浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第二百二十八話

「待ちなさいな! どういうつもりですの!?」

「どうって、ただお前達を止めるだけだぜ」

「美咲さんには悪いけど、俺ら……どうしてもアンタ達に戸間菫とかって奴を倒してもらいたいんだ。あいつは蘇我高校の面目が潰された原因でもあるからな」

「だったら……それがあたし達に対する態度なの!?」

「さっきから言っているだろ。リスクを犯してでも助けるべき相手じゃねえって」

「アンタ達がその分強くなれば、問題ないっしょ」

 

 そんな争いに対して、明人が珍しく叫ぶ。

 

「やめないかお前達」

「……ッ!」

「リスクがある事くらい、こいつらも分かっていてやろうとしている。それを邪魔する権利は誰にもないはずだ」

「けど明人さん、明人さんだって遥先公や戸間菫のせいで酷い目に遭わされたんすよ! 俺らなんかよりよっぽどひどい目にあって、そんな身体になって……それなのに何で、そいつらの肩を持つんすか! 俺ら、明人さんの為にも……こいつらに戸間菫達を倒して欲しいんすよ!」

「なら何故そこまで威張る? もしそこまでリスクを犯して欲しくないのなら、お前達がやれば良い。良いか? 蘇我高校の面目が潰されたのは、戸間菫でも、彼女のせいで復讐の道を選んだ狩野遥でも、ましてや戦いで負けたヴィーダのせいでもない。俺達の弱さだ。力と賢さがあれば、蘇我高校を自分達の手で守る事が出来た筈だ。それをしなかったのは、それをしようと努力しなかったのはお前達だ。俺がお前達に特訓の手伝いを頼んだ時だって、死ぬ覚悟で自分達が戦うと言う事も、行動する事も出来た筈だ。それすらせず、自分が傷付こうという考えすらもたず、人に運命を委ねた分際で彼女らの行いを阻もうとするなど……正気の沙汰ではないな」

「……」

「もう一度選ばせてやる。汚名返上したいのであれば、はっきり言って今のこいつらに運命を任せるべきではない。必ず勝てる保障などどこにもないのだからな」

「俺は……俺達は……」

「手が震えているぞ。どうしたんだ? お前は……汚名返上したいのだろう? ならば、簡単に答えを出せる筈だ」

 

 明人の厳しい言葉に、生徒達がベルトを外す。

 

「お前達だけでも行け」

「明人さん……ありがとうございますわ」

「……」

 

 美咲達と共に、成音は走っていく。

 そのまま手分けして、学校の外へ。

 明人はそれを見届けてから、生徒達に告げた。

 

「美咲達は行った。早く決めた方が良いぞ。あいつらに運命を委ねるのか、それとも自分達が傷付く覚悟で戦うのか」


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