浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー 作:門矢心夜
ヴィーダは成音とタッグを組んで特訓する事になった。
相手は蘇我高校生徒会の面々。
成音は恐らくアトミックと戦う事はないと思うが、その場でまた別の者と対峙する可能性は大いにあるだろう。
成音とヴィーダには二つの戦い方がある。
成音が火炎放射器怪人、ヴィーダが仮面ライダーグングニルとして二人で戦う手と、ヴィーダにフレイムシャワードライバーを渡してフォームチェンジさせる方法。
それを今まで以上に上手く使い分けるのが、この特訓の趣旨だ。
「ヴィーダ、大丈夫そう?」
「ハンダン……ムズカシソウ」
「取り敢えずまずはやれるだけやってみようよ」
「ウン……!」
ヴィーダがごくりと唾を飲み込む。
この特訓には、今まで成音一人でやってきた事を、ヴィーダも判断出来るようにするという目的がある。
確かにヴィーダは強いが、まだ他のメンバーに比べれば判断力に欠ける面があった。
それもその筈、ヴィーダは知識と力こそあるものの、経験があまりないのだ。
美咲や明人がずば抜けて強いのも、昔からの戦闘経験あってのもの。
よって、もしヴィーダが経験を身に付ける事さえ出来れば……最強格の二人に並べるくらいの強さになるかも知れない。
――でもいきなり生徒会相手か……。ヴィーダはともかく、私はどこまでやれるのかな。
比較的普通(?)の県立女子高である〇×女子高の生徒会と違い、蘇我高校の生徒会は学校の運営力があるのと同時に、喧嘩で強い者でなければ選ばれない……らしい。
無茶苦茶な選定だとも思うが、蘇我高校生徒会の面々の強さはある意味保証付きという事になる。
「始めても良いか?」
「ええ。あたしもヴィーダも準備OKよ」
「オッケーダヨ!」
「へっ、んじゃあ……行くぜ」
そう言って生徒会メンバー達はドライバーを腰に着ける。
〇×女子高の生徒から回収した、量産型のドライバーだ。
それぞれ武器の形をしたバックルの端末を取り出し、ボタンを押す。
そして構え、ベルトに取り付ける。
「いくよ、ヴィーダ」
「ウン!」
成音はベルトを取り出し、装着。
ヴィーダもバックルを取り出し、腰に当てる。
ベルトが自動的に伸びて、ヴィーダの腰回りを覆う。
成音とヴィーダは変身用のボタンを押す。
『FLAME SHOWER DRIVE READY?』
『GUNGNIR ON』
ヴィーダが槍型のガジェットを投げてキャッチし、成音も端末を閉じてから構える。
「変身」「ヘンシン!」
成音はベルトに取り付け、ヴィーダは槍型のガジェットを差し込む。
『COMPLETE』『CHANGE』
成音は火炎放射器怪人へ、ヴィーダは仮面ライダーグングニルへとその姿を変えた。