浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第二百三十七話

 戦いを続けていたボマー達。

 しかし……。

 

『TIME OUT……TRANCE END』

 

 ボマーのオールウェポンが切れ、強制的に変身が解けてしまう。

 

「えっ……うわあッ!」

 

 ボマー――美咲が大きく吹き飛ばされ、地面へ叩きつけられる。

 

「しまった……」

「美咲!」

 

 ムラマサが美咲を助けに向かう。

 明人も何とか戦いを終わらせようと、剣を振るう速度を少し上げる。

 優香と前田は……既に限界が近付いていた。

 

「……ッ!」

 

 美咲は生身のままもう一度駆け出そうとする。

 その時。

 

「お前がそこまでする必要はねえぜ」

 

 聞き覚えのある声。

 それと同時に、隕石の如く……火炎弾が空から剣の怪人・改達へと放たれる。

 桁違いの威力のそれは剣の怪人・改を着弾と同時に飲み込み……一瞬にして消し炭に。

 変身解除すらないまま、その姿を物言わぬ塵へと変えた。

 

「あいつも小物臭え割に、結構頑張るじゃねえか」

 

 そう言いながら、二号が生身の状態で降り立つ。

 

「貴方……」

「おっと、あいつらの処分もしねえとな」

「させませんわよ!」

「おいおい、こいつらは戦う以外何も出来ねえ。それに適当に作られた身体だ。助けようとした所で手遅れだぜ」

「だからって……」

「おいおい、口動かす前に手動かした方が良いぜ」

「……!」

 

 既に変身解除して倒れている人型も、火炎弾で焼き尽くす。

 もう死んでいたのだろうか、それともそういう思考に至らなかったのか。

 人型は指一つ動かす事なく、先に燃やされた彼らと同じ末路を辿った。

 

「にしても、あいつも酷い事をするよな。こんなにいたずらに命を作ってよ……。んまあ、あいつに道徳なんてもんを期待するだけ無駄か」

「……ッ! 秀奈あああああッ!!」

 

 そう言って武器を構えて駆け出したのは、ムラマサ……恐らく一号の人格だ。

 二号の本名らしきものを叫びながら、刀を二号目掛けて振り下ろそうとする。

 

『COMPLETE』

 

 二号はすかさずアトミックへと姿を変えた。

 

「お前……裕太じゃねえのか」

「俺はお前を許さない。悪戯に命を奪うお前を許さない!」

「お前がその言葉を吐く資格なんてねえだろ。お袋の命令ってのを免罪符に、お前は二つも命を奪った。俺はその数が増えただけ……お前も俺と同じだ! 健斗!」

 

 一号の本当の名を叫びながら、ムラマサの振り下ろした刀を掴んで蹴り飛ばす。

 

「……ああ。そうだ。俺はお前と同じだ。けど、俺はもう誰に何を言われても……絶対に命を奪わない。それを裕太と美咲に誓ったから!」

「面白れぇ。良いぜ、戦ってやるよ。今度が楽しみだな」

「待て!」

 

 ムラマサは追いかけようとするが、瞬間移動でその場から姿を消す。

 

「くっ……松永秀奈あああああああッ!!」


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