浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第二百四十一話

「なんなんださっきの。フクにしては結構言ってたな」

 

 剣の怪人に変身していた生徒が言う。

 

「でもよ……フクにしては変じゃなかったか? イキってるわけじゃなくて、アレはマジに聞こえたぜ」

「あたしがボールを投げまくったフクは……ああじゃなかったわ」

「痴漢が来るーって言われて焦って追いかけてたフクじゃなかったわよねアレ」

 

 ――蘇我高校の女子生徒達酷すぎるわね……裕太を何だと思ってるのかしら。

 

「今のあの人は、アンタ達の知ってる裕太じゃないわ」

「あ? どういうこったよ」

「……そもそも、裕太のあの身体はあたし達と違う。戸間菫によって造られたもの。そしてあの身体には……人格が二つある」

「人格が二つ……?」

「ええ。あの人は裕太じゃなくて……あたし達が一号って呼んでる人。戸間菫の実験の被験者にして、本物の福沢裕太を殺した人。それに……戸間菫の命令で、遥さんの大切な人を殺した人」

「ま、マジかよ……」

「じゃあ、俺らのパシ……先公だったあいつは……」

 

 なんかまた可哀想な響きが聞こえたけど、空気的にスルーね。

 

「裕太であって裕太じゃない……人造人間だったって事よ」

「……マジかよ」

「でも……それなら腑に落ちるな。ドライバーを盗んだわけも、狩野遥の計画を最初邪魔しようとしたわけも」

「……」

 

※※※

 

「ナンデ……ミンナコワガルノカナ……」

「……」

 

 ヴィーダが分からないと言いたい顔で、健斗の方を見る。

 

「俺にも分からん。ただ分かるのは、あいつらに任せた所で……何の成長にも繋がらないという事だけだ」

「イチゴウハ、ヴィーダノキモチワカッテクレル?」

「ああ……分かるさ。俺だって、あんなに簡単に命を奪うあいつを黙って見過ごせない。それに……俺はあいつが幼馴染だった事を思い出したんだ。あれ以上、あいつに罪を重ねさせたくない」

「ヴィーダモ、アイツトメタイ」

「ああ……」

 

 健斗は俯きながらそう呟く。

 

『健斗……』

「なんだ、裕太」

『これからどうする気なんだ? お前とヴィーダだけで』

「……何か別の方法を探すまでだ。幸いヴィーダはやる気だ。ヴィーダと共に特訓する……という手もあるのではないか?」

『そうだな……それもそうかも知れないな』

「大体、あいつらとの特訓は……お前にとっては苦痛な筈だ。お前はあいつらのせいで体調を崩していたではないか」

『……』

「お前の為にも、俺達だけで特訓する。ヴィーダ、組み手でもするぞ」

「ウン、ワカッタ」

 

 健斗に対してヴィーダが左拳を握って答える。

 朝六時。二号が告げた約束の日まで、三日と十数時間。

 

 

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