浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第二百四十三話

 特訓の開始時間が過ぎても、ヴィーダ達は戻ってこない。

 

「ったく来ないな」

「あいつらなんてどうでも良いよ。どうせ作りもんなんだから、俺らと違って恐怖とかないんだろ」

「ちょっとそんな言い方はないでしょ!」

 

 成音が昨日健斗に掴みかかった生徒に怒鳴りつける。

 

「残っている者達だけでも特訓を始めるぞ」

 

 明人がそんな様子を気にも留めずにそう告げた。

 

「明人さん……あの二人がまだ」

「……お前達と特訓する気がない者を呼んだ所で意味はない。それに……もし昨日の戦いで犠牲者が出たとしても、お前達は同じことを言えるのか?」

「……」

「そういう意味では、ヴィーダも正論だな。お前のように敵を目にしただけで戦意喪失するような者が、一体何を教えられると言うのだ? 昨日の俺や山内成音の言葉、それにあいつとの出会いで、少しは良い刺激になったのではないかと思ったが、お前は違うようだな」

「明人さん……」

「もう良い。帰れ」

「え……でも」

「俺の見込み違いだった事を今詫びる。分かったらさっさと帰るんだ」

「明人さん!」

「ちょっと、酷すぎるんじゃないんすか明人さん。明人さんだって、あの二人がいなければ無理だと言ってたじゃないすか!」

「昨日の話を忘れたのか? 俺は確かに事実として、お前達が戦って勝つのは不可能だと言った。だが特訓の手伝いの話を出した時、お前達は誰か一人でも彼女らに任せる事に異を唱えたか? それに気付かないお前達に、俺や山内成音が奮い立たせたというのに……こいつは全く成長していない。勝てもしない奴が戦うと吠えている方がまだマシだ」

「……ッ」

「他の者もそうだ。もし自分が戦うと考えたら怖いと思うなら、今すぐに帰れ。そんな奴が特訓を手伝う資格はない」

「……」

 

 数人くらいが、体育館へと戻っていく。

 残ったのは、ほんの数人だ。

 

「明人、良いの? これで」

「会長ぉ」

「俺は別に強制はしていない。半端な者があいつに立ち向かおうとしても意味はない。ただそれだけの事だ」

 

※※※

 

 組み手を続ける健斗とグングニル。

 スペックこそグングニルの方が上だが、健斗も負けじとそれに追いついていく。

 ある程度の所で刀を収め、健斗はグングニルに問いかけた。

 

「一つ聞きたいんだが良いか」

「ドウシタノ?」

「俺は狩野遥の大事な人を殺し、裕太の命を奪った。菫の命令とは言え、実行したのは俺なんだ。そんな俺が……あいつらの死に怒りを覚えた。お前はおかしいと思うか? あと……俺の事は、大丈夫なのか?」

「……ワカンナイ。ヴィーダニハ、イチゴウガダレカヲキズツケルヨウニハミエナイシ、ジッサイソレヲミタワケジャナイカラ……。ケド、ヴィーダモソコハミサキトオナジ。ソレハイチゴウガカワレタッテコトダヨ」

「そうか……」

「コッチモキキタイ」

「なんだ?」

「イチゴウハ、ジブンガアイシテイタアイテトタタカウノ……コワクナイノ? モシカシタラ、タタカイニマキコマレテシヌコトダッテアルカモシレナイ。イチゴウハソレデモ……タタカウノ?」

「ああ……戦う。まだ美咲と裕太に対して、何も償えてないからな」

「ツグナイ……」

「でも、それだけじゃないかも知れない。俺がこうして戦おうとしてるのは……」

「?」

「いや、今は良いか。特訓を続けよう、ヴィーダ」

「ウン!」

 

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