浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第二百三十八話

 そしてそいつは……勿論成音達の所にも現れた。

 

「!」

 

 蘇我高校の生徒達が剣の怪人・改の集団を倒し終えた後、脳波感知能力を持つグングニルが、気配の方へと目を向ける。

 どこからともなく、光の中から二号が現れ……ニヤリと笑みを浮かべた。

 

「オマエ……!」

 

 グングニルが槍を構えて前に出ようとする。

 

「こっちにもいたな。可哀想な奴らが」

 

 二号はグングニルにすら目もくれず、今にも死にそうな人型を見ながら歩く。

 

「お前が戸間菫が作ったっていう人形か?」

 

 剣の怪人がやや警戒しながら、二号に問いかける。

 

「その人形っていう言葉が、そこのゴミクズや小娘と同じって意味だとしたら……違うな。俺をこいつらと一緒にされちゃ困るぜ」

「……」

「なんだその目……俺とやるか? 勝てもしない喧嘩をして、余計に学校の評判でも落とすか?」

 

 二号が興味もないと言わんばかりに、剣の怪人には目も向けない。

 

「そうか、お前も俺らを馬鹿にしてんだな」

「六角美咲や足利明人でも倒せねえ俺を、お前達がどう倒せるのか教えて欲しいぜ。とにかく……こいつらを消すのが先だ」

「マッテ、マサカオマエ……!」

「ああ……こうするさ」

「ダメ……ッ!」

 

 グングニルの叫びも虚しく、二号が放った火炎で人型は激しく燃えていく。

 抵抗一つなく消し炭になり、消し終えると同時に一息。

 

「小娘も、それに健斗も……馬鹿な奴だな。こんな奴ら、生かしておいて何になるんだよ。こいつらは戦う為だけにしか生きられない。食事をすることも誰かを愛する事も出来ねえ。そんな奴ら生かしておくのが、こいつらの最善? だとしたら……とんでもねえ馬鹿だな。戦う為だけに生まれた奴が戦えない状態で生きるのは死ぬよりも辛え。テメエらや俺とはちげえんだよ」

「ダカラッテ……コロシテイイリユウニナンテ……」

「なら今度戦う時、お前の手足を全部切り落として生かしてやるよ。その手足がなかったら、お前が生まれてきた目的も果たせねえ。そうだろ?」

「……!」

 

 脅されたグングニルが握った槍を震わせる。

 こいつを今すぐ倒したい……と心が抑えきれなくなっていた。

 

「おいお前……自分で仲間を焼き殺して何とも思わねえってのか?」

「仲間って言葉だけは否定させて欲しいが……正直思ってるぜ。戦う為だけ生まれて、目的すら果たせずに死んで残念だったなってな」

「オマエッ!」

 

 グングニルが二号にそう叫ぶ。

 

「オマエハユルサナイ! イマココデ、ヴィーダガオマエヲタオス!」

 

 グングニルが左手をかざす。

 変身していない二号を囲うように炎の魔法陣が出現する。

 対して二号は瞬間移動は愚か、避けようとすらしない。

 ただ笑って立つのみ。

 

「ハアッ!」

 

 もしかしたら殺してしまうかも知れない。

 それすら考えず、グングニルは魔法陣から槍を放つ。

 

「変身するまでもねえな」 

 

 二号はそう告げて、自分に向かってくる槍を徒手空拳で防ぎきる。

 彼の身体から血が出るが、致命傷は一つもない。

 血が流れ、一部が焦げた身体を……二号が指鳴らし一つで元に戻す。

 

「はっはっは……いてえいてえ。良かったな小娘。俺にダメージが通ったぞ」

「……!」

 

 グングニルが悔しそうに槍を握りしめる。

 

「時間与えて二日……どんだけ強くなってるかと思ったら、まさかこの程度なんてな」

 

 二号がつまんなそうにそう言う。

 

「忘れんなよ。今度負けたら、次はねえぜ。腕や脚を引きちぎられるか……それとも死ぬか。好きな方選んで待ってな……ははは」

「マテ……マテ!」

 

 グングニルがそう叫ぶ時には、二号の姿は無かった。

 それを見てから変身を解き、ヴィーダは拳を地面へ叩きつける。

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