浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第二百三十五話

「なあ、聞いて良いか?」

「なんだよ」

「山内成音の話聞いて、居ても立っても居られないって奴いるか?」

「はあ? あんな女の言葉にイラついてんのか? お前もちいせぇ奴だな」

「ふん……だけど、ホントに小さいのはどっちなんだろうな」

「お前、どっちの味方するつもりなんだよ」

 

 首を掴まれる生徒。

 

「確かにこの発言は、お前達に対する裏切りだったかも知れない。けど、明人さんや前田は、なんで狩野遥を助けようとするんだ? なんで……自分が死ぬかも知れないと分かっててさ」

「……」

「俺らが……ビビりだって言いてえのか?」

「助けようとしなかったり、あくまで手伝いしかせず、自分達の手で戸間菫とかいう奴を倒そうとしないという事実がそれを示してる。それとも……あいつらがもし死んだとしたら、俺達だけで何とか出来るのか?」

「……」

 

 首を解放されてから、ベルトを着けて言う。

 

「俺は……やっぱり行こうと思う。さっきの台詞、聞き捨て出来ないしな。それとも、お前達は自分で自分達の価値を下げるような真似をこれからも続けるのか? 俺達蘇我高校は、そんなちっぽけな高校だってのか?」

 

 その生徒はそう告げてから、外に向かって走っていく。

 

「私も行く」

「俺も……」

 

 その生徒についていくように向かう者達。

 残ったのは、さっきまで美咲や成音と言い合っていた一人のみ。

 

「……ったく、なんだってんだよ」

 

 その生徒も、仕方ないなと言いたげな顔でベルトを持って走り出す。

 

※※※

 

「くっ……」

 

 ロッドドライバー、アックスドライバーを破壊され、残り一つ。

 ガンドライバーを装着し、ガンマンのようなガン怪人へと変身。

 何とか足元に拳銃を撃ってけん制し、その隙にもう一度ドライバーを操作。

 

『FINAL DRIVE!』

「うわああああッ!!」

 

 成音は叫びながら、引き金を引いて強力な弾丸を放つ。

 貫通こそしなかったが、動きが止まったその瞬間に飛び蹴りをかます。

 

「はあああッ!」

「ふんッ!」

 

 だが、あともう少しの所でバックルを破壊され……変身が解ける。

 

「しまっ……」

「ナリネ!」

 

 グングニルが成音の前に現れ、何とか追撃を防ぐ。

 

「ハアッ! ウワアッ!」

 

 防御を弾かれ、グングニルと成音がドミノのように倒される。

 

「……ッ!」

 

 もう終わりだ。

 そう思ったが……。

 

「ふん」

 

 小さな声共に、銃が一発撃たれる。

 剣の怪人・改達がその音に釣られて、成音達を見逃す。

 成音もその方向を向くとそこには……ガン怪人が立っていた。

 

「イキってた割に、銃の扱いはまだまだみたいだな」

 

 そう告げたガン怪人は、向かって来た剣の怪人・改のベルトに銃を放つ。

 バックルが破壊され、剣の怪人・改の変身が解ける。

 

「さあ、ドンドン来い」

「ちょっと、私もいるんだから私にも一人倒させなさいよ」

 

 ガン怪人の隣には、斧の怪人に変身した女子生徒も。

 

「……」

 

 その後ろから、量産型ではなくオリジナルのソードドライバーを使う剣の怪人まで現れる。

 

「もしかして……」

「ああ、まったくの不本意だがな」


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