俺の話」


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