浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第二百十八話

 そう。倒した筈のモブ五人がこの学校に……。

 

「地の文でも俺達をdisるのやめろよ!」

「しょうがないだろお前達の名前知らねえんだから!」

「というか……私でもショッカー戦闘員の中の人が誰かなんて聞かれても分からないですわ」

「くーっ! 折角来てやったのに馬鹿にされるとは……」

「来てやった? どういう意味ですの? それは」

 

「俺が呼んだ」

 

 その声と共に現れたのは明人だ。

 後ろに、何人かの生徒を連れてきている。

 覚えている者もいた。

 確か……優香の友人の前田と、生徒会メンバー……あと。

 

「第二話で俺にボールをぶつけた奴と、俺を殴ったヤクザ?」

「だからなんで話数で説明するん!?」

「この方が分かりやすいだろ。だってそれ以外で俺以外の誰が分かるんだよ」

「うう……言い返せない。フクの癖に生意気だ!」

「裕太さん?」

「なんだよ」

「蘇我高校での貴方の地位……の〇太と同格みたいですわね」

「分かってる事を言うな馬鹿」

 

 恥ずかしい。

 

「それはそうと明人さん、何故蘇我高校の生徒達を?」

「今日からの特訓の為だ。分かっているとは思うが、アトミックの強さは次元を超えている。俺の呼べる範囲で、手練れを用意した」

 

 手練れであればある程、俺のトラウマに深く突き刺さるんだよなあ……。

 

「フク! お前何ビビってんだよ」

「フクって呼ぶなフクって。しょうがないだろ、お前らにされた仕打ちのせいで、俺一時期飯も食えないくらいにだな」

「会長、早く戦わせて欲しいっす」

「聞けよ人の話!」

 

 もうやだここの生徒達。

 

「まあ待て。ところで美咲と裕太……課題の方は見つかったのか?」

「それが……」

「……まあ想定内だ。俺がお前達の戦いぶりを見て、どう鍛えるべきかも昨日一日考えていた」

「あ、ありがとうございますわ」

「詳しい作戦は俺と成音で立てようと思うが、まずは前にお前やヴィーダが言っていた通り、フォームチェンジに頼らずとも独力である程度戦えるだけの力を付ける特訓をするぞ」

「了解ですわ」

 

 少し経ってから、成音とヴィーダも現れた。

 

「ミンナオハヨ!」

「これで全員揃ったか」

 

 明人がそれを確認して、コーチの如くその場を纏め始める。

 

「それではこれから、一週間後に備えて訓練を始める。それぞれの課題を彼らと共にこなそうと思う。まず人の組み合わせと課題だが……」

 

※※※

 

 そうして特訓が始まろうとしていたその時、体育館にいた狩野遥は誰もいない事を確認し……自分の持つ荷物の中からロードドライバーを取り出して、それを見て呟く。

 

「もう彼女らに負担は掛けられないな」


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