浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第二百四十九話

 その後何度か戦闘を行い、美咲と遥はログアウト。

 上体を起こしてから、美咲は呟く。

 

「しかし、生身の身体を動かせないとやっぱり戦ってる感があんまり出ませんわね」

「お前は身体能力云々より、まず戦い方に問題があるからな。と言っても……どうやら戦い方を変える気はないようだが」

「私はどんな相手でも正々堂々とやりたいんですわ」

「……(勝てない相手を毒殺する為に料理が上手くなった奴の言葉とは思えんな)」

「何か言いましたの?」

「何でもない。休憩しよう」

 

 遥は咳払いしながらそう告げて、冷蔵庫に入っていたお酒の缶を取り出す。

 

「真昼間から酒ですの?」

「……これがあった方が集中出来るんだ。お前の高校ならいそうだがな、飲酒経験者」

「まあいますわね」

 

 美咲の返答を聞きながら、遥は早速一口。

 飲みながら、美咲に何かの缶を渡す。

 お酒ではなく、ただのサイダーの缶だ。

 

「ありがとうございますわ」

 

 プルタブを開けてから、口に入れる。

 程よいシュワシュワ感と甘味が口いっぱいに広がった。

 

「なあ」

 

 ある程度飲んだ所で、遥が声を掛ける。

 

「どうしましたの?」

「私には、どうしたら良いか分からん」

「……何がですの?」

「さっきの話に戻るが、私は蘇我高校の生徒を復讐の道具にした事、それにヴィーダを生み出した事を自分の罪と認識している。これ以上誰かに迷惑を掛けない為、私が全ての罪を背負って菫を殺してでも止めようとした」

「そうですわね」

「けど……それは出来なかった。謝罪など必要ないとも言われたが……」

「そう考えるって事は、その後に来る言葉は予測出来ますわ。許して貰いたい、自分もきちんと謝りたい。そうですわよね?」

 

 遥は首を縦に振るのを躊躇ったが、美咲の目を見てから縦に振る。

 

「そうですわね……私も人付き合いというのは得意ではありませんし、どう言えば良いか正直迷いますの」

「……」

 

 少し考えてから、美咲は蒲生と戦った時の事を思い出す。

 そして生徒会のメンバーに見限られ、辞められた時の事を。

 

「私も……仲間に見限られた事がありますわ」

「……」

「この前まで戦っていた剣の怪人・改達は、元生徒会の集まり。私は彼女らの感情を理解しないで……自分のやりたいようにやってきましたわ。私が蘇我高校と戦う事を選んだ時、ついに彼女達は私を完全に見限りましたの……」

「そんな事が……」

「私は今でも、彼女達がもう一度私を信じてくれる為にどうするべき考えてますわ。今の自分のまま……彼女達が私を受け入れてくれる方法を」

 

 

 


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