浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー 作:門矢心夜
戦いを続けていたボマー達。
しかし……。
『TIME OUT……TRANCE END』
ボマーのオールウェポンが切れ、強制的に変身が解けてしまう。
「えっ……うわあッ!」
ボマー――美咲が大きく吹き飛ばされ、地面へ叩きつけられる。
「しまった……」
「美咲!」
ムラマサが美咲を助けに向かう。
明人も何とか戦いを終わらせようと、剣を振るう速度を少し上げる。
優香と前田は……既に限界が近付いていた。
「……ッ!」
美咲は生身のままもう一度駆け出そうとする。
その時。
「お前がそこまでする必要はねえぜ」
聞き覚えのある声。
それと同時に、隕石の如く……火炎弾が空から剣の怪人・改達へと放たれる。
桁違いの威力のそれは剣の怪人・改を着弾と同時に飲み込み……一瞬にして消し炭に。
変身解除すらないまま、その姿を物言わぬ塵へと変えた。
「あいつも小物臭え割に、結構頑張るじゃねえか」
そう言いながら、二号が生身の状態で降り立つ。
「貴方……」
「おっと、あいつらの処分もしねえとな」
「させませんわよ!」
「おいおい、こいつらは戦う以外何も出来ねえ。それに適当に作られた身体だ。助けようとした所で手遅れだぜ」
「だからって……」
「おいおい、口動かす前に手動かした方が良いぜ」
「……!」
既に変身解除して倒れている人型も、火炎弾で焼き尽くす。
もう死んでいたのだろうか、それともそういう思考に至らなかったのか。
人型は指一つ動かす事なく、先に燃やされた彼らと同じ末路を辿った。
「にしても、あいつも酷い事をするよな。こんなにいたずらに命を作ってよ……。んまあ、あいつに道徳なんてもんを期待するだけ無駄か」
「……ッ! 秀奈あああああッ!!」
そう言って武器を構えて駆け出したのは、ムラマサ……恐らく一号の人格だ。
二号の本名らしきものを叫びながら、刀を二号目掛けて振り下ろそうとする。
『COMPLETE』
二号はすかさずアトミックへと姿を変えた。
「お前……裕太じゃねえのか」
「俺はお前を許さない。悪戯に命を奪うお前を許さない!」
「お前がその言葉を吐く資格なんてねえだろ。お袋の命令ってのを免罪符に、お前は二つも命を奪った。俺はその数が増えただけ……お前も俺と同じだ! 健斗!」
一号の本当の名を叫びながら、ムラマサの振り下ろした刀を掴んで蹴り飛ばす。
「……ああ。そうだ。俺はお前と同じだ。けど、俺はもう誰に何を言われても……絶対に命を奪わない。それを裕太と美咲に誓ったから!」
「面白れぇ。良いぜ、戦ってやるよ。今度が楽しみだな」
「待て!」
ムラマサは追いかけようとするが、瞬間移動でその場から姿を消す。
「くっ……松永秀奈あああああああッ!!」